最近はPCのローレベルなハードウエアに関する情報をあまり見かけないので、 そのための簡単な覚え書きです。 ISAのボードを使う場合や、Plug and Playがうまく動かない場合などに 役に立つことがあるかもしれません。 以下に示す情報は、いわゆる標準的な実装の場合ですが、規格を正しく理解して 書いているわけではありません。また、実際には個々の場合で条件が変わります。 あくまで各自の責任で活用して下さい。
拡張ボードがうまく動かない場合に特に多いのが割り込み (IRQ)が競合しているという症状です。 またPCIカード同士ならばIRQ の共有ができますが、共有をした場合には一般的に性能が低下します。 つぎのデータは割り込みの競合・共用を防止するために、どの IRQ を使用できるかを判別する上で役に立つと思います。
IRQ チャンネル | 標準的な機能や装置 |
---|---|
0 | システム・タイマー |
1 | キーボード |
2 | (空き)(注) |
3 | シリアルポート 2 / 4 |
4 | シリアルポート 1 / 3 |
5 | パラレルポート 2 または サウンド・アダプター |
6 | フロッピーディスク |
7 | パラレルポート 1 |
8 | リアルタイムクロック |
9 | (空き)(注) |
10 | (空き) |
11 | (空き) |
12 | PS/2マウス |
13 | 数値演算装置 |
14 | IDEコントローラ 1 |
15 | IDEコントローラ 2 |
注: PC-AT (ISA) ではIRQ9はIRQ2と同じです。IRQ2を使用している8ビット・ アダプターを装備している場合には、16ビットISAバスにプラグを差し込んだときに 実際にはIRQ9と解釈されます。
標準的な直接メモリーアクセス(DMA)の設定例です。 DMAはCPUを介さずにメモリ転送を行うため、SCSIカードなど 高速なメモリ転送が必要な場合に使用されます。
DMA チャンネル | 標準的な装置 |
---|---|
0 | (空き)(注) |
1 | (空き)サウンド・アダプター |
2 | フロッピーディスク |
3 | パラレルポート(ECP) |
4 | DMAコントローラー |
5 | (空き)サウンド・アダプター |
6 | (空き)SCSI |
7 | (空き) |
注: DMA0は通常使ってはいけません。
標準的なシリアル、パラレルポートの設定例です。
装置名 | I/Oアドレス | IRQチャンネル | |
---|---|---|---|
シリアルポート | COM1 | 0x3f8-f | 4 |
COM2 | 0x2f8-f | 3 | |
COM3 | 0x3e8-f | 4 | |
COM4 | 0x2e8-f | 3 | |
パラレルポート | LPT1 | 0x3bc-f | 7 |
LPT2 | 0x378-f | 5 |
ポートが多数必要な場合はこのままだとIRQ等リソースが足りなくなるので、マルチポートのシリアルカードなどを使います。