何も出来なかった、しなかった自分

 この前、通勤電車の中で、ふと前の人が急にしゃがみ込んだ。特に気にとめてなかったけど、しばらくしても動く様子が無くて、ふと見ると妙に肩のあたりがせわしなく上下に動いていた。その様子から、明らかに体調がおかしくなっているというのが分かったのだけれど、その時何もできなかった。

 最初、声をかけた方がいいと思ったものの、自分に何が出来るだろう? 声をかけたとして次どうすればいいのだろう? という戸惑い、そして、心のどこかにやっかいかもしれないことに関わりたくないという臆病な気持ちがあって、少しの間頭の中を色んな考えがぐるぐる巡ったままつったっていた。そんな折、隣にいた人がしゃがみ込んでいる人に声をかけ、それで近くの席に座っていた人が気づいて席を譲りました。そのしゃがんでいた人は、席に座れて体が落ち着いたからか、2人の気遣いのおかげで気分が少し持ち直したのか、最初よりは少し状況が落ち着きました。

 結局、何も出来なかった。何もしなかった。余計なことを考え、余計な心配や不安を抱えてしまう消極的で臆病な自己、やっかいかもしれないことから逃げよう、見て見ぬ振りしようとする卑怯な自己。自分の数ある短所の中で一番嫌いな短所。26になっても未だに変えられていない自分の一番ダメなところ。あらためて思い知ることになった一日だった。

追記:僕が声をかけられなかった、しゃがみ込んでいた方、ごめんなさい。あのあと無事に治まったのでしょうか? 治まってるといいのですけれど…。次、もしこんな事があれば、声くらいはかけれるように努力してみます。こんなところでお詫びを書いても届かないと思うけど、かといって何もしないのもいやなのでここに書きます。

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