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発音記号の入力


 英語の教材を作るときに発音記号を使いたいことがあります。
 ところが、"Times New Roman" や "Arial" 等の Windows フォントは中途半端な種類の発音記号しか持っておらず、使い物になりません。みなさん、どうなさっていますか?

 Microsoft の辞書である Bookshelf では発音記号も表示されるので、ためしにコピーして Word に貼り付けて見てみました。すると、Word 上でもちゃんと表示されるんですが、なんと、"Arial" が持っていない記号だけを集めた "Boolshelf Symbol" とかいうフォントも合わせて使っているのです! つまり、ひとつの単語の発音記号を表すのに、複数のフォントを使っているわけです。
 われわれが教材を作るときに、記号によってフォントをあれこれ変えてはいられません。だいいち、キーボードからは入力できないので、全て「記号」として扱わなければならないのですから、入力自体も手間がかかります。

 一太郎 + ATOK の場合、発音記号モードがサポートされています。十分な記号を持っているかどうかは知りませんが、これはあくまでも一太郎を使う場合にのみ有効です。たとえ ATOK を使っていても、Word ではダメなんです。(^_^;


 でも皆さん、大丈夫です。ちゃんと方法はあるんです。SIL(the Summer Institute of Linguistics) のホームページhttp://www.sil.org/computing/fonts/Encore-ipa.htmlからダウンロードできるフリーのフォントとツールを使えば、完璧に発音記号を取り扱うことができます。しかも、どんなソフトに対しても(Windows ソフトであれば)入力可能です。

 SIL の IPA (International Phonetic Alphabets) フォントには3書体が含まれており、しかも international というだけあって学校の授業で使うには十分な(実際には十分すぎるくらいです)種類の発音記号が含まれています。きれいなフォントである上に、しっかりとしたヘルプがついています。(ただし、英語です)
 キーボードからの入力には Keyman (Tavultesoft Keyboard Manager)というツールを使います。これもフリーです。本来は英語以外の言語を入力するための汎用的なシェアウェアのようですが、ここからダウンロードできるバージョンはフリーのようです。こちらにもしっかりとしたドキュメントが付属しています。A4 版で50ページ以上にもなるマニュアルが Word の形式でついています。(もちろん、これも英語です)
 もっとも、Keyman はマニュアルを熱心に読まなくても簡単に使えるのでご安心を。発音記号入力状態のオンとオフの切り替えさえできればいいのですし、それも、アイコンのクリックだけですので、とっても簡単です。

 フォントとツールをインストールしておけば、実際の作業での手順は以下のようになります。
  1. 入力したい部分のフォントを IPA フォントに変更する。
  2. 「KeyMan」を起動する。
     (1と2の順序はどうでもいいです)
  3. IPA フォントのヘルプにあるキー配列にしたがって、キーボードから入力する。
以上です! Keyamn が起動していても、発音記号入力状態をオフにすれば普通に英語や日本語が入力できます。いちいち立ち上げたり終了したりを繰り返す必要はありません。

 わたしは、ずいぶん前からこのフォントとツールを愛用しています。早く標準の Windows フォントで我々に必要な全ての発音記号をサポートしてくれればいいのですが、それまでは手放せそうにありません。


 ところで、発音記号以外にもさまざまな外国語のフォントがインターネット上で入手可能です。なかには、日本語やハングルもあって不思議な感じがします。たとえば、Yamada Language Center Font Archivehttp://babel.uoregon.edu/yamada/fonts.html)というところには、SIL の IPA フォントを含めて多くのフォントがありダウンロードできます。お暇なときに覗いてみてください。



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