マンガネタバレ批評
EDEN
2000/08/14 (1)〜(5)
なんとなく本屋で目がとまったので最初1巻だけ買ってみました。ぱらぱらと読んでみたら結構面白い。
世界中に疫病が流行り、外界と隔離された研究所に何十人かの科学者と軍人が逃げ延びていた。しかし、閉鎖された空間で、精神に異常をきたした軍人の一人が施設の一部を破壊してしまう。そのため、その後10年の間に、施設の人々は次々と死に絶えていった。外部からも全く連絡が入らなくなった研究所では、唯一、先天的に抗体を持っていた一人の少年と少女、そして、彼らの親代わりのゲイの科学者のみが生き残っていた。しかし、親代わりの科学者も、自分の死期が近いことを悟るのであった。
というような感じで始まるプロローグなんですが、世界中で生き残っているのは自分たちだけではないだろうか…なんて、思いをさせられる作品て、個人的にすごく好きなんで、いいなあと思ってしまいました。
まあ、実際には、この後、ワシントンに行っていて死んだと思われていた、少年の父親がサイボーグ(笑)になって戻ってきて、ゲイの科学者と対決したりするんですが、ともかく、このエンノイアという少年とハナという少女に惚れたっすよ。うんうん。
で、いきなり、第2話で、20年後になってたりしまして、エンノイア少年の息子が主人公になってたりするんですよね。なんだ、結局人類は滅びなかったんだなあ、などと思ってたりもするんですが、まあ、それはそれとして、ほとんどの人類が滅んだ世界で、人間がじたばたしながら生きてく話なんだろうなあ、と思いました。
んで、続巻を読んで見るべえと、(2)〜(5)巻を買ってきてみたわけですが、ちょっと期待外れだったです。結局人類は、あの疫病でも、全体の15%程度しか死ななかったようだし、いろいろと、世界の政治体制は変わったみたいですが、そのおかげで、単なる「紛争に巻き込まれた少年」のマンガになってしまいました。こんなんなら、今までにも読んだことあるだよぉ。(TT)
と、いいつつも、さらに買いつづけていくのだろうなぁ…
MONSTER
2001/01/08 (15)
本屋で新刊が出ているのを見つけたので、15巻を買ってきました。といっても、時々雑誌の方もチェックしているので、内容自体は半分以上読んだことがあり、特にストーリ上の驚きとかはなかったです。それ以前にMONSTERも、長期連載の性(さが)として、マンネリ・ダレダレモードに突入しているので、ストーリ上の新展開とかは、ほとんど期待できないといえばそうなんですが。
で、具体的な内容ですが、相変わらずとしか言いようがないです。逃げるヨハン、追うテンマを主軸に、放浪するテンマが町の人びとに善行を重ね、町の人たちが真実の人生に目覚めていくという…なんでしょうねぇ…水戸黄門みたいなもんでしょうか。(^^;
まあ、一応、その過程でも、少しづつ謎は明らかになっていくのですが、実にのんびりとしたペースでして、読んでるほうも疲れます。大体ヨハンとニナの過去にしても「君が僕で、僕が君」なんて意味深なセリフがあったり、「名前が無いということは何にでもなれるということ」というほのめかしがあったりするんですから、カレル・チャペックに英才教育を受けていたのは実はニナのほうだったというのは、まず間違いないでしょう。
特に、「おかえり」と言って、人形を抱えてあたかもニナがヨハンに言っているような回想シーンがありますが、あれって、よく考えてみると、ニナの回想シーンなんですよね。で、映画なんかでよく使われるテクニックですが、視聴者(読者)の視点と登場人物の視点を混同させるというやつだと思われます。つまり、ニナが自分自身を見ることが出来ない以上、ニナそっくりの子供が「おかえり」とニナに言っているのなら、その子供はヨハンに間違いないですよね。そうすれば、必然的に、カレル・チャペックに連れられて出ていってたのはニナだということになります。
勿論、この事から、ヨハンが稀代の悪魔的犯罪者になることが出てくるとはちょっと思えないんですが、随分前に「僕の中のモンスターが…」というセリフもあったことですし、もしかしてもしかすると、やっぱりヨハンはM.P.D.だった、なんてオチかもしれません。個人的には、そういう安易なオチって、勘弁してほしいんですけどねぇ。
魔方陣グルグル
2001/01/08 (13)
「現在単行本を購入している連載中の漫画」のコーナでもかきましたが、グルグルもすっかりマンネリダレダレモードで、全然エピソードが進展しない状態がこのところ続いていますよね。13巻も、勿論、裏切られること無く(?)、エピソードは進展してません。まあ、ある意味、封印のグルグルまで出てきているので、逆の意味では、いつでも終われる準備は完了しているのかもしれませんが。ところで、ククリとニケって、まだレベル3くらいだったような気がするんだけど、こんな程度で、魔法を覚えたからって、魔王ギリを封印できるんですかぁ?(^^;
サイコ
2000/9/18 (1)〜(5)
この本は、以前から本屋で気にはなっていました。独特のおもむきのある表紙と、オビに書いてある「多重人格探偵」といういう言葉から、いずれ読んでみたいと思っていたのです。で、先日、列車で長時間移動するために、暇つぶし用のマンガが必要だったときに、ちょっと買ってみました。
最初の試しということで、1巻だけ買ってみたんですが、結構面白かったです。ただ、当初予想していた方向性とはちょっと違ったかも。多重人格探偵とオビに書いてあることから、多重人格な特性を生かして、犯人像に迫っていくという、どちらかというと推理に重点を置いた作品だろうと予測していたんですが、全然推理ものじゃなかったです。確かに、服役中の主人公に、刑事が犯人像を推理してもらいに訪れるあたりは、「羊たちの沈黙」のレクター博士を意識してたみたいですが、その後は多重人格であることや、推理して犯人像にせまるとか言う点は全然出てこないです。
どちらかというと、主人公を含め、異常な行動を起こす犯人達の眼球にバーコードがあるという、サスペンスドラマ的な要素の方が主眼でした。大体、左目にバーコードと来た時点で、とぐっちゃんが左目に眼帯をしているのに、推理小説ファンならすぐピンと来ちゃいますよね。ところが、とぐっちゃんが、ご乱心するのは4巻だから、本当に引っ張る引っ張る。(^^;
なんて、言いながらも、バーコードの謎に惹かれて、ついつい5巻まで買ったんですが、なんとこの作品って、5巻で完結してないんですね。本屋で見てたときは、随分長い間、5巻セットで置かれていたような気がしたので、てっきり5巻で完結かと思っていたんですが、予想を裏切られました。しかも、巻が進むにつれ、ガクソとかいう怪しげな組織は出てくるし、国家単位での大きな計画も見え隠れするし、なんだかなあ…という感じです。
大体、マンガなんて、風呂敷広げ出した時点で、結構危ないわけで、大抵の作者は広げた風呂敷がうまくたためなくて、作品をぶち壊しにします。そもそも、「今の科学では無理」なんてセリフが出てきた時点で、個人的には結構引きます。
「エヴァ」もそうでしたが、ひたすら、謎をちりばめていくと、最後は謎めいた終わりにするしかなくなってしまうような気もするのですが、果たしてこの作品は完結するのでしょうかねぇ。
ベルセルク
2001/01/08 (1)〜(20)
ベルセルク、遂に、待ちに待った、20巻です。19巻の巻末で、「次の巻で全ての謎が明らかになる!」というような、あおり文句がありましたから、期待してました。買ってきました。読んでみました。……なんですかぁ!これはぁ!!(TT)
いや、別につまらないと言うわけじゃなくてね…結局謎は次の巻に持ち越しじゃないですか…しくしく。まあ、間違い無く話は収束してきていて、次巻当たりで決着がつきそうではありますが、思いっきり期待して買ってきたこの私の心をどうすればいいの!?(笑)
結局、次の巻を読まないとなんともコメントのしようがないのですが、ホント、次の巻でどうなるんでしょうねぇ。断罪の塔での出来事は、あの蝕の日の出来事をなぞっているわけですから、ある意味、グリフィスが5人目の天使になるときなみの重要なエピソードであると思われます。また、ガッツにとって、友(=友への復讐)をとるか、恋人をとるかの2択にもなるようです。
ここで、キャスカを見捨てて、グリフィスへの復讐を成し遂げても、読者は納得しなさそうですし、やっぱりキャスカを助けると言うことなんでしょうが、問題はキャスカの意識が戻るかどうかですよね。キャスカが元に戻って、ガッツとどこかでひっそり暮らすとなると、いくつかの謎が全く解かれないままになってしまいますし、なんとも消化不良な終わりになってしまいます。
かといって、新生グリフィスを今後ガッツが容易に倒せる機会があるともあまり思えないんですよね。それに、そういう展開にしちゃうと、話が散漫でだらだらと続くことになっちゃって、実はあまりいい展開とも思えません。
あるいは、新生グリフィスの宿親となるのは、ガッツとキャスカの子供だろうから、そこら辺で無理やり話を持っていくかですが、このエピソードで引っ張るとしたらキャスカがらみでしょうし、中々妙案がありません。まさしく、『乞うご期待!』といった感じの21巻です。
ちなみに、発売は、2001年春だそうで…是非、予定通り出てほしいものです。(-人-)