今年は、194年ぶりに、ジョンレビー流星群が、極大を迎える年だ。 特に最接近する8月3日から、4日にかけては、 南半球では1分間に、100〜200個の流星が見られるといわれている。 天文ファンでなくとも、世界中の人が沸き立っている。 観測ツアー、流星クルージング等が、大盛況。 オーストラリアの一流ホテルは、すでにどこも満室という話である。 このロマンチックな夜空を、眺めようとする人たちが、いかに多いことか。 そんななか、月面天体観測基地より、緊急通信がはいる。 同基地に、一分間あたり、10〜20のジョンレビー隕石が衝突するという 計算結果が、最新データでの再計算により算出されたためである。 同観測基地では、衝突してくる隕石に対する基地設備の保護のために、 電磁シールド・ジェネレータを、建設時より設置済みであるが、 この装置は、1時間あたり数個までの隕石しか、想定していない。 今回のケースでは、エネルギーチャージが間に合わず、電磁シールドが、 発生させられなくなることが予想される。 その場合、隕石が基地を直撃し、研究施設および研究員に対して、 深刻なダメージをもたらす可能性がある。 政府はこの状況に対し、迅速に対策を練り、月面基地へと回答を返信した。 要約すると「天は、自らたすくる者をたすく。」という内容であった。 こうして、地球からの援護が期待できなくなった月面基地では、 研究者たちが中心になり、自らを守るための作戦を練り始めた。 彼らは、この作戦を「アステロイド・シューター」と名付けた。 |