1997/09/13 | Lancer@yomi (Lv.3) |
Lord_King_1
Bad-Mr-T-Rex
Lancer@yomi
無口な Warrior 三人が、黙々とB1のモンスターを蹴散らしていく。
Lord_King_1 と Bad-Mr-T-Rex の二人が別れ別れになる機会を待っているうち、広間の掃討が終わり、
小部屋の連なりへ入った。
やるならこの辺だな・・・と思ったが、彼らの拾い残した小銭をつまんで歩いているうち、
こっちが彼らとはぐれてしまった。あれれ、二人とも何処行った・・・?
突然、さっきの広間のほうから声が響いた。
「うおーっ」「ベチョッ」・・・。
Lord_King_1 > U R PK
Bad-Mr-T-Rex > I'm sorry.
RES し、ポーションを投げる音。そうか、先を越されたか。
広間に駆け戻ると、PKと被害者が睨み合って立っていた。
双方無言。
思わず緊張した。
現場に着いた一瞬、自分がPKのウサギになった気がした。
きっと次の瞬間、彼はこの新しい獲物めがけて突進してくるに違いない。
ポータルを開けてすぐ逃げ出そうか ・・・?
しかしトラの自分もすばやく計算していた。
あいつの AC なら、こっちの勝算はなかなか高そうだ。
今すぐ「敵討ち」を仕掛けてやるか ・・・!
ほんの数秒の間だったか。三人が三人とも、その場に凍りついてしまった。
Player Attack を確認し、Bad-Mr-T-Rex に向かっていった。
PK稼業を始めて以来、Legit な同業者とハチ合わせるのが初めてだったので、
ひとつお手並み拝見といった気持ちもある。
しかしそれ以上に、Bad-Mr-T-Rex のPKスタイルが自分のそれと実に寸分違わない様子だったので、
なんとなく好意を感じてしまったのだ。
こいつになら、万一耳を取られても悪い気はしないだろう。
Bad-Mr-T-Rex はこっちの動きに合わせて間合いを保ち、なんとなく戸惑っている様子だ。
そうか、向こうはこっちが「同業者」だって事を知らないんだ。
PK現場を見たというのに、逃げもしなければ、罵声を浴びせるでもない、
無言で剣を振りかざして来るのが意外なのかもしれない。
Lord_King_1 > 気をつけろ。やつの斧はよく切れる。
広間の端まで行き、回廊の柱の連なりのあたりをグルグル追いかけ回す。 さらに回廊の端まで行き着いたところで、やっと Bad-Mr-T-Rex を捕らえることができた。 彼が斧を構えるのが見えたが、こっちも必死に連打を繰り返す。 斧の攻撃モーションが遅いせいか、何とかハメに入った。 やがて彼の断末魔の声が響いた。
彼の耳と、1400 余りの金が床に落ちた。
普段なら耳だけ拾う所だが、その時はたまたまひどい金欠病でもあり、
PKKという名目もあるだろうと手前勝手に解釈、金も頂いた。
彼は無言で quit していった。ますます彼が好きになった。