青少年のための科学の祭典'99見聞録
(大阪大会:大阪市立科学館にて)

1999年3月21日(日)

 私は3月21日の春分の日に大阪市立科学館で開催された青少年の科学の祭典に参加してきた。ここには私が見たうちのいくつかを紹介する。

《気に入った出典作品》

冷たくなる袋

     右のような袋をつくり、ランチャームから水を出す。このとき水が漏れないように注意する。

    すると、硝酸アンモニウムが水に溶け冷たくなる。硝酸アンモニウムは水によく溶けるので水は少しでよい。また、空気中の水分を吸うこともあるので保存には不向きである。爆発の危険性もあるから取り扱いには注意すること。
    ランチャームとは魚の形をした醤油さしのこと。

バター作り

     ホイップ(植物性でない乳脂肪分45%のもの)をコップの中に入れふたをし、これを振る。コツは上下に素速く振ること。ホイップを予め冷やしておくとよい。がんばれば8分弱でバターになった。

虹の部屋

     大きいビーズのときは大きな虹が見える。
     小さなビーズの時は小さな虹ができる。
     両方混ぜ合わせると大きな虹と小さな虹の2つができる。
     虹ができるのは色の違う光によって光の屈折率が違うからである。
     この実験は暗室の方がわかりやすい。       

 

電子レンジでプラズマ

     電子レンジは中で2450MHzの電磁波を出している。  水を入れると水分子を揺すって水に熱を与える。これは、電磁波が水の分子を揺らすため。コップなどの入れ物は決して直接熱くはならない。  蛍光灯を入れると蛍光灯が光る。白熱灯を入れると白熱灯が光る。切れた電球を入れても同じ事が起こる。これらの時はそのものはあまり熱くならない。  カーボンファイバー(炭素繊維:炭素を糸のように細くした物)を円にして土を入れたビーカーの中に置いた物を入れると、プラズマのようなことが起こる。(燃焼ではない)  上の二つの実験はあまり長い間やってはいけない。  このようにエネルギーは様々な形に変化する。(この実験はまねをしないように。)

ホーバークラフト

     自動車のタイヤのチューブと掃除機のモーターを用いたホーバークラフト。右の図はあくまでも想像図である。

     電力供給は100Vのコンセントから。掃除機のモーターの吸気する方を上にし、排気する方を下にして板にきっちりとはめ込む。このときすき間から空気が漏れないように注意する。つまり吸い込む方を上にしてチューブと板で囲まれた空間に空気を送り込む。そうすればホーバークラフトが浮かぶ。60s以上の人が乗ってもすーっと動いた。               

     吸気口に水がかからないようにすれば水上でも大丈夫だそうだ。

超高速度撮影

     水風船やシャボン玉の割れる瞬間を見ることができた。普通のカメラでは毎秒30コマぐらいだが、このカメラは1秒間に4500コマ撮影することができる。つまり、1/4500秒ごとに物の様子を見ることができるのである。実際にその場で撮影されているのではなく撮影した物をビデオに録画した物を流しているだけであったが、普段一瞬のうちに起こっていることがどのようにして起こっているのかをよく見ることができた。もっと良い物では毎秒40000コマ以上も写せる物もある。
 

スライム

     洗濯糊を使ってスライムを作る。四酸化三鉄を混ぜると磁石にもくっつく。 準備物:洗濯糊(PVA入りの物),お湯,絵の具など中に入れるもの,四酸化三鉄

    作り方 (1)ホウ砂の飽和水溶液を作る。
    (2)洗濯糊をほぼ同量のお湯に溶かす。
    (3)中に入れるものを適量入れる。
    (4)それに洗濯糊の約5分の1のホウ砂を入れ程良い堅さになるまで激しく混ぜる。

 

発電装置

     火力発電・水力発電・風力発電をテーブルの上で見せてくれた。
     プロペラには高温の蒸気が当たるのでプロペラは金属で作っておく。
     モーターからでてくる電気は交流なのでモーターなどを回すときは直流に変換する必要がある。
     風力発電は扇風機の風を使って、発電機のプロペラには2枚バネのプロペラを用いていた。
     実際の物はもっと複雑な仕組みだが、基本的には同じである。
 

超低温の世界

     窒素の沸点は−195.8℃なので、液体窒素の温度はそれ以下である。その中に気体の酸素を入れると沸点が−183.9℃である酸素は液体になる。液体酸素は薄い青色をしている。

     次にダイアモンドで酸素を押す?というか、右図のようにし、上下から酸素をダイアモンドで押す。ダイアモンドを使うのはダイアモンドが硬く、圧力に強いため。酸素の融点は−218.4℃であるが、これは1気圧の下での話であり、ダイアモンドの小さな先端に押された酸素は1万気圧もの圧力で押されている。水が高い山の上では低い温度で沸騰するのとは逆に、高い圧力をかけると常温でも固体になることがある。このとき、酸素に電気を通すこともでき、金属のようになる。

     超伝導というのは抵抗のない世界のことだ。抵抗がなければ発熱もしないし、長い距離送電してもロスは全くない。常温でこのようになる物質はまだ発見されていない。しかし、液体窒素につけるぐらいで超伝導になる物質ぐらいならある。その物質を円形にして、真ん中に穴を開けたものを準備する。それを入れ物の中に入れ、その中に液体窒素を流し込む。その上に磁石を置こうとすると磁石は反発する。これは誘導電流が超伝導の物質に流れ、コイルのようになって反発するためと思われる。

 

カメラ

     厚紙とレンズと薬包紙を使ってカメラの原理を説明。右はレンズを使わないものだがレンズを使っても像は明るくなるが、同様のことが起こる。スクリーンには上下逆さまの像が映る。できる像はとても暗いので、筒の中に光が漏れないように注意する。

《その他の出典作品》

    手回し発電 音楽が流れたりプロペラが飛んだり電球が光ったりと。

    アーク灯 炭素棒を用いたランプ。 強い光しか出せないため、以前は映写機などに用いられた。

    月面探査 紙を前に持っていくと焼けるほどのレーザーでエネルギー供給するラジコン。

    だんご3兄弟 桜もち子さんを見て串団子じろうの顔が赤く!(偏光ガラスを使った遊び?)

    淀川のプランクトン 淀川にいる微生物を顕微鏡で見る。

    焼いて迷路を作る たばこの灰を使って書いた線を線香で燃やすと次々と線が延びていく。

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