特設「西洋魔術結社に愛の手をっ!」
第8章:「舞踏会」編
『踊りましょう、破滅への狂想曲と共に…』
磨羯宮の女神には、WIZ-DOMに於ける見るべきカードは比較的多い。 その中で、今回は敢えて舞踏会を選んでみた。 世間一般的に言われているディスペルマジックやゲヘナの炎、フレイヤよりも このカードを選んだのには、このカードがよりWIZ-DOMらしいからである。
その効果は、言わば簡易的なマインドリンクといった感じである。 しかしマインドリンクとは異なる点であり、また最大の特徴となるのは 「与えられたダメージは目標のキャラクターにのみ与えられる」という点である。
さらり、と簡潔に書かれているので特に注意しないと実感はないのだが、 実際にはこの一文は極めて凶悪な一文である。 なぜなら、この一文があることによって、バトルの捨て逃げが可能となるのであるのだから。 簡単に言うと、自分の支配キャラクターでアタック宣言、それに対するガード宣言に対して 舞踏会を目標キャラクターに使用して追随アタック宣言を行なう。すると、 2人の合計の攻撃力(記されていないので、精神攻撃も合計されるはずである)をガード宣言した キャラクターに与え、バトル相手のダメージは舞踏会の目標となったキャラクターのみが 受けるという理屈である。
1トップ型の相打ちを嫌って使うもよし、相手の大型ブレイクを除去するのに使用するもよし。 今までの幽体離脱とはまた異なったアプローチでの、バトル補助型ファストカードであることは間違いない。
しかしながら、問題なのはこのカードがどのデッキにも入るというわけではないことであろうか。 何よりも、アタック時のみの効果なので守勢に回っているときには何の役にも立たない。 ついでに、効果を発揮するごとに(大抵は)このカードの目標となったキャラクタを 失う事になることも注意が必要である。 幽体離脱とは異なり、こちらの被害なしに効果を得ることができないカードなのである。
それでも正直、強い。読みきれないし、読めてもどうにもできない。 舞踏会を警戒すれば幽体離脱があり、逆もまた然りである。 両者を読みきるのは、相当困難な作業であるのだから。