HyperCard tribute

HyperCardはなにが苦手?


 プログラミング言語というのは、それぞれ得意な分野、苦手な分野というものがあるものです。例えば、「経済計算は得意だけれでも、グラフィック処理は苦手だ」という事があるのです。
 それでは、HyperCardはなにが得意で、なにが苦手なのでしょうか? 説明をわかりやすくするために、苦手な分野から紹介します。

1.スピードが遅い
2.モノクロである
3.(現時点では)MacOS上でしか動かない

 以上がHyperCardの苦手な分野です。これだけ、悪い部分を書き連ねると、HyperCardは最悪な言語だと思われるかもしれません。しかし、問題なのは「あなたは何を必要とするのか?」です。

「スピードが遅い」
 もし、あなたがスピードを必要とするプログラムを作りたいと思っているのなら、HyperCardは必要のない言語といえるでしょう。しかし、家計簿、データベース、絵本、マルチメディア絵日記、(スピードを必要としない)ゲームなどを簡単に作りたいと思っているのなら、HyperCardは最適です。
 「HyperCardは遅くて使いものにならない」あなたの回りの、コンピュータに詳しい人の中にこういう事を言う人はいませんか? おそらくその人は、いくつもの言語を使うことができて仕事でもコンピュータを使っている人だと思います。すなわちその人たちは「あなたは何を必要とするのか?」の部分が、とても高度なのです。
 このスピードの問題は、スクリプトの工夫によりある程度解消することができます。これについては、応用編「スピードアップさせるために」で述べます。
 ちょっとしたプログラムを、短時間で、容易に作ることができる言語はHyperCardの他にはありません。近くのスーパーに買い物に行くのにジェット機でいくのは無駄だと思いませんか? 歩いていけばいいのですから。

「モノクロである」
 実はHyperCardは、追加機能としてカラーを扱うことができます。しかし、機能が限定されているという点と、スピードが極端に遅くなるという点から現時点のHyperCardではお勧めできません。

「MacOS上でしか動かない」
 かっこ内に「現時点では」と書いたことには理由があります。HyperCardの次期ヴァージョンHyperCard3.0の新機能として「ブラウザー上での動作」が可能となる予定だからです。これにより、HyperCardのプラグインを用意すれば、Macであろうと、Windowsであろうと、HyperCardを動かすことができるようになります。今までのMacだけの閉鎖された環境から、グローバルな環境へと変化を遂げるのです。(ただし、Appleのことですからプラグインの配布方法や、宣伝の仕方など心配な点はいくつもありますが・・・)

では、次にHyperCardの得意な分野について紹介します。