小説
●プランバーゴ

第1話

 美少女剣士ミルフィーは、旅の途中、とある町にやってきました。友達の美少女魔法士アリッサムとこの町であう予定なのですが、アリッサムから数日遅れると連絡があり、それまで待つ事になりました。
 この町は今、森の奥の朽ち果てた館に幽霊が出るという噂で大騒ぎになっています。同じ宿に泊まっている司祭見習いの少女ローズマリーが、村長から幽霊退治の依頼を受け調査に行く事になりました。
「お願いです、ミルフィーさん。一緒に行ってもらえませんか?」
 アリッサムが来るまで何もする事がなかったミルフィーは、その依頼を快く引き受けました。

 薄暗い森を抜け、ミルフィーとローズマリーは問題の館に到着しました。
 今にも壊れそうな扉を開け中に入ると、突然ミルフィーを金縛りが襲いました。
「大丈夫ですか、ミルフィーさん!」
 ローズマリーには神の加護の力が働いているのか、金縛りにはあっていないようです。ローズマリーは荷物の中から「超入門 金縛りの解き方」と書かれた本を取り出しました。そしてぶつぶつと呪文を読みはじめました。
「超入門って、、ちょっと、ローズマリー?」
ミルフィーは、いや〜な予感が背筋を走りました。
「もしかしてローズマリー、幽霊退治、始めてだったりする?」
「はい。私、神殿の外に出るのも、今回の旅がはじめてなのです」
 途中で呪文の詠唱をとめてしまったので、また最初から読みはじめました。
『こんな仕事、引き受けるんじゃなかった、、、』

 その時、ミルフィーは奇妙な違和感に気がつきました。何かが、いえ、誰かが体を触っているような感触がするのです。やがてその感触ははっきりとしてきました。
 胸のふくらみを鷲掴みにうにうにする感触、そして太もものあたりをさわさわする感触、、、。
「どうしたんですか? ミルフィーさん、顔が赤いですよ?」
 純真そうな瞳でこちらを見るローズマリーに、なんとなく幽霊にえっちな事をされてるとは言えませんでした。
「ずっと同じポーズだから疲れただけよ。私の事は気にせず早く呪文を唱えなさい」
 また途中で呪文の詠唱をとめてしまったので、もちろん最初から読みはじめました。

 それからしばらく時間が経過しましたが、ミルフィーの金縛りはまだ解けていませんでした。ローズマリーが何度も呪文を読み間違え、その度に最初から読みなおしているからです。
「え〜っと、あれ? 1行飛ばしてしまいました」
 くったくのない笑みを浮かべるローズマリーに、ミルフィーは泣きそうな声で抗議しました。
「ばかぁぁぁ・・・、早くしてよぉぉ」

 それからしばらく時間が経過しましたが、やっぱりミルフィーの金縛りは解けていませんでした。
「ん、、あっ、、、、も、もう、、、ダメ、、、」
 ミルフィーは、せつな気な息をもらしながらも必死に我慢しています。
 何も気付いていないローズマリーは、その様子を見て、的外れな事をいいました。
「ミルフィーさんもしかしておトイレですか? 私、後ろ向いていましょうか?」
 また途中で呪文の詠唱をとめてしまいました。ミルフィーはもう、言葉を返す気力も残っていませんでした。ローズマリーは何か言いたげなミルフィーの顔を見て「ああ、そうか」と声をあげました。
「パンツ脱ぐの手伝いましょうか?」



3日後、町の宿屋。
「いやぁ、何か大変だったんだって?」
 アリッサムはにしゃにしゃと意味ありげな笑顔で、ベットに倒れているミルフィーの顔を覗き込みました。
「だってミルフィーさん、幽霊がすぐそばにいたのに、教えてくれないんですよ?」
ローズマリーはベットの横の椅子に腰掛け、リンゴの皮を向いています。
「幽霊がそこにいるのでしたら、金縛りを解く魔法じゃなくて、浄化の魔法を唱えればあっという間でしたのに」
「その浄化の魔法を唱えるのに半日もかかってたバカはどこの誰だ〜〜〜っ」
 突然起き上がって怒鳴ったミルフィーは、貧血を起こしてまたふらふらと倒れてしまいました。
「ミルフィーさんリンゴ食べますか?」
くったくのない笑みを浮かべるローズマリーに、二度とこの女とは仕事はしない、、ミルフィーはそう心に誓ったのでした。


終わり


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