朝、山の空気が降りてくるようなところに住んでいたためか、就職して大阪、東京、と動いた私にとって大気汚染は深刻であった。社会問題ネタ、目次へ
半径百キロに及ぶ市街地、メガロポリスといえばカッコいいがその分空気は汚い。というわけで私が悩まされたのは内臓が飛び出そうな咳であった。このとき私を幾分か助けてくれたのは「咳止め薬」である。燐酸コデイン入りがやはり効く。ただしこの「燐酸コデイン」の別名を知っていたがゆえに、いかに苦しくなっても用量・用法を逸脱することはなかった。燐酸コデインとは、つまり「メチルモルヒネ」である。れっきとしたモルヒネ誘導体だ。
この薬について最近技術革新が起こったらしい。従来メチルモルヒネをモルヒネに戻すことは紙を木に戻すごとく不可能であったそうだが、戻せるようになったとか。しかも家庭にある道具と容易に入手可能な材料でだ。欧州では既にやり方が一般に出回っており、ロシアでは愛用している方も多いそうだ。コストもかからないんだって。1回分がドトールコーヒー1杯程度。そのうち日本でも紅茶キノコやカスピ海ヨーグルトみたいな形で流行りだす怖れがある。
こういうのは人の心の隙を突くものだ。国難の際にはいつも以上に助け合い、強さを発揮する日本人ではあるが、それに安心することなく、はまってしまう人が出ないように一人ひとりが注意していかなければならないだろう。ロシアで流行しているのも景気後退や貧富の格差拡大とは無縁ではないようで、アベノミクスも単に全体的なGDPの拡大を目指すのではなく、モルヒネ誘導体の誘惑に負けるような社会的弱者を生み出さないよう注意深く運用していく必要がある。ところで、このメチルモルヒネの還元方法、中国語に訳して電子メールその他で撒くとどういうことになるだろうか。中国人はモルヒネに対して歴史的に抵抗感のない民族である(のりPも人気みたいだし)。かつ無理な経済拡大政策の結果、貧富の差は拡大しかつ最近は高度成長にもかげりが見えているそうだ。メチルモルヒネの還元法が手に入ればやってみる人も多いのではなかろうか。
というわけで、中国語のできる方が思い立てば、紹介しちゃうかもしれない。別に良心の呵責なんぞないだろう。情報は中立である。実行するほうが悪い。それにアヘン戦争で結局イギリスの言いなりになり、それ以降も謝罪しろ、賠償しろ、なんていわない人たちだ。(日本に対しては言いまくっているのに。)われわれの感覚では想定できないが、オランダでマリファナが合法なように、中国で麻薬はあってあたりまえなものかもしれない。そういえば、北の果ての黒龍江省でものすごい水害が起こっているそうだ。当然風邪薬なんかも多量に必要であろう。何らかの援助をしてあげたいというのは人間として当然の感情である。
モルヒネ還元法が普及すると欲しがる人が増え、つまり高い値段で売れるので、多量の風邪薬(当然咳止め成分入り)を受け取った役人が横流ししたくなるかもしれないが、それは公僕たる役人の良心を信頼するべきであろう。むしろ役人が信用できないから、という理由で医薬品を援助しないほうが問題だ。起こりえないこととはいえ危ないことは危ない。ほんの数年前はウィルスメールが届いただけで「反対者からのサイバーテロだ」と騒いだ代議士がいた。最近では個人情報ごっそり抜かないとサイバーテロとは言ってもらえない。が、ほんとのサイバーテロはこんなんじゃないか?情報を与えることによって自ら手を汚さずに社会基盤を崩してゆく。あ、珍しくないや。前例があった。「アラブの春」だ。もっともアヘン戦争も社会基盤を崩すには至らなかったわけだから、還元モルヒネが普及したとしてもそんなに大げさなものにはならないだろうね。(一人っ子政策で感化されやすい若者の割合も減っているし。)
もっともこれすらも杞憂かもしれない。だってまだ誰もやってないもん。誰かやっているかもしれないけど問題になってないでしょ。
いやさ、思考実験してみたわけよ。「製薬会社できちんと精製され、安全性が検証されたモルヒネを皆様自身の手でとりだすわけですので安全です」なんて紹介文書いて出したらどうなるかって。でも無効と分かりました。よく考えるとこの程度のこと、誰でも思いつくしぃ。今、中国に反感持つ人多いから当然誰かやってても不思議じゃないしぃ。だから効果ないみたいだしぃ。以前私が尖閣諸島問題を振り出しに戻す方法を考えたけど、だれも反応してくれないしぃ。第一、僕中国語できないしぃ。いじいじ。
やっぱり私って無力ですね。
もし中国の方がこれを読んであまりいい気分をしなかったときのお詫びに、日本に着いたらJR成田空港駅でお金をもらえる方法というのを紹介します。ひょとして可能かと千葉県警の人に聞くと教えてもらえまして、だから解釈の違いで羽田空港では使えないかもしれないけども成田なら・・・ってさすがに詳細はかけないな。(自業自得だと思うんだが、これも書いたらサイバーテロって言われるかも。)
だからバランスをとってデゾモルヒネの精製法を一言だって書いてないでしょ。