====================================================================== ● ● ●●●●● ● ● ● ☆HTML入門講座☆ ● ● ● ●● ●● ● 第5号 98/9/20 ● ● ● ● ●● ● ● ●●●●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 発行人: ● ● ● ● ● ● 池田蛇足 dasoku Ikeda ● ● ● ● ● ●●●●● =====================================================発行部数 2447部== 第4講:良いHTMLとは??(特別講義) 前回、HTMLの基本的な構造については説明を終えたので、もうみなさんは 簡単なHTMLファイルを作成することができるようになりました。もちろん これから、画像を表示したり、読みやすいようにレイアウトしたりするために さらにHTMLについて学習しなくてはなりませんが、おそらく、それらの学 習は苦にもならないでしょう。変てこりんな、不等号に囲まれた「たぐ」など というものを挿入していくだけで、どんどんページが表情を変えるのです。楽 しくて仕様がないでしょう?? ですが、具体的なタグの紹介に入る前に、ちょっとみなさん考えてほしいこと があります。「良いHTMLってどんなHTMLだろうか」という問題です。 優れたWEBページとは、みなさんにとってどんなページでしょうか?色々な 解答がありえます。何といってもコンテンツの充実したページだと考える人も いるでしょう。音楽が背後に流れ、画像が自在に動き回るヴィジュアルなペー ジがいいと考える人もいるかも知れません。或いは、CGIやスクリプトを駆 使した、対話的なページがいいと思う人もいるでしょう。 しかし、WWWの素晴らしい点というのは、どこにあるのでしょう。音楽や画 像を統合したマルチメディアなページを作れることがWWWの利点だと考えま すか?だとしたら、それは間違いです。なぜなら、今のWEBでできることよ りも遥かに高度なことが、たとえばCD−ROMでは可能だからです。既存の メディアでできることを、WEBでもできるということに過ぎないならば、W EBの存在価値は稀薄なものになってしまいます。WEBにしかできないこと。 それが、WEBの最も素晴らしい点です。 それは、プラットフォームに依存せずに情報を送受信できる、ということです。 どんな計算機でも、マックでもWinでも、あるいはUNIXでも、もっとマ イナーなOSを使っていても、どこの会社で作られた計算機でも、どんなに画 面が小さくても、誰でも自由にWEBから情報を取り出して閲覧でき、また逆 に発信することもできます。たとえば今まで、Windows で作ったデータをマッ クな人に手渡すときどうしていましたか?UNIXの mule で作ったファイル を Windowsで読むのはとても面倒です。WWWは、どんな計算機環境にいるか を問わない、クロスプラットフォームの情報伝達手段なのです。 たまに「このページは Netscape Navigator 4.05 以上でご覧ください」あるい は「お使いのブラウザを選んでください。 Navigator or Internet Explorer」 のようなことを書いているWEBページをみかけます。この入門講座で勉強し ている方は、これだけはやめましょう。なぜか。理由は簡単です。そこを訪問 した、IEやNNを使わない、他のブラウザで閲覧している人はどうなります か?確かに他のブラウザではうまく閲覧できないような技術もあります。しか し、だからと言って、閲覧できない少数派を黙殺していいということはありま せん。上記のような断りは、たとえば次のような看板が建物の入り口に立てて あるようなものです。 「カローラ2で御入場ください」 「あなたはどんな人種ですか? 西欧人 または 米国人」 ましてや「このページは Netscape Navigator 4.05 以上でご覧ください」な どと書いて、その横にネットスケープ社へのリンクバナーを貼りつけている人 もいますが、これなどは言語道断ですね。たとえば次のような表示と同じこと です。 「カローラ2で御入場ください。カローラ2をお持ちでない方は、トヨタ に行って買ってきてください」 確かにIEとNNのシェアは圧倒的です。しかし、圧倒的ではありますがすべ てではありません。閲覧するブラウザを限定することは、逆を言えば、そのブ ラウザを持たない人、持てない人を締め出すことになります。プラットフォー ムに依存しない情報交換が可能だったはずのWEBの可能性を、一気に狭めて しまうことになりますよね。 たとえば Lynx というブラウザがあります。このブラウザは、テキストしか表 示しません。HTMLにはIMGエレメントで画像を挿入することができます が、 Lynx はそれを表示しません。また、色も単色です。フォントの色を変え ることもできません。このブラウザでどう見えるかを考えることは、誰にも優 しいWEBページを書くコツになるでしょう。たとえば画像でいっぱいの、音 楽も鳴っているようなページでも、このブラウザではテキストの部分だけがポ ツンと表示されることになってしまうのです。 FLASH、DHTML、スクリプト、CGI、動画、BGM…様々な技術を 駆使してWEBページを記述するという行為をやめろとは言いません。この講 座でも、今後、様々な最新技術を紹介することになるでしょう。問題は、それ を閲覧することができない人にもわかりやすいページを作ることです。誰が見 ても、コンテンツは理解できるように作ることです。 特にお願いしたいのは、知覚障害をお持ちの方にとって、コンピュータという のは重要な情報伝達手段になり得ます。自分のWEBサイトに、たとえば目が 不自由な方が来て、音声読み上げのブラウザで閲覧したらどうなるか、そんな こともちょっと頭の片隅に入れておいてほしいのです。WWW…世界規模のク モの巣…に群がる小さなクモたちが、みな平等に情報にアクセスし、また発信 できるように。実は、実社会では難しい、ハンディーキャップを持った人々と 対等な立場に立つということが、意図せずにできるのはインターネットの世界 かも知れません。 ●宿題 今回の講義内容に関して思うところをメールで下さい。 お待ちしています。 m(__)m ●前回の宿題の解答----------------------------------------------------
さてみなさん。みなさんは小さい頃、ドアを開けてそのまま閉めず に部屋 に入って「開けたら閉めなさい!」と怒られたことはありま せんか?瓶の蓋を開けたら、普通はしっかりと閉めますね。開けたら閉 める。これは実は、HTMLのタグにも当てはまります。
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ではさむことができます。ま ずは段落にすべき文字列を書いて、そこを選択し、マウスの右ボタンをクリッ クしてポップアップメニューを出してください。そこで「パラグラフ化」を選 べばOKです。 ★編集後記★ ・次号からいよいよ本格的にHTMLを説明します。次号では