メインボード総とっかえ記

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(2000/4/15)
(for 2000/4/10)

DVD-ROMドライブを買って来たのがもともとの原因でした。これまで3年前に買ったGatewayのPentiumII 233MHzで全く不自由なく暮らしていたのですが、ついにここに来てDVD再生がかくかくということに気づいてしまい、僕的メインプロセッサから新しいCPUを買えの命令が発行されてしまったわけです。

このマシンでCPUを買うということはすなわちマザーボードの総とっかえを意味します。 なぜならPentiumII 233MHzといえば初期型も初期型のSlot1。マザーボードのベースクロックは66MHz。メモリは2枚単位のSIMMチップ。ここまでならまだCeleronを選ぶ余地もあるかもしれませんが、致命的なのはマザーボードの対応クロックとして233MHzか266MHzしか選べないというところです。

これまでサウンドボードを入れ替え、グラフィックスボードを入れ替え、Ethernetボードを装備、SCSIボードを装備、TVチューナキャプチャボードを装備と拡張の王道をひた走ってきましたが、購入から2年10ヶ月にして遂に気まぐれで購入したDVDの為についにマザーボードまでもが入れ替わることになってしまったのでした。

で、今回余っていた青春18切符(実はこれを処分したかったってのもある^^;)を使って日本橋まで出て購入した製品は以下の4点。

今回購入したもの達
写真1:今回購入したもの達
表1:購入したもの
\28,500PentiumIII 600E MHz(Intel製)
\13,800ABIT VT6X4(ABIT製)
\10,800PC100 CL2 128MB RAM(不明)
\0Smart Slot1(ASUS製)

とりあえず家を出た時点ではPentiumIIIなんか買うつもりは全く無かったのですが、PentiumIII 600EとSlot1変換アダプタが荷造りテープでまとめられてワゴンに乗せてあったのに反応して買ってしまったのでした。そのためビデオボードはとりあえずPCIのを流用するという結果に。時期的に600Eは処分したいものだったのかもしれません。値段としてはまあ高くも安くも無い妥当なところでしょう。


旧構成の中身
写真2:旧構成の中身
とりあえずふたを開けてフロントパネルを外す。まだPCが高かったころの直販メーカ品だけあって筐体のつくりはしっかりしています。電源ファンの配置もCPU特効になっているなど工夫の跡が見られます。写真のではIDEのケーブルがものすごいことになっているように見えますが実際はそうでもないです。 ちなみに後ろに映っているHTMLタグ辞典はなかなか良いです。とりあえず詳細な仕様は置いといて、したいことがすぐできるような構成になっています。これともう一冊理想的なHTMLの本を買ったら完璧かと。あ、ひそかに例のネジセットも映ってますね。

ではそろそろ始めましょうか。どきどき。

HDD、ケーブル除去
写真3:ケーブル除去
シャドウベイとIDEケーブルを抜いたところ。 本体一番奥に見えるのはISAのTVチューナキャプチャボードです。とにかくでかい。 そしてPentiumIIのヒートシンクのこれまた巨大なこと。まだこのころは冷却ファンがついたCPUは無かったんですねー。その下、一見大量にメモリが刺さっているように見えますが、実は合計でわずか96MBです。

そして続けてさくさくとケーブル、ボード類を抜いていきます。マザーボードに供給する電源ケーブルって返しが付いてるんですね。実は気づかなくて無理やり引き抜こうとしてました(^^;。

ちなみに、今回ふたを開けるときにも感電してしまいました。直ったと思っていたのに。一体何が悪いんでしょうか…。


外したボード達
写真4:外したボード達
30分ぐらい作業してアンマウント終了。マザーボードの取り外しは初めてだったので結構手間取ってしまいました。左は取り外したボード類です。 PentiumIIのロゴが誇らしい。 拡張スロットははISA×3(多過ぎ), PCI×4(ちょっと少ない)。一応USB×2もついています。 マザーボード下に写っているボードはLive!Valueです。それに繋がっている右のはOptical I/Oボード、キャンペーン期間中に付き無料でもらったんですが、これまで一度も利用されず。だってMDもってないもーん。


箱だけの筐体
写真5:箱だけの筐体
さて一方こちらはがらんどうになった筐体です。準備は万端。ここに新しいマザーボードとCPUとメモリを入れるわけですね。



入れました
写真6:入れました
というわけで、さっそく入れてみました。



メモリの大きさ比較
写真7:メモリの大きさ比較
…まあ、ここでひとまず休憩。ここで改めてメモリの大きさを比較して技術革新の速さに驚きました。PentiumIIのヒートシンクの上に乗っかっているのが今回買った128MBのDIMM、下に刺さったままになっているのが合計96MBのSIMMです。下のごついSIMMを見た後では上のDIMMに128MBもの容量があるなんて到底信じられません。どっちか好きなほうをあげる、って言われたら下を取ってしまいそうな気もします。(それはないか^^;)でもホントにDIMMの脆弱な容貌と実力の違いにはびっくりします。


新マザーボード
筐体
写真8(上):新マザーのポート類
写真9(下):筐体の穴

さーて作業再開。 しかしここで突然詰まってしまいました。新しいマザーボードには(別に必要ないですが)サウンド機能が搭載されていて、かのようなコネクタが付いております。一方、筐体にはさのような穴はあいておりません。「はっ!もしや金属のこぎりが要るのか!?」と思ったのは早とちり。実は筐体のコネクタ穴の部分はプラスティックのシールでかぶせてあって、べりべりっと剥がすとちゃんと穴があいていました。よしよし。



新マザーボード装着完了
写真10:新マザーボード装着完了
新マザーは旧マザーに比べて幅が5cmほど縮んでいました。案外にもこの違いは実際に装着するまで気が付きませんでしたが、3年も経つとマザーボードのサイズも小さくなるんですねえ。実は旧マザーボードは5インチベイと物理的に競合する場所があって一番下の5インチベイにはCDROMが装着できなかったんですが、新しいのなら余裕で入りそうです。



第二部 PentiumIII装着編

第一部はありません。なぜなら今思いついたからです(笑)。

PentiumIII
写真11:PentiumIII

とりあえず記念撮影されるPentium III。んー、この気持ちわかるでしょ?嬉しいんですよ、とりあえず(^^。写真左がCPU、右がヒートシンクです。白いのは熱伝導材のようです。修正液みたいな質感です。一通り説明書を見たあと(各国語が1行づつ順番に書いてあるのでこれがまた解りにくい)CPUユニットの製作開始。

  1. はやる気持ちを抑えながらゆっくりとケースからCPUを取り出し、鳥の羽をつかむかのようにふわりとソケットに乗せました。完璧。と思ったら間違いで、じつははやる気持ちは一人歩きしていたみたいです。レバーを動かして固定するという操作を忘れていました。そりゃダメだわ。

  2. 悪い乗せ方
    写真12:悪い乗せ方
    はたと間違いに気づき、今度はレバーを立ててからピンに乗せました。で、レバーを倒す。こんどこそ完璧。と思ったらこれもやっぱり間違ってました。説明書を見ると、ヒートシンクを上にのせて固定クリップをソケットのエッジに引っ掛けるように、と書いてあります。が、いくらやってもクリップが届きません。しかもこのクリップの硬いこと。で、原因を調べてみるとどうも乗せ方が甘かったみたいです。写真はそのときのものですが、2mmほど浮いてますよね。実はソケットに密着するように乗せないといけなかったんです。この状態で上からぎしぎしヒートシンクを押し付けていたかと思うと冷や汗。

  3. 左を引っ掛けると右が引っ掛からない
    図解 PentiumIII とヒートシンク
    写真13(左):左を引っ掛けると
    写真14(右):右が引っ掛からない
    図1(下):締め付けクリップ図解
    ヒートシンクを一旦おろしてCPUをぐっと押し込みます。しかしこの小さなチップに0.18nmの幅で回路が書き込まれていると考ると、ほんの少し軋んだだけで致命的に破壊されてしまうような気がします。それを考えるとなかなか力を入れられない…。 で、今度はしっかりとソケットに押し込んだ後レバーを倒して固定。さっきと違って「ギギギッ」と軋むような音がしました。…「あなたはどこかできしむ音を聞いた」とはNethackのメッセージですが、きっとこんな感じの音なんでしょう。さっぱり意味不明なたとえですが(笑)。

  4. 再びヒートシンクを上に載せて締め付けます。指先の力ではとても曲がらないようなクリップなので、穴にマイナスドライバーを引っ掛け、ドライバをハンドル中の腕に体重をかけて無理やり曲げ込みます。もしここでドライバがずるっと滑ったりすると基盤の回路に穴が空くのは必至。怖い怖い。 ていうか、この時点でこんなことしてCPUって本当に壊れないの?という気持ちでした。

  5. 傾いてる
    写真15:傾いてる
    渾身の力を込めて遂にクリップをエッジに引っ掛けることに成功。しかし心の中は達成感よりも不安の気持ちで一杯です。「ホントにCPU割れてない?折れてない?」しかも見てください、CPUが傾いています!ぎえー。とりあえず外してレバーをたててチェック。しっかり隙間無く刺さっています。で、レバーを倒す。やはりCPUが傾いています!ひえー。再びレバーをたててチェック。しっかり隙間無く刺さっています。で、こんどはゆっくりレバーを閉じる…なー!レバーを閉じる過程でCPUが傾いています!

    どうしよう。
    どうしよう。
    どうしよう。
    …(思考中)。
    …(思考中)。
    「うーん。」
    …(思考中)。
    「うーん。」
    …(思考中)。
    「ま、いっか?」

    10秒の判断によって自分で自分にゴーサイン。そのまま継続することにしました。

最小構成
写真16:最小構成
傾きながらも何とかとりあえずCPUユニットの作成に成功しました。いきなりフル構成で組んでショートしてたりしたら悲惨なのでとりあえず最小構成で起動のテスト。RAM、CPU、ビデオボードを接続。電源ランプと電源ボタンの線を接続。ここで気づいたことには、マザーボードへの電源供給の線の長さがぎりぎり。CPUユニットにちょっと引っかかっています。大丈夫か…?

電源投入。あれ、電源ランプがつかない…やっぱり逆だったですか。まあそれはいいとして、起動から数秒後、ようやく温まってきたディスプレイに映る画面にて驚愕の新事実が発覚。


(よく覚えてないけど)

Pentium III 400E MHz (66.6MHz x 6)

...

CPU unworkable or changed ...

...

Press DEL to setup, F1 to continue.

…400E MHzって、何(汗)?しかも何でPentiumIIIを認識してるのにベースが66になってんの(汗々)?あと…Unworkableって(冷汗)!?この時点ですでにCPUがお亡くなりになっているのではないかと疑惑を持っていました。というのも、ハングアップ様にキーボードからの入力を受け付けません。[DEL]。動きません。[F1]。うんともすんともいいません。

まさかキーボードが繋がっていないなんて凡ミスをするはずありません。とりあえず接続をチェックしますが、しっかりとPS/2ポートに刺さっています。…右側に。

そこで気づくべきだったんですが、とりあえず混乱していたので電源とVGAケーブルキーボードを外して再度コネクタを総チェック。CPUユニットも一旦外して作り直しました。ゆえに熱伝導材の表面がもうぼろぼろです。今はまだ春だからよいですが夏になってもちゃんと動いてくれるかどうか心配です。

で、全く問題ないことを確認した後、再度接続。電源ケーブルさして、VGAケーブルさして、キーボードさして…あー!違った!キーボードは左!

…動いてくれました。相変わらずCPUの表示は400E MHzですが、これは関係なし。CPU種別はてっきり自動判別するものと思い込んでいたのですが、CPU変更時にはBIOSセットアップに入って自分でベース周波数と周波数倍率を指定するのだったみたいです。しっかりと接続されたキーボードから[DEL]キーを押して全く問題なくBIOSセットアップに進む。CPUを選んだ後再起動したら何の問題も無く起動してくれました。

完成版構成
写真17:完成版構成
と考えるとどうもCPUっていうのは外的な力にはかなり強いみたいですね。超硬質セラミックスでしょうか。金属だったらすぐにへにゃっと曲がってしまいそうです。さすがというかなんというか。ともかく安心して拡張ボード類、HDD、ディスク類をマウントしていきました。もう全然平気。さっきまで震えていた手も(ほんとに震えてました^^;)自信ありげです。



第三部 Windows起動編

電源投入3回目にして遂にWindows98が再起動!見慣れた起動画面にひとまず安心しました。最初IDEドライブを認識しなくてあれ、と思ったんですがBIOSセットアップの初期設定でDisabledになっていただけでした。なんでやねん。

起動後大量に見つかる新しいデバイス。チップセット、PCIバス、数値データプロセッサ、DMAコントローラ、AGPコントローラなど次々と発見していきます。が、COMポートを見つけたあたりで、

「Windows98のラベルのついたCD-ROMを挿入してください」

あーはいはい、CDですね。ちょっと待ってね。ちゅいーんとスロットイン。スピンアップを待ってからOKボタン。で、ドライブ名は…。なー!無いっ!そうです。IDEデバイスを見つける前に変なデバイス(ひどい言い様だ^^;)を見つけてしまうと、その時点ではセットアップCDROMが使えない。すなわち大量の不明デバイスが生産されてしまうわけです。

COM、キャンセル。LPT、キャンセル。USB、キャンセル。サウンド、キャンセル。…とりあえずなんかでたら、キャンセル。なー!そんなのは後でいいから先にCDROM見つけろよ、CDROM!そんな訳でマザーボードを替える際にはHDDにCDの内容を移しておくとよいかもしれません。

しかしソフトウェア的な部分となるともう全然気分が違いますね。一方でマニュアル読みながら適当にOKOKで壊れる事は無いでしょう。物理的に壊れさえしなければいくらでもリカバーできますので、その点では緊張感なしで緩みっぱなしです。



エピローグ

そのあと、SBLive!が毎回起動時にブルーバックを出したり、DMA転送が有効になっていなかったり、はたまたアンテナをつけようとしたらまた感電したり(笑)などと色々ありましたがとりあえずは全て解決して動くようになりました。で、新しくなったCPUの感想ですが、

「以前と変わらない」
が第一印象です。確かに起動時の常駐物のロードとかソフトの起動とかが若干早くなっているような気はしますが、あのPC9821As時代に感じたi486DX 25MHz → i486DX4 100MHzの劇的な環境変化の体験には程遠いものがあります。

ただ98エミュレータの速度向上はもの凄いものがありました。後ろでWinampしながら前面では余裕でNyahax'93(笑)が動いてしまいます。体感速度的にはAs並です。以前のCPUでは裏作業なんかできなかったし、動作速度もRXかそれ以下並だったのでこの点ではかなり違いが感じられます。

ところで、しばらく使った後、新しいマザーボードの箱に使っていない部品が入っているのに気が付きました。一つはFDDのケーブル。まあ、これは以前のケーブルをそのまま使っているから要らないでしょう。しかしもう一つはCPUのガイドレール。…(汗)。はい、緊急に中身をあけて装着しました。確かに、なんかCPUユニットがぐらぐらしていて不安だなー、と思っていました。そりゃ本来あるものが無いんだからぐらぐらもするでしょうて。ネジが一本足りないどころの騒ぎじゃないです。ネジといえば例のネジセットは用意だけはしたものの、結局出番無しでした(笑)。あと傾いたCPUもいまだ傾いたままです(笑)。

余ったPentiumIIもまだまだ現役でがんばれると思うので筐体とビデオボードさえ買ってくれば新しいPCがもう一台組めてしまいます。が、部屋の電源が足りないのでとりあえずお休みです。友達に売っちゃってもいいか。ちなみに今回新しく買ったCPU、オーバークロックとかに挑戦するつもりは全くないです。ちょっとぐらい速くなってもファンの音が大きくなるのはやですし、部屋が暑くなるのも困る…。回路が焼き切れたりしたら笑えません。 で、結局本体内部の拡張はあんまり目立たないので直接的価格満足比としてはキーボードとかマウスとかの買ったほうがいいのかもなー。とも思ったのでした。


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