イギリスはEU残留を

 どうせ残留派が勝つよと投票に行かなかった残留派の人は後悔し。
残留するのはやむを得ないが自分の意見ははっきりさせておく、と投票した離脱派の人も後悔し。
 安易に国民投票にかけてしまった首相も後悔しているだろう。
離脱派の人も「あんなこと言ったように聞こえたかもしれないけど実は違う」なんて急速にトーンダウンしている。
 しかし決まったことは決まったことだ。影響が最小限で済むように整斉と事務手続きを進めてもらいたいものだ。キャメロン首相も国民投票をやったのが自分である以上、EUに離脱の意思を伝えるまでは自分の仕事と認識してほしい。フランスやドイツもEU委員長も、その点はキャメロンに迫るべきだ。
 国民投票はやってみただけです、法的拘束力はありませんし、それ以後の手続きは決まってません、とずるずる引き伸ばしてほとぼりがさめるのを待つつもりかもしれないが。紳士の国にそれはなかろう。

 去年はドイツ語、今年はフランス語と勉強してきた私にも運が向いてきたようだ。これからEUとビジネスをするには英語は不要。独仏語が中心になる。なにしろ加盟国で英語を公用語とする国はないのだ。英語の得意な日本人はまず英語の通じるイギリスに拠点を築き、という戦略であったが、今後重要なのは独仏語というわけだ。(従来は物価の高いイギリスになんで拠点を作るのだろうと訝しがっていたが、ようするに言語の問題だったわけね。それに気がつかなかった私の感覚はずれているんだろうなあ。)

 しばらくは後悔するみじめなイギリスの姿が面白おかしく報道されるのを、ちょっと残酷な気分で眺めるのがよかろう。イギリスの分離でEU分裂の機運が高まるというのは、そういった空気が世界に蔓延すれば、自然と下火になってゆくものだろうから。
 これでも私、親英派なんだぞ。ホームステイは楽しかったし、ロンドンタクシーは実に落ち着く。あとで教えてもらったのだが、私が生まれて初めて乗った車はロンドンタクシーと同じオースチンだったそうな。(うちの最初の自家用車。父親が運転して産院に迎えに来てくれた。これだけ聞くと私ってブルジョアだなあ。)

 でもまあ、やっぱり残留します。という気持ち分からなくもない。
 しかし今更どのツラ下げて、というのはある。世界に大変な迷惑をかけてますからね。株式市場で2兆ドルが吹っ飛んだ、とか。
 しかし幸いなことに責任をとる手段はあるのだ。一挙に経済の安定感は高まり、金融市場を活性化させる妙手だ。心理的抵抗は大きいだろうが、この程度のことはペナルティとして割り切ってもらわなければ。

 ポンドを捨ててユーロにしよう。

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