色んな報道番組で、既に何度も取り上げられ話題になっているのですが、全くと言っていいほど、法律改正の兆しが見られない、犯罪被害者(特に殺人事件などの犠牲者の遺族)の立場。いったいどうなってるんでしょうか? ここでは、法律上全く保護されていないに等しい、殺人事件等の被害者の遺族の事について書きます。
現状で、加害者側にはたとえ殺人犯であっても、黙秘権を始め、国選弁護人制度、自らが法廷で説明する機会など、加害者だからといって不当な扱いを受けないようにするための制度があります。
しかし、殺人事件被害者遺族の現状は皆無といえるほど権利が無いようです。遺族は、正真正銘の被害者であるにも関わらず、裁判には直接参加できず、傍聴ができるだけ。加害者側に心情とかを訴えたくても機会も与えられず、裁判の結果は聞けても、事件の詳細は分からずじまい。自ら民事訴訟を起こしてその過程で調べるしかないという有様。さらに、加害者が少年少女であった場合には、裁判(審判)を直接傍聴することすら出来ず、加害者が審判の中で、自分の行為を正当化するために、被害者の実像を歪めて罵ったりしても、遺族は何も出来ない。
さらには、被害者及び、遺族に関しては報道が追い打ちをかける。「報道の必要性」と「被害者の心情」の両方をよく考えて節度を守ろうとしている報道機関もあるようだが、一方で、あまりにも多くの無神経で、傲慢な者達がカメラやマイクを持って押し掛けて取り囲んで苦しめる。事件を報道することは確かに大事なのだろうが、ただ無神経に群がっているようにしか見えない連中は、犯罪加害者でしかない。
以上、一方的に感情を吐き出すように書きましたが、色々混ざってるので少し整理した上で意見を書きます。
1.被害者が、法律的にほとんど保護されていない。
2.一部のマスコミが被害者を取り囲み、心情を踏みにじり、第二の加害者となっている。被害者は二重の被害を受けることになっている。
まず、1については、例え完全ではなくても、部分的にではあっても、とっとと改正法案を用意して議論して法制化してしまうのが重要なのではないだろうか? 裁判では置いてけぼりの遺族、事件の真相を知ることすらままならない現状、こういった最低限の所だけでも変えることは出来ないのだろうか? 裁判に深く関わることは、裁判の進行自体に大きく影響するし、現在の裁判制度のあり方を変えることになるので、即決は出来ない問題だろうと思う。しかし、当然守られるはずなのに、守られていなかった、置き去りにされていた権利を守るように法律を直すのにそんなに手間取る必要があるのだろうか?
次に2.については、報道機関の倫理観任せでは、上記のような無神経な者達に十分な倫理観があるとは思えず、改善は期待できない。視聴者あっての報道機関であるので、視聴者側から強い訴えかけを行うことが出来れば改善されるかもしれない。可能ならば、視聴者全体がそういった意識を持ち、被害者の心情を考えて、知りたい欲望を抑えてコントロールするのが理想だと思う。しかし、そんな簡単に理想通りに行くくらいに、みんながみんな自制心や思いやりに溢れているなら、こんなに乱れてはいないはず。なら法律で「ここまでは公益上必要だからOk」、「ここからは単なる興味本位の権利侵害だからNG」と線引きを明確にして定めるしかないんじゃないだろうか?