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Diary

女児パンツ日記

2002/10/16 ラーメンの出ないラーメン屋

 マズラー(マズいラーメン)を語るのであれば、やはりあの店を語らずにはおけないでしょう。

 その店は、あの『佐野さん』の支那そばやの近く、正義の味方が出る大型スーパー前の大通り交差点の脇にあります。支那そばやが裏通りにあることを考えれば、場所的には悪くはないポイントです。

 車で前を通りかかったときに、その店の看板にはこう書かれていたのです。

『ランチ 半ラーメン半チャーハン唐揚げ ¥500』

 安いっ!! 今時ラーメン+半ライスで¥1000はするご時世に、これだけのメニューで¥500は安いです。これは良店の匂いがする! ってなわけでさっそく入ってみた我々ラーメン(貧乏)レンジャー部隊。

 店の主人は『谷隼人』に似ている感のあるちょっとした男前です。気むずかしい雰囲気もなくフランクな感じが好印象。気になるのはギョロっとした目で正面から見据えられることですが、これは個性の範疇なのでいたしかたありますまい。

 で、さっそくランチを注文する僕とみそおでん。すると主人、店の奥に声をかけます。

「ランチまだある〜?」

 その言葉に応えて出てきたのはぼっちゃりした丸顔に笑顔が可愛らしい奥さんらしき人物。2、3言交わしたあと、主人は僕らに照れくさそうに、

「チャーハンはあいつが作るから」

 どちらかというと、主人に作ってほしい気もしますが、そこは「へへ」と愛想笑いを浮かべてさらりと流す我々。まぁ、主人がラーメンで、チャーハンは奥さんが作るという手間賃削減作戦によって500円ランチが実現したということであればなかなかの商売上手です。これでそこそこ美味ければ人気の繁盛店になることでしょう。

 するとご主人、奥さんの手伝いかそそと奥の厨房に引っ込みます。なんとなく出てきた奥さんのお腹がふくらんでいたような気もしたので、もしかしたら身重なのかもしれません。そんな奥さんを手伝うなんてなかなか良いご主人です。

 しばし、雑誌などを読みながら、ランチを待つ僕とみそおでん。

 しかし、そのときでした。奥からひょいっと顔をのぞかせたご主人、僕たちに向かってとんでもないことを口走りました。

「今日は焼きそばだから」

 「は????」と顔中をハテナマークで埋める僕とみそ。

 どうやら今日のランチは半ラーメンではなく半焼きそばということらしい。

 い、いや……今さらそんなことを言われても……。激しく後悔の念が漂います。奥からはチャーハンだか焼きそばだかを炒める音。これじゃ帰るにも帰れません(泣)

 そして、奥から大きな皿を二つもって来る奥方。

 お皿の上には、油がこってり光る焼きそば、カリカリに揚げられた鶏の唐揚げ、銀紙の器にバター炒めのほうれん草と、ピーマン、にんじん、椎茸のヘルシーチャーハン、その上にプチトマトが2つ……それが一枚の大皿の上にぎっしりと盛られておりました。

「これって子供用のお弁当じゃんっ!!(T▽T)」

 っていうか、奥さん子供居るでしょっ!? 幼稚園か小学校低学年くらいのっ!! もう見るからにそんなランチ。

 なんかもう、「みそ! さっさと食ってファミコンやろうぜ! バンゲリングベイの帝王見つけなくちゃ!」とか言い出したくなるような気分です。

 すっかりげんなりして、大きな銀スプーンでチャーハンを食べますと、案の定ママの味が口いっぱいに広がります(涙)

 ラーメンの代わりに出てきた焼きそばも、小学校の給食のようにやわやわです。

 頼みの綱は唐揚げか! と期待を込めてほおばったところ、ジューシーさゼロで、カリカリはしているものの、パサパサで味気がありません。

 ほうれん草のバター炒めや、プチトマトなんかをもしゃもしゃ食べておりますと、なんだか子供の頃、幼なじみのお家で食べた「よその家のママの味」を思い出してきます。

 「あの家のごはんマズい」と言ったとき、ママに「それぞれの家にそれぞれの味があるんだからそんなこと言うのは失礼よ」と優しく言い諭されたことまで思い出しました。

 ……ああ、ママ、元気ですか? 僕は元気です。


 すっかりノスタルジックな気分に浸っていたそのとき、

「ごちそうさま」

 隣のみそがぐだぐだな声で言いました。

 見るとやっぱりお皿の上にはいっぱいママの手料理が残っている次第。

 帰りの車で、僕とみそは思いました。

「ラーメン屋に入ってラーメン食えないって屈辱だね」


 ……お友達の家で食べるママの手料理。あなたならいくらまで出せますか?(苦笑)

2002/10/12 まずいラーメン

 4ヶ月ぶりの日記です。いやもうそれは日記って言わないんじゃないの? いいの、書きたいときに書いて適当に休むの。そーゆーのが好きなの。ダメ人間なの。

 みなさんこんにちは、お元気でしたか? 最近オ○ニーのしすぎで赤い精液が出た苦魔鬼です(ぉ

 さて、今日みそおでんと一緒にいつものようにラーメンを食べに行ったのですが、いやなんというか、『美味いラーメン』というものはあくまで相対的なものであり、美味いラーメンの数だけ『不味いラーメン』というものが存在するのだなぁと痛感させられた日でございました。

 飲食店というもの土日は混みます。美味いと評判のラーメン屋ならなおさらです。そこで我々ラーメンレンジャー部隊は土日はチャレンジデーと定め、まだ見ぬ強豪を求めてラーメン店の開拓をするのでございます。

 ねらい目はあまり人の入らなそうなちょっと小汚いお店。こういうお店をわざと狙って入るわけです。当然この手のお店はヒットよりもはずれの方が多く、いやむしろ大はずれの場合も多々あるわけで……そんなときは「やっちまった!」とばかりに二人で大毒舌弁論大会を催したりするわけではございますが、それはそれで楽しかったりで、まぁ、そんなときは得意になって自分たちのことをラーメン芸人とか呼んだりします(笑)

 そして今日はまさにそんなラーメン芸人にとって『おいしい日』いや実際のラーメンは不味いんですが、そんな日でございました。場所は国道の大型トラックがぶんぶんかっ飛ばす一角。左がカツ定食を安く食べさせる「かつや」、右は「山田うどん」そのさらに隣は「吉野屋」という最悪のポジションに構えてしまっているお店でした。

 店内に入ると想像通りの運ちゃんラーメン店。厨房にはなぜか化粧をしたおばちゃんが一人。最悪の雰囲気がただよっています。カイジでいうところの「ざわざわ」です。

 とりあえず基本中の基本『醤油ラーメン』を注文。これは下手なトッピング系を選ぶと、そのトッピングだけが美味かったりしてラーメン自体の味がわからなくなる可能性があるためです。しかし、出遅れたみそは僕と同じものを注文するのがしゃくらしくしかたなく「スタミナラーメン」を注文。普通に塩ラーメンとか頼めばいいのに、変にラーメン芸人としての魂が燃えてしまった模様。

 すると、おばちゃんすかさず『おしぼり』を出してきたではありませんか! おしぼりです。それもビニールに包まれた。まさかラーメン屋さんでおしぼりが出てくるとは思いませんでした。つっこんでくれと言わんばかりです。

 つっこみたい気持ちを抑えて、水を飲みながら待ちますと意外に早く出てくるラーメン。ごく普通のどんぶりに、のり、ネギ、チャーシュー、メンマ、わかめのトッピング。普通です。あまりに普通です。

 ところが一方のみそおでんのラーメンには、野菜炒め、もやし、生卵、バターが乗っていたのであります! 味噌味なのでバターはわかりますが、『スタミナラーメン』と銘打っておきながら実は『野菜ラーメン』なんてオチこっちは想像もしていません! 「それじゃ『ヘルシーラーメン』じゃねーか!」とつっこんでくれと言わんばかりです。

 とりあえず、ラーメンをすすります。スープは薄味で、麺はぼそぼそ、チャーシューはちょっとだけ変な匂いがしました。流行らないお店では平気で悪くなったチャーシューを乗せることがあるので、それかもしれません。とりあえず、ずぞぞ〜っと平らげて、隣の方を見ると……。

 なぜかお店のおばちゃん、冷蔵庫からコーラを取りだし、たばこを吹かしながら飲んでいるではありませんか。いや、別に自分の店で空いてるテーブルに座ってなにを飲もうがかまわないのですが、問題は僕の目の前には前の客が食べたあとのカレーの食器が置いてあるということです。どうやら僕たちの食器と一緒に洗うようです。それはそれで別にいいけど、お願いだからせめて下げてくれ。頼みます(涙)

 さらに入り口へと目を向けると、開けはなったドアからもうもうと煙が舞いこんできています。だれか外でたばこでも吸っているのかと思いましたが、誰もいません。どうやら国道を走る車の排ガスが店内で対流を起こしているようです。

 ……なぜかこのときブリーフ&トランクスの『定食屋』の曲が頭の中でリフレインしておりました。不思議です。

 と、その次の瞬間、
みそ「ごちそぅさま」
 妙にぐだぐだな声でつぶやいたみそ、「なにかしらん?」と目を向けてみると、彼のどんぶりにはたっぷりと『スタミナラーメン』が残っていたのであります。

 出ました! ラーメン残し! ラーメン好きのみそおでんの最終奥義であります。

 そしてこの後の感想戦でみそは語るのでありました。

「超はきそう……」


 ……至高のラーメンが存在するならその逆もまたしかりであります。