「おい、知ってるか。新手の病気がはやってるらしいぞ」
「なんて病気だい」
「うむ、後天性健忘症候群というんだが、注意したまえ」
「もしかして記憶力が衰えてしまうのかい。それは恐いな。注意しよう」
「もっとも空気感染はしないそうだから、患者と接触しなければ大丈夫だそうだ」
「そうか。君は大丈夫だろうね」
「大丈夫だよ。心配なら僕に触らなければいい」
「いや、失敬なことを言ってすまない」
「なに、君と僕との仲じゃないか」
「ありがとう。やっぱりもつべきものは友だな」
「そう持ち上げられると照れるな。じゃあ友人の忠告として言っておくと最近後天性健忘症候群という病気がはやってるそうだ。注意したまえ」
「もしかして記憶力が衰えてしまうのかい。それは恐いな。注意しよう」