MPWと一緒に使うライブラリ
MPWだけでもアプリは作ることはできるが、みんなが使っている便利なライブラリを使って、手間を省くのは利口なやり方だ。ここでは、MPWで使えるライブラリとそのコンパチビリティの現状について紹介する。
- Standard Template Library
(STLport)
- STLportは、ロシアのBorisさんが中心になって開発を続けているマルチプラットフォーム(いろんなコンパイラ、OSで動作できる)C++ライブラリである。非常に複雑で、抽象化されているライブラリなので、MPWではなかなか素直に動作できなかった。そのたびに活躍したのが美濃加茂市に住む
Yoshida Tsutomuさんだ。AppleのコンパイラチームとBorisさんに様々なコントリビュートを果たしてくれた。その結果、最新のSTLport-4.5.3は最新のMPW-GM+MrCpp5.0で大体きちんと動作する。とても便利なので使わない手はない。が、使うにはそれなりの勉強をしないと使い切れない。
- MacZoop
- MacZoopはいわゆるApplication Frameworkだ。これをベースにアプリを開発するための雛形のような物だ。様々な機能が用意されており、何もしなくてもそれらしいアプリケーションになる。後は自分の目的の物を埋め込んでいくだけだ。現在、MacZoop
2.6へ向かっているが、MPWに対応したライブラリは、2.5.1.r1である。これ以降はCarbonアプリだけ。
- GUSI
- 「グシ」と読む。Grand Unified Socket Interfaceの略で、MacにPOSIXの環境を提供してくれる物だ。開発者は、現在Appleのエンジニアとして働いているDr.
Mathias Neeracherで、半導体デバイスシミュレーションの分野ではチョー有名なProf. Dr. Fichtner/EHT
Zurichの元でなぜか並列コンピュータの研究をしていた変わり種。UNIXアプリをMacに持ってくるときなどはとても有効。実際、MacPerl,
MacPythonなどはこれを用いている。が、今のところCarbon版は無い。MPWもCarbon環境がないので問題なし。
- SpriteWorld
- これはゲーム、特にスクロールタイプのゲームを開発するときに重宝するライブラリである。背景があって、その上をちょこちょこと円盤やら何やらが動き回っているような物を作るのには最適。現在、3.0を開発中。MPWではその前の2.3あたりで十分だと思う。
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