マンション、子供、上階、騒音問題



新しいマンションに移ってきて、子供の騒音問題というよくあるトラブルに巻き込まれたのでその経緯を書いておこう。
正直、騒音問題を経験していない人は感覚の問題とか、お互い様とかこの問題のことを誤解しがち。
だから初めに、マンションの騒音問題の基本的なことを書いておこう。

1、マンションなど集合住宅で音が聞こえるのは当然。
  だからこそ、音に配慮するのは当然。
  つまり、「我慢」と「配慮」があってはじめて「お互い様」。
  騒音問題とは、当事者のいずれかに「我慢」か「配慮」が欠けていたときに生じる。

2、騒音家族とは、配慮に欠けている家族のこと。
  親が暴れる子供に注意しないので、最終的には子供が外と部屋の中の区別なく暴れまわるようになる。
  5分10分当たり前、30分1時間と子供は疲れるまで飛んだり跳ねたり走ったり。
  親の教育の問題なので子供が成長しても酷くなる一方、苦情を出さなければ静かになることはない。
  逆に神経質な人のときは、その人は高い確率で駐車場、ごみの出し方、ペットなど騒音以外のことにも苦情を言う。
  配慮が欠けているか、我慢が欠けているかはそこら辺で判断できる。

3、結局のところ騒音家族の下階になった場合、天井突きまくり訪問しまくり、さらには裁判、警察沙汰になってしまうこともある。
  解決を望む場合、そこまで覚悟を決めておいた方がいいだろう。
  ただし大人の喧嘩は、誠意と配慮をもって相手を追い詰めていくことが大切。
  いきなり上の手段をとってしまうのは賢い行動とはいえない。
  もしも相手がすぐに暴力を振るってきそうなら、一発殴らしてやれ。
  警察沙汰にするなり裁判沙汰にするなり大げさに騒ぎまくって、相手は詰みだ。
  逆に自分がキレるのはご法度。

4、最大の誤解は、コミュニケーションで解決するとか、子供騒音は子供がいると我慢できるとかいうもの。
  逆、独り者は苦情を言って問題化できるが、自分にも子供がいるとなかなか苦情をいいにくいので想像を絶するほどの苦痛を味わうことになるだろう。
  子供の騒音問題は、子供がいる家庭ほど深刻。
  事実、騒音問題が表面化しないマンションではたまりかねて引っ越していく人が多い。
  もちろん噂になるので資産価値も大幅に減る。
  ちなみに僕の解決法も独り者ならでは、家族連れだと難しかったかもしれない。
  
以上のことを、踏まえて交渉に臨むといいかもしれない。
ちなみに僕の場合、子供を注意しない騒音家族の下階になってしまった。

僕がマンションに引っ越してきたのは4月。
そのときから上階の子供の音には気づいていた。
しかしまだ越してきたばかり、そのうち静かになるだろう、そう考えていた自分が甘かった。
我慢して一ヵ月半くらい、静かになるどころか酷くなる一方。
さすがに一時間半以上飛んだり跳ねたり走ったりが続いたときは我慢も限界に達した。
ちなみに音の大きさは、ちょうど窓を閉め切ったとき聞こえる雷や近くでやる花火大会の音くらい。
特に花火の音は区別しずらい。
とはいえ、学生時代のボロアパートのように直接怒鳴り込んでいくことはせず、初めは管理人に相談して掲示してもらうことにした。
当初は「相手は下に響くとは気づいていない」と好意的に解釈し、その後の推移を見守る。
確かに数日は静かになったみたい。
分かってくれた・・・・と思ったのも束の間、また騒ぎ出した。
一ヵ月後には元のまま、また部屋で子供を全力疾走させていたのを確認したとき、僕は再び管理人のところへ・・・・・
次は直接話さなければ埒が明かないと思い、管理人に第三者として仲介にたってもらうことを強く要求。返答は後日ということでその場は引く。
しかし管理人がやりやがった。それまでは直接相手の家にいくことはしないと言っていたのに方針を180度変えて、僕の許可もとらずに相手先に訪問。事後報告のみを僕に伝えてきた。
おそらく売主の要請で苦情を掲示するのをやめたのだろうが、正直いい気持ちはしなかった。
まあ謝罪に来たときに話せばいいやと思っていたのだが、さすが騒音家族、全く謝罪に来ない。
それに直接特定されたわけだから考えを改めるだろうと思っていたが、そこは騒音家族。
お互い様と思えるような期間は二週間ほど、三週目からは頻繁に走り出し、一ヶ月過ぎると元通り、いやさらに酷い気が・・・・
そうは思ったけど、次は直接交渉、そこで有利に立ちたいと出来るかぎり我慢。
夏休みの終わりごろ、条件を整えて管理人に直接交渉仲介の申し入れへ、しかし管理人の答えは「もう一度だけ自分に行かせてください」
ああ、「はい」と答えてしまった自分に激しく後悔。
こちらの意図は伝わらないは、相変わらずごちゃごちゃした音が四六時中続くはで・・・・
さらにもう一度行ってくれるといっていた管理人、なんだか相手が留守ということで有耶無耶にしやがった。
みなさんも管理人に行かせるのは一度だけにしよう。
所詮は第三者、こちらの要求を10分の1も伝えられない。
ちなみに、このとき騒音家族の奥さんがこちらに謝罪に来たというが嘘臭い。
こちらはほとんど家にいたし、何より一度来たというだけで日時を改めてもう一度ということはしなかったらしい。
大体二度も苦情を受けていながら、謝罪に手ぶらというのは考えられない。
結局そのまま夏休みも終わり騒音家族の子供も学校へ、ごちゃごちゃした音に悩まされながら数ヶ月まってタイミングよく相手が騒ぎ始めチャンス到来、その場で管理人を捕まえてすぐに相手宅へ。
そのとき僕の要求は一つ。
「子供が騒いだら、天井をついて合図するのでそのときは子供を注意してください。」というもの。
「天井を突く」という行為は何も相手への嫌がらせを意図したものではない。
これを行うことによって、自分の両隣、相手の両隣、つまり僕と同じく騒音家族の音が気になっているであろうところに「天井を突く音のお詫び」という形で訪問できることにある。
もし騒音家族の両隣が騒音家族の友人であっても先に謝罪にこられてはこの先トラブルがあった場合、騒音家族の味方をすることはしにくい。
逆にこちらに賛同してくれるかもしれない。
しかも上階とトラブルになっていることを近所に伝えるということは、騒音家族にはある程度のダメージがあるはず。
万が一これで解決すればラッキー。
ということで、騒音家族のお宅訪問。
ピンポンと鳴らすがなかなか出てこない。
やっとドアが開いたと思うと、子供がボールを手に持って登場(ダメだこりゃ・・・)。
奥さんは僕がいることに気がつくとすぐに夫を呼ぶ。
そして夫の一言、「うちも上の音が聞こえますよ」だってさ。
さすが騒音家族、上から音が聞こえるのが分かっていれば、下には配慮するのが普通の考え方。
「上から聞こえるのだから、下にいくらでも音を出していいだろう」ではトラブルになるのは当然。
しかもフローリングに散乱する玩具、直起きのベッド、カーペットくらい敷けや・・・・
そのあとも天井の厚さがどうのとか工事した会社がどうのとか関係のない話をしていたが、こちらが「天井を突いて合図します」というのを断ることはせず、目的は達成。
もちろん断れば直接訪問ね。
いかに上階対下階といえど、家族持ちが独り者にトラブルで勝てるわけもなく・・・詰んでるよアンタ・・・・
その後いつものように数日は静か、注意すれば出来るんだよね。
しかし、やはり騒ぎ始めるのが騒音家族。その度に天井を突く。
最初は静かになってくれるのだが、そのうち効果なし。
この場合、近隣にも聞こえるように、しかし天井を傷つけないようにかなり強く突く。
騒音家族は、それをただの嫌がらせと解釈したのだろうか?最後はほとんど無視。
それどころか音はどんどん酷くなる。
そして時は経過し頃合を見て近所に「天井を突く音」のお詫びへ。
このとき管理人に理由(天井を突いて合図を送るが効果はない)を話し、近隣への訪問の許可を取る。
こちらはやることはやった、それでも解決しないなら何度も直接訪問するしかないと。
この期に及んで管理人は、「もう1度自分に」と言ったけれどきっぱりと断り、さらに今後は自分で勝手に行動してもよいという許可もとる。
そしてその日に近所へのお詫び訪問。
あれだけ強く何度も天井を突いたのに、上階の両隣の聞こえていないという答えには驚いたが、ともかくこれで、誠意と配慮の結果として、「天井突きまくり訪問しまくり」という形が完成。
さあこれから・・・・と思っていたのだが、どうやらどちらかのお宅から騒音家族に連絡がいったようだ。
部屋に戻るとかなり静か。
二日後騒音家族が自主的にカーペットを敷いた様で音は半分以下。
今後また騒ぎ出すかもしれないが、とりあえずは解決したかもしれない。
むしろここで配慮したのは騒音家族にとっていい判断。
これ以上争ったら、こちらに謝罪に来る勇気すらない奥さんはノイローゼだっただろうね。
ちなみに、想定していた僕の今後の手段も書いておく。
次の解決ポイントは僕の度重なる訪問に奥さんが音を上げるところ。
子供を怒鳴りつけて静かにさせるだろう。
相手が直接訪問をやめさせようと思っても、こちらは今まで手順を踏んで、しかも上が静かにすれば来ないのできっぱりと断れる。
夫が逆ギレしたら、一発殴らせて警察沙汰。
仕事も危うく、ローンの支払いもつらくなるだろう。
逆に奥さんが意外に図太く音を上げなければ、十中八九騒音で嫌がらせをしてくるだろう。
そのときはその音を「わざと出す音」と解釈する。
わざと音を出せば完全な迷惑行為、騒音計などを使い証拠を集め訴訟。
こちらが今まで管理人を通じ、誠意と配慮をもって対処したことが生きてくる。
いずれにせよ、騒音家族は下階に配慮し子供を注意するという当然のことをしなかったがためにジリ貧。
僕の騒音問題が解決したかどうかは今後とも様子を見なければ分からないが、僕の有利は変わりない。
どうせ騒ぎ出してもこちらは自由に天井を突き訪問できる。
騒音問題が解決する可能性は高い。

ここで、4月に引っ越したとして僕のお勧め苦情ポイント、解決法を書いておこう。

5月 ゴールデンウィーク明け。
  子供が10分くらい暴れるのを確認(親が注意をしていないのを確認)
  管理人にお願いし苦情を掲示してもらう。
  上階が良識ある人ならこれで解決。

6月末 夏休み前。
  子供が10分くらい暴れるのを確認(親が注意をしていないのを確認)
  必ず騒音源を確認。
  管理人に直接苦情を伝えてもらうか、管理人に話を通し自分で言いに行く。
  ただし、もう一度の掲示は効果がないと断る。
  管理人に第三者として立ち会ってもらった方がよい。(こちらの誠意を見せ付けるため)
  相手には必ず丁重に、頭を下げてお願いする。
  上階が普通の人ならこれで解決。騒音家族でなければ、少なくともカーペットは敷いてくれる。

8月 夏休み中頃から終わり頃
  ここでまた元通りうるさいようなら、上階が騒音家族であることはほぼ決定。
  騒音家族が夏休みの間子供を注意し続けることは不可能。
  解決を望むなら覚悟を決めること。
  子供が10分くらい暴れるのを確認(親が注意をしていないのを確認)
  必ず騒音源を確認。
  必ず相手に直接会いに行き、天井を突いて合図するのでそのときは子供を注意してほしいと伝える。
  管理人に第三者として立ち会ってもらった方がよい。(内容の証明となる)
  ただし管理人の代理は断ろう。
  相手には必ず丁重に、頭を下げてお願いする。

上記訪問より数日から数週間。
  うるさかったら天井を突いて合図を送る。
  意図的に叩いていると分かるような「トントントン」というようなのがいい。
  ある程度は我慢する、子供が騒ぎはじめて3分ぐらいを目安に。
  そのうち上が無視し始めるので、近所に聞こえるようにかなり強く天井を突こう。
  騒音家族はかなりの確率で、さらに派手に暴れるだろう。

一日に20回以上突くようになったら近所へお詫び訪問。
  管理人の許可をとる。
  今後はこちらに一任するという許可もとっておこう。
  手見上げは忘れずに。
  あと、近隣には騒音家族とトラブルを起こしているということも伝えよう。
  特に騒音家族の両隣の方には、今後玄関先で迷惑をかけるかもしれないことも詫びておこう。

その後・・・・
  公認で天井突きまくり訪問しまくり。
  逆ギレされたら警察沙汰に。
  無視されたら故意に出す音として内容証明郵便、裁判沙汰へ。
  正直我慢比べ、頑張ってください。


最後に
  子供の騒音問題はマンションでは最もポピュラーな問題。
  その割には管理会社のノウハウが貧弱。
  特に2回目の戸別訪問が必要になったときには、下が神経質か上が騒音家族か、のいづれかの可能性が高い。
  しっかりとどちらかを判断するノウハウを蓄積し、2回目はお互いの家庭、さらに必要とあらば近所の協力もとり徹底的な解決を図る方がいいだろう。
  少なくともマンションには騒音計とそれを録音する機器くらいは常備してほしい。
  


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