インストール

MPWはすでに開発が終了し、開発チームは新しいProjectBuilder/GCC開発へと移り、ほとんど改良の期待はできない。Cコンパイラに関しては問題はないにしても、多くの商用コンパイラが規格、とくにSTLがらみに対応できていない状況での、開発中止は残念である。実際、member templateあたりの挙動はおかしい。map, multimapあたりのサンプルプログラムもちゃんとコンパイルできないものが見受けられる。とはいうものの、GCC-2.9.xくらいの機能はちゃんとあるので、どうにか我慢できるのである。


MPWはApple純正のプログラム開発環境なので、手に入れるのは、もちろん、Appleの開発者用のサイトからだ。ここのToolsというリンクをたどってみよう。するといくつかの開発環境へのリンクが現れる。この中の、Macintosh Programmers Workshopのリンクへ飛ぼう。そこが目的の場所だ。

MPW開発環境を手に入れるには、リンクが張ってあるFTPサーバから、GMと名付けられたディスクイメージを手に入れることから始める。GMとはGolden Masterの略で、最終リリースという意味だ。少し大きいけれどこれをダウンロードし、ディスクイメージを自分のハードディスクにコピーすればこれで完了。すぐにでもプログラムを作ることができる。欲を言わなければこれでおしまい。

常に最新の状態で開発がしたい人は、まず、FTPサーバにPRと名前の付いたディスクイメージを探そう。これはPreview Releaseの略で、最新の状態のMPWのGMとの差分が登録されている。つまりこの中身をGMに上書きすればかなり新しい状態にできる。上書きをするためには、一つ一つを対応するフォルダの中身に放りこむという地道なやり方以外に、スクリプトで一気にやってしまうという便利な方法が用意されている。About MPWというPDFファイルをダウンロードして読んでみよう。書いてある意味がよくわからなくても、書いてあるとおりにすればできてしまう。と同時にMPWの基本的な使い方の片鱗が理解できるだろう。

さらに、本当に最新の状態にしたい人は、個別にアップデートがリリースされているのでそれを個別に入れ替える。リリースについては、MPW Mailing Listに時々Gregさんが知らせてくれるので、登録するのもよいだろう。


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