構文に頼って、どこまで英語を読めるだろう

 「英語は単語がわからなくても、構文がわかれば問題は解ける。」
 どこかで聞いた言いまわしだが、じゃあ具体的にどうするの?
 今更ながらそれを教わってない事に気がついた。

 なまじ英語ができるだけに、これといって気にしてなかったところはたしかにある。が、可能であればだが、それって教えられないかなあ。
 欧米の連中は同じことを指すのに都度違う単語を使いたがる傾向にあるので、よくわからない名詞があったらとりあえず「形式名詞の"の"」で訳してみればいいんだよ、とか、and ないし but で繋がれたところは半分わかれば残りはだいたい類義語か対義語があるんだろうなと当たりをつければなんとかなる、とか、時間や場所を示していると思しき句や節はとりあえず無視してもなんとかなるよ、とか、そういった原則をまとめられなくはないが、よく考えればもともとある程度分かる人(つまり語彙力もそれなり)だからこそ言っていることが理解できて、実際に使える方法かもしれないという気がしている。

 そこで「実例」をあとに残る形で作ってみた。みずず学苑も認めるであろう難関大学の問題文を中学校の基本単語1200と外来語の語彙だけで意味が取れるかどうかという、動機は私の好きなチャレンジ精神である。(世界最短の小説を元に読書感想文が原稿用紙5枚書けるかやってみた、とか。)

 tunaは基本単語に上がってないけどツナサンドは食べたことあるよね。yellowfin tunaはよくわからないけどマグロの種類みたいだ。となると次のてくる文に出てくるbluefinというのもマグロの種類なんじゃないか、というアタリは付くよね。
 でbluefinが重い味、とあるからyellowfinの味を形容していると思しきところはその逆の軽い、というかさっぱりした味、といってそうな気がするね。ここで使われているleanという単語だけど、リッチなパンに対してリーンなパンという使い方されるよ。身近にいるパン焼きの名人に聞いてみて。

 おそろしい、この調子で結構行けるのだ。もちろん一般常識も必要だ。日本、第二次世界大戦、その後、とくると負けて国土が荒廃している状態だろうからここで言われているのは・・・。

 面白くなってきたので、もう少しこのまま続けてみたくなってきた。
 ただし他人に教えるのははばかられるな。家庭教師がギリギリか?予備校や進学教室、それこそみすず学苑あたりでこの手の授業をやったら(直感だが)家庭から苦情噴出、責任問題になりそうだ。文句を言われる要素はどこにもないが「勉強というものはコツコツと着実な積み重ねで修めてゆくべきものだ」という原理主義者が一定数いるのは理解している。生徒だって「そこまで砕いて教えられなきゃならないくらい自分はひどくない」とバカにされた感覚を持つかもしれない。「構文を理解して単語を類推する」という抽象論だと納得してくれたとしても、実際にそれをやると何故か怒り出しそうだ。

 関東以外の方への補足
 「みすず学苑」というのは関東ローカルの予備校で、JRの扉のインパクトのある広告で知名度が高い。この広告の効果でなんとはなしに胡散臭さを醸し出しているが、「難関大学合格率94.50%」という小数点以下4桁の有効数字〜%だから4桁よ〜という精度にもかかわらず具体的にどこを難関大学としているのかまるでわからないことでさらに胡散臭さを増しているという、としまえん閉園後、関東のおもしろ広告は任せとけと言わんばかりの有名校。

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