アーシング



インプレッサに自作アーシングを行ったので紹介します。
アーシングはバッテリ、エンジンや各種補機のグランド電位を合わせることで、本来の性能を発揮させることを図ります。
無線の世界などでは「ボンディング」と呼び、昔から活用されていました。
効果
一般的にアーシングを実施すると、以下の効果があるといわれています。
純正の配線がやれているような古いクルマほど効果が出るようです。
なお、副作用としてカーオーディオやラジオにエンジンノイズがのってしまうこと、バッテリの寿命が短くなる場合があるなどがあります。
目的
GC8Gは純正のハーネスが十分太く、それなりに配線されており、有効性に疑問があります。
なので、アイドリング状態でエンジンが振動することの解消を狙います。
実は線材などをとっくの昔に買い揃えてしまっていて、暇つぶしもあって実施しました。
材料
線材
錫メッキ編組線(15×1.5mm)を3m
セルモータは50A程度、ヘッドライト(90W)でも7.5A×2の電流が流れますので、細い導線では意味がありません(純正の配線を外すわけではないので50Aに耐える必要はもちろんありません)。
高周波ノイズは導線の表面を流れるため、太い導線よりも細い導線を寄り合わせたもののほうが効果的です。
また、細い導線はしなやかさがあるため、配線の自由度があがります。
一般的なビニル被覆電線は排気系やタービン付近では溶けてしまう可能性があります。
逆に編組線は被覆が無いので、他の配線の被覆を傷つけ、ショートする可能性が高くなります。
秋葉原で購入(1m\300 計\900)
円型端子1
「ズンドコ系なカーオーディオ」用の円型端子(ネジ径φ8mm)を3個
編組線は並みの端子では圧着出来ませんので、小指の先が入るほどの圧着端子部分を持つものを購入しました。
この端子ならば、編組線を折り返した状態でも圧着できます。
カー用品店で購入(2個\500 計\1000)
円型端子2
普通の円型端子(5.5-φ8)を4個
円型端子1は高いので、編組線を無理やり接続するために用意しました。
DIYショップで購入(5個\100)
タイラップ
編組線固定用として適当に。
手元にある物なので価格不明
工具
円型端子1を圧着するための圧着工具または電工ペンチ
円型端子2を無理やり圧着するためのウォーターポンププライヤー
ケーブル取り付けに10mm、12mmのボックスレンチまたはメガネレンチと3番+ドライバ
製作
  1. 最初にメジャーでケーブルを接続する場所のバッテリからの距離とそれぞれの距離を測定します。
    ケーブルの取り回しは高温になる部分や、振動によって他のハーネス、部品とこすれる部分を避けてください。
    また、エンジンが過重移動や振動で動くことを考慮して余裕を見ます。
  2. 測定したデータをもとに配線を検討します。
    編組線を3mしか購入しなかったため、もっとも有効かつ最短の接続を考えます。
    結局配線は2本構成で以下のようにしました(矢印の間の数字は距離[cm]です)。
    (a)助手席側ストラットの純正アースポイント←(60)→バッテリ←(70)→インマニ右バンク←(40)→オルタネータ
    (b)インマニ右バンク←(60)→インマニ左バンク←(40)→運転席側ストラット
  3. 配線に合わせてケーブルを製作します。
    配線の両端は円型端子2を使用し、中間点は折り返した編組線を円型端子1で圧着します。

   
   (a)「コ」の字型をしています。            (b)「V」の字型をしています。
取り付け
作成したケーブルを取り回しに注意しながら接続して行きます。
正しくは、取り付け前にバッテリのマイナス端子を取り外してから行うべきですが、アーシング否定論者によると
「バッテリを外してECUの学習が消えたから効果が出たと勘違いしたんだ。」
と言われるので、接続したまま取り付けました。

助手席側ストラットの純正アースポイントに共締
 
バッテリのマイナスターミナルに共締
 
インテークマニホールド右側の純正アースポイントに共締
 
オルタネータ・ハウジングのネジに共締
 
インテークマニホールド左のリザーバタンク固定ボルトに共締
 
運転席側ストラットのブレーキパイプ固定ボルトに共締
 

接続した配線は、もし端子から編組線が外れるようなことがあっても致命的トラブルにならないように数ヶ所をタイラップで固定しておきます。

一般的なアーシングは、バッテリを中心に四方八方にケーブルを繋げています。でも、自分のは手持ちのケーブルが予想より足りなかったせいもあり、1本の線に全て繋げた感じになってしまっています。これが吉と出るか凶と出るか.....
結果
作業当日に作業場所から駐車場に移動した(100m程度)時は効果はなさそうな感じでした。
しかし、3日後に長距離を走って、エンジンオイルを交換した時のようなフィーリングがありました。
目標の、アイドリングでエンジンが振動することに関しては、若干の効果はあるものの解消には至っていません。
\2000程度(えらい部品代を出している人も居ますが)の部品代と2時間の作業でここまで効くなら、有効なお手軽チューンではないでしょうか。


クルマのページに戻る