◆ 重要キーコード

 カードのキーコード欄は数が限られているので、付加すべきキーコードの取捨選択が迫られる場合がある。
 その際、まず優先すべきなのは、カードの持つ性格を一番良く表しているキーコードだ。相手を攻撃するカードならキーコード「攻撃」が欠かせないし、使い魔を呼び出すカードなら「召喚」は欠かせない。これは制作者のセンスで選んで欲しい。
 次に優先すべきはイベントで使われやすい公式キーコードだ。具体的には「攻撃」「魔法」「解錠」「鑑定」「治療」「麻痺」「呪縛」「眠り」「遠距離攻撃」「炎による攻撃」「冷気による攻撃」などが挙げられる。中でも「攻撃」と「魔法」は使用される頻度が高いにも関わらず、付け忘れられることが多いので注意が必要だ。すべての攻撃、すべての魔法がこれらのキーコードを必要としている。
 その次に優先すべき(…実は最優先なのかも)なのが、シナリオ制作者に忌み嫌われる効果を表す非公式キーコード、「一撃必殺」「対象消去」などだ。重複するが、嫌われるという点では公式キーコードの「麻痺」「呪縛」も挙げられる。これらは主に、絶大な効果を持つカードを無効化して、ボス敵などを保護するために使われる。人様のシナリオを荒らさないためにこれらのキーコードは忘れずに付けておこう。

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◆ カード識別キーコードとは

 カード名そのもの、あるいは カード名+ユニークな文字列 で表されるキーコードがある。それらのキーコードの呼び名は特に決まっているわけではないが、便宜上「カード識別キーコード」と呼ぶ。
 シナリオ内で「鍵」として使用されるわけでもなく、カードの意味を示しているわけでもなく、純粋に使用カードを特定するためにのみ存在しているこのカード識別キーコードは、いつの頃からか急速に普及していき、今ではいくつあるのか分からないほどになっている。そしてそれらのキーコードのほとんどが本サイトの「キーコード大全」には収録されていない。
 理由は3つ。この識別キーコードをイベントで使うには、識別されるカードのことを知っていることが前提条件になる。知っているのならキーコードも自分で調べられるのではないか、ということが一点。もう一点は、汎用性がないということ。これは、一枚一枚のカード固有のキーコードなのだから当たり前。そして最後の一点は、数が多すぎてフォローしきれないということ。
 今後も特にリクエストがない限り、カード識別キーコードがキーコード大全で紹介されることはないだろう。一つ一つのカード識別キーコードを知りたい方は、自力で何とかしてほしい。また、カード制作者もキーコードを使ってほしいのならば、Readme.txt などで開示努力をしよう。

 なお、カード識別キーコードは今のところは重要度が低いキーコードなので、キーコード欄に空きがなければ付けなくても構わない。

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◆ キーコード大全へキーコードを登録するには

 直接、編纂者にメールを出してキーコードを申請するといい。他のキーコードとの整合性・差異化などを検討するために数回メールが往復することがあるが、ほぼ間違いなく表に記載されると思って大丈夫だ。
 Adveturer's Guild へシナリオを登録しただけで、勝手にキーコードが登録されることもある。ただし、これは編纂者に余裕があるときに限るし、どんなキーコードも表に反映されるというわけではない。

 絶対というほどのものではないが、一応の記載基準のようなものが存在しているので、目を通しておいてほしい。

 だいたい以上だ。これらの基準を満たしているのに表に載っていない場合は、編纂者が見逃している可能性が高い。

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◆ 基本カードのキーコード

 独自調査の結果を掲載しておくので参考にされたし。もしキーコードに漏れがあった場合は、すぐに連絡して欲しい。それが公共の利益につながるってもんよ。

カードキーコード カードキーコード
攻撃攻撃 渾身の攻撃攻撃
会心の攻撃攻撃 フェイント攻撃
防御防御 見切り防御
混乱ペナルティ カード交換カード交換

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◆ バトルイベントとエネミーイベントの性質の差

 ver.1.20になって、この辺のことをあまり気にしなくてよくなった。バトルイベントは対象に関わらずバトル中に使われたキーコードを検出して発火するイベントであり、エネミーイベントは特定の敵に対して使われたカードが持つキーコードのみに反応する、それだけだ。
 以前は、あるキーコードを含むスキルやアイテムの使用を禁止するためには、バトルイベントを使うしかなかったが、もうその制限はない。バトルでもエネミーでも、イベントのお尻に「効果中断」コンテントを入れれば、カードの効果は無効化される。

 なお、ver.1.15向けのシナリオをこの仕様変更のためだけに改造する必要はない。旧版のシナリオの場合はバトルイベントで「効果中断」が起こるようになっている。ただし、新エディタで一度でも手を入れると、シナリオのデータバージョンが新しいものになってしまい、「効果中断」コンテントを使わないと無効化が働かなくなるので、その点は注意した方がいい。

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◆ イベントの発火優先順位

 戦闘と通常エリアでは、イベントの内容が違うのだが、まず複雑な戦闘時イベントについて説明する。それが理解できれば、通常エリアの方も自然に理解できるはずだ。

 戦闘時イベントにおいて一番優先順位が高いのが、逃走イベントだ。次にくるのがラウンドイベント。以降、バトルイベント(キーコード)、エネミーイベント(キーコード)、エネミー死亡イベントとなっている。
 このうちバトルとエネミーのキーコード発火イベントは並列して配置することができるが、に設定されたイベントほど優先順位が高い。重要なキーコード・イベントほど上に置いておく必要があるということだ。ちなみに、アイテムやスキルのカードに設定したキーコードの順番は、イベントの優先順位には関係してこない。
 これらの様々な戦闘時イベントは優先順位が高い方から低い方へ、連続してイベントを起こすことができるが、バトルイベント(キーコード)が一気に二つ発火したり、一人の敵のエネミーイベント(キーコード)が一気に発火することはない。
 だが、ここでよく考えてほしい。ver.1.20からは、バトルイベントを発火させてからとエネミーイベントを発火させるという、キーコードイベントの二重発火が可能になったのだ。うまく使えば、二つのキーコードを同時に持つスキルでしか起きないイベントなども作れるぞ。具体的な例が教材「キーコードマスター」に入っているので自分で研究してみよう。

 さて残ったイベントが「勝利終了」「敗北終了」だが、これは最も優先順位が低い。エネミーイベント→「バトル−勝利終了(敗北終了)」のように連続発火させることができるが、そこで戦闘が打ち切りになるという点が特殊だ。ver.1.15 ではこれ以後もイベントを連続発火することができたが、その仕様は変更された。まあ、当然と言えば当然の話だ。

 実はさらにもう一つのイベントが残っている。それは ver.1.20 で加わったカード固有イベントだ。こいつはキーコードの検知より先に発火する。つまりキーコードでは止められないのだ。この仕様が再検討される可能性はあるが、今のところ諦めるしかない。
 救いは、カード固有イベントは機能を制限されているということ(たとえば、敵に付けた召喚獣以外は、敵を対象にイベントを起こせない)。今のところはこの問題にそれほど神経質にならなくてよいだろう。ズルをしたければ、いくらでもズルができるのがカードワースというもの。シナリオ作者が何もかもをコントロールしようと思ってはいけない。
 とはいえ、あまりに無節操なカード固有イベントを作って、他のシナリオ作者に迷惑をかけるのも考え物だ。よくよく考えよう。

 ここまでの説明、非常に込み入っていて、書いている本人でさえ混乱してしまう。そこで、通常エリアのイベント優先順位も併せたズバリの結論を表にまとめておくので、参考にしてほしい。通常エリアのイベントについてはまったく説明しなかったが、バトルイベントとほぼ同様なので大丈夫だろう。分からなければ本ページで説明するので、メールでリクエストしてほしい。

戦闘時イベントの優先順位
 ←高い 低い→ 
↑高い

↓低い
逃走ラウンドカード固有バトルエネミーエネミー死亡
勝利/敗北

※ 左から右、上から下へ、イベントを連続して起こすことができる。
※ カード固有/キーコードイベントに「中断」コンテンツがあると、連続発火が中断される。
※ 味方(召喚獣/NPCも)の行動がキャンセルされるので「逃走」→「バトル」は起きない。

通常時イベントの優先順位
 ←高い 低い→ 
エリア到着/クリック
カード固有エリア(キーコード)メニュー(キーコード)

※ 左から右へイベントを連続して起こすことができる。
※ カード固有/キーコードイベントに「中断」コンテンツがあると、連続発火が中断される。
※ エリア到着とクリックイベントは独立している。シーン移動しない限り単発発火しかしない。

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◆ 敵によるキーコード発火

 敵のカードに設定されたキーコードでもエネミーイベント(敵単体を対象にしたイベント)を発火することなら問題なくできる。要は敵同士で技を掛け合えばいい。具体的な例として、教材「キーコードマスター」の 19990327 版以降に含まれる、バトル「スライム三兄弟」を解析してほしい。

 敵がイベント発火させると、選択中のキャラクターがその敵になるところは利用価値大。台詞コンテンツはもちろん、効果系のコンテンツも使える。つまり、敵に喋らせたり、能力を変化させたり、治療してしまったり、召喚獣を呼んだりといろいろできる。なお、残念だがクーポン分岐まではできない。
 スライム緑のキーコード発火イベント「魔球イベント(ストレス大放出)」をよく見てみよう。ストレスが溜まった状態でイベントが発火すると、選択中のキャラクターに反撃した後、ランダム選択キャラクターに襲いかかるようになっている。
 この場合、選択キャラクターは攻撃してきたスライムになるのだが、ランダム選択キャラクターはプレイヤーキャラクターから選ばれるところには注意しよう。
 同様に、パーティー全員を指定した場合もプレイヤーパーティーが選ばれる。  キーコードの使い方としてはかなり高度な部類に属するが、使いこなせば強力な武器になるぞ。

 なお、バトルイベント(バトル全体を対象としたイベント)を発火させることは基本的にできそうにない。プレイヤーキャラクターに特殊なキーコードを持った召喚獣を付与するような間接的な方法ならばあるが……。

◆ NPCによるキーコード発火

 NPC(シナリオ中、一時的に味方になり、一緒に戦ってくれるキャラクター)による発火も敵キャラクターによるキーコード発火と同じだ。エネミーイベントを発火させることはできるが、基本的にバトルイベントを発火させることができない。
 選択キャラクターの挙動やクーポン分岐などについても敵によるキーコード発火に準ずる。

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◆ 召喚獣によるキーコード発火

 誰に付いている召喚獣かによって挙動が異なってくる。
 プレイヤーキャラクターに付いている場合は、エネミーイベントとバトルイベント、共に発火させることができる。しかし、NPC敵キャラクターに付いている場合は、エネミーイベントを発火させることはできるが、基本的にバトルイベントを発火させることはできない
 つまり、敵やNPCがイベント発火させた場合と同じだ。

 なお、イベント発火時の選択キャラクターは、敵味方問わずで、イベント発火させた召喚獣がくっついているキャラクターになり、ランダム選択や全体選択は、常にプレイヤーパーティーに対して行われる。
 この点も敵やNPCがイベント発火させた場合と同じだ。

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◆ まとめ・各キーコード発火の挙動

 キーコード発火の細かな挙動を言葉で説明するとかなり複雑なので、下記のように表にまとめてみた。バトルイベントを発火できるのはプレイヤーとプレイヤーの召喚獣のみであること、エネミーイベントは誰でも発火できることの2点が理解できればOK。

使用者イベント対象発火
味方バトル敵/味方
味方エネミー
バトル敵/味方×
エネミー
NPCバトル敵/味方×
NPCエネミー
使用者イベント対象発火
味方召喚獣バトル敵/味方
味方召喚獣エネミー
敵召喚獣バトル敵/味方×
敵召喚獣エネミー
NPC召喚獣バトル敵/味方×
NPC召喚獣エネミー

 使用者:カード使用者  イベント:バトルイベントかエネミーイベントか
 対象:誰に対してカードを使用したか  発火:実際にイベントが発火するのか
  表中の「味方」は常にプレイヤーを指し、「敵」はプレイヤーの敵を指す。

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