Excel 画像ファイル保存 の使い方

Excel 画像ファイル保存アドイン を使うと、簡単な操作でワークシート上のイメージをファイルに保存することができます。
このページでは、操作例とQ&Aをご紹介します。

操作例

ここでは Excel 97 で以下のワークシートのイメージを GIF ファイルに保存する操作をご紹介します。


まず、[画像保存]ツールバーを表示させます。ツールバーが見つからない場合は、アドインを登録し直してください。


保存したいセル範囲を選択して、[画像保存]ツールバーの[ビットマップ保存]ボタンをクリックします。


選択オブジェクトの画像をコピーするか問い合わせがあります。[はい] を選択します。


セルの枠線を消去してコピーするか問い合わせがあります。[はい] を選択します。


保存するファイル名を入力して、[OK]ボタンをクリックします。


これで、画像がファイルへ保存されました。


作成された GIF ファイルです。



Q & A


Q. 「ビットマップ」と「ピクチャ」はどこが違うのですか?

A. 画像の表現方法が異なります。ビットマップは色の点の集まりです。ピクチャは描画命令の集まりです。

ビットマップは画像を小さな点の集まりで表現します。ビットマップファイルには画像の 1 点 1 点の色の情報が保存されています。

1 点の色情報の格納に 1 ビットを使用する形式では 2 色の画像、つまりモノクロ画像を表示できます。1 点に 2 ビットを使用する形式では 4 色の画像を表示できます。Windows で標準的に利用されているビットマップ形式には以下のものがあります。

1 点のビット数表示可能な色数
1 2
4 16
8 256
24 16,777,216

1 点に使用するビット数が多いほど多くの色を表示できますが、その分、データのサイズも大きくなります。例えば 24 ビット(3 バイト)のビットマップの場合、640 x 480 の画像は 640 x 480 x 3 = 921,600 バイト つまり 1 メガバイト近いサイズになります。

ビットマップのデータの格納形式はオペレーションシステムによっても異なります。しかし、単純で基本的な画像形式であるため、プログラムでの扱いは容易で、変換ツールも豊富にあります。

ビットマップはデータサイズが大きくなるため、圧縮してファイルに保存することがあります。現在、インターネットで広く利用されている GIF や JPEG ファイルも、ビットマップを圧縮したものです。一方、Windows の拡張子 BMP のファイル(Windows ビットマップ)は圧縮をしない形式です。


ピクチャは Windows では メタファイル と呼ばれているものです。メタファイルには画像を表示するためのデータと命令文が格納されます。命令文というのは、例えば、「座標(0,0)から座標(10,10)へ線を引く」というようなものです。

描画の仕組みや命令はオペレーションシステムによって異なるので、Windows メタファイルは基本的には Windows でしか表示できません。他のオペレーションシステムで表示させるためには変換処理が必要になります。
また、同じオペレーションシステムで同じ描画命令を実行しても、ディスプレイやプリンタなどが異なれば、 実際の表示や印刷結果は異なります。したがって、メタファイルが常に同じ表示になるとは限りません。

メタファイルでは画像の大きさは固定ではなく、表示するときに指定することができます。指定された画像の大きさから、メタファイル内の図形の位置とサイズが計算されます。そのため、比較的、画像の大きさの変更が容易です。

次の 2 つの画像は、GIF ファイル(ビットマップ)と WMF ファイル(メタファイル)を Excel のワークシートに挿入して 1% だけ拡大したものです。 ビットマップはわずかにサイズ変更をしただけでも画像がぼやけますが、メタファイルは余程変更しても、ぼやけるようなことはありません。
GIF(ビットマップ) WMF(メタファイル)

メタファイルのデータサイズは画像の大きさや色数ではなく描画命令の数、つまり画像の複雑さに依存します。一般的にはメタファイルのデータサイズは小さいです。(ただし、例えば、ビットマップと同様に画像の 1 点 1 点を描画するようなことをすれば、描画命令の数が非常に多くなり、データサイズは、ビットマップよりもむしろ大きくなるでしょう。また、メタファイルはビットマップをそのまま含むこともできます。メタファイルにすればデータサイズが小さくなり、大きさが可変になるというわけではありません)

ビットマップとピクチャ(メタファイル)の比較表です。(可搬性というのは持ち運びやすさ、つまり、異なる環境での利用が可能かどうかということです。)

項目 ビットマップ ピクチャ
可搬性 高い 低い
データサイズ 大きい 小さい
サイズ変更 難しい 容易
描画速度 速い 遅い
用途 異なる環境での利用、インターネット
絵や写真
サイズ変更がない場合
同一環境でのみ使用
図形やグラフ
サイズを変更したい場合

ピクチャ(メタファイル)をビットマップに変換することはできますが、ビットマップをピクチャに変換することは単純にはできません。(形式だけをピクチャにすることは可能ですが、内部にビットマップを持つピクチャになるだけなので、あまり意味はありません)


Q. GIF と JPEG はどこが違うのですか?

A. ビットマップの圧縮方式と用途が異なります。GIF は図形やグラフに向いています。JPEG は写真に向いています。

GIF は 256 色の画像を保存できます。図形やグラフなどのベタ塗りの多い画像では非常に小さなデータサイズに圧縮することができます。ワークシート上のイメージは色数も多くなく比較的単純ですので、保存には GIF が向いています。
絵や写真などの複雑な画像の場合はJPEGほどの高圧縮はできません。

JPEG は フルカラー(1677万色)の画像を保存できます。特に写真のような複雑な画像では、他の方法に比べて高い圧縮を行うことができます。
ただし、JPEG はオリジナルの画像を完全に保存し再現するわけではありません。画質はある程度は劣化します。また、ベタ塗り部分に むら が現れたり文字がぼやけたりします。図形や文字をはっきり表示したい場合には JPEG は向きません。

GIF と JPEG の比較表です。

項目 GIF JPEG
データサイズ 小さい 小さい
色数 256色 まで フルカラー(1677万色)
用途 図形、文字
コンピューター画面
写真、絵


Q. WMF と EMF はどこが違うのですか?

A. 使用する Windows のバージョンが異なります。WMF は主に Windows 3.1、EMF は Windows 95 以降、Windows NT で使用します。

WMF(Windows メタファイル) は Windows 3.1 で使用され、以降の Windows のバージョンでもサポートされています。より多くのソフトウェアが対応しています。

EMF(エンハンスト メタファイル) は WMF を機能拡張したものです。Windows 95 以降、Windows NT で使用され、それ以前の Windows のバージョンではサポートされていません。

WMF と EMF は相互に変換が可能ですが、EMF で拡張された機能は WMF では使用できません。基本的には Windows 95 以降では EMF を使う方が良いでしょう。しかし、Excel 95 などの多くのソフトウェアが WMF 対応であり、現在でも WMF の方がより広く利用できると思います。(Excel 95 ではグラフィックフィルタを使うことで、EMF をワークシートへ挿入することができます。)


Q. グラフシートをビットマップ保存することはできないのですか?

A. 安全のため、できないようにしていますが、方法はあります。

グラフシートの画像をコピーすると非常に大きなビットマップが作成されることがあります。メモリーの使用状況によっては Excel をハングアップさせてしまう可能性もあるので、安全のために、できないようにしています。また、同じ理由で、コピー可能なセル数を 300 に制限しています。

これらの制限はコピー時のものですので、画像をコピーした後、ビットマップ保存を実行し、選択オブジェクトの画像をコピーするかの問い合わせに対して [いいえ] を選択すれば、クリップボードのビットマップを保存することができます。

画像のコピーは、Excel 95 では Shift キーを押しながら [編集]-[画像コピー] 、Excel 97 では Shift キーを押しながら [編集]-[図のコピー] を実行します。 [外観] は [画面に合わせる]、[形式] は [ビットマップ] を選択します。


Q. 画像ファイルの大きさが固定になります。画像の周囲に余白ができます。

A. 16 ビットカラーのディスプレイで、GIF や JPEG の保存の際に発生する現象です。画像ファイルの大きさが固定になる問題はバージョン 2.2 で対策しましたが、画像の周囲に余白ができる現象は回避できていません。

このアドインでは、Excel の Export メソッドを使って GIF、JPEG 形式での保存を行っていますが、16 ビットカラーの場合の Export メソッドの動作に問題があるようです。VBA によって回避することはできないのではないかと思います。


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