特設「西洋魔術結社に愛の手をっ!」
第2章:「幽体離脱」編
『攻めも守りもすべてお任せ?』


強力なファストカードを多数有するWIZ-DOMに於いても、常にその1、2を争う強力カード。 それがこの幽体離脱であろう。
まさにWIZ-DOMにのみ許された特性と、副作用として生み出された強力すぎる効果。
今回はその点に注目してみたい。

ところが、この強力な幽体離脱であるが、誰もがその威力を認めるわりに投入されているデッキは少ない。 禊祓祝詞の存在も考えられるが、ライカンスローピィの数がそれほど変化していないことから否定するしかないだろう。
では、なぜ投入率が低いのかというと、単純に見るとこのカードは攻撃力を増加するという作用が無いからである。

現在のパワーを精神攻撃力として変換する。大抵のキャラ、ブレイクは攻撃力が下がる。 普通に考えれば攻撃力上昇のファストがこれだけ用意されている中にあっては見劣りするかもしれない。
しかし、それを補って余りある程の防御性が幽体離脱には秘められている。
何しろ、攻撃力が事実上0となるのである。下手に耐久力を上げるよりも、出来る事ならば相手の攻撃力を 0にした方が確実なのは言うまでもない。その行為を容易く成し遂げるのが幽体離脱なのだ。

他にもウェイトレスが精神攻撃(1)を持ったりと、パワーカードさえあれば誰でも精神攻撃を持つことが可能なので 相手に気づかれずに相打ちに仕留める罠を着々と張ることが可能である。 相手の大黒柱を屠った後は、もはやもぬけの殻である。好きに駆け抜ける事が可能であろう。
そう、幽体離脱は思った以上に貴方に勝利をもたらす可能性の非常に高い1枚なのである。

幽体離脱には、奇襲という言葉がよく似合う。逆に言うと、相手に対して堂々と使うべき存在ではない。
手札になくても、常に相手には持っていると思わせるのは常識的なブラフである。
しかし、持っていないと思っても万が一持っていた場合には確実に損害を被るため、通常相手は立ち止まる。

この、相手からは見えない『5枚目の幽体離脱』を相手に警戒させる事。
これこそ、テキストには書かれていない幽体離脱の効果である。