次の日、王国騎士団の活躍で奴隷商が壊滅した事を知ったアリッサムとローズマリーは、ミルフィーを助け出すため宝箱を開けようとしました。ミルフィーはこの宝箱の中に、無数の巨大ミミズと一緒に入れられているのです。
ところが開きません。奴隷商が持っている専用の鍵がないと開かないようなのです。
近くの町の宿屋です。あちこち怪我をしたミルフィーがベットの上に寝転がっています。この怪我は、巨大ミミズによるものではなく、アリッサムが魔法で宝箱をぶち壊し、中にいたミルフィーも一緒にふっとばされたときのものでした。
「中に私がいる事は、全然考慮しなかったのね・・・?」
「いや、だから、一刻も早く助けだしてあげたくてだな・・・」
「こんなひどい目にあうくらいなら、もう2、3日、ミミズ達とエッチしてたほうがマシだったわよ」
ミルフィーはそう言うとマクラを投げ付けました。
「あら・・・?」
下に落ちたマクラの中から、1枚の紙が出てきました。マクラのカバーにはさんであったようです。4つ折にした紙で、広げると魔法文字が隙間なく記されていました。
「呪いに使う魔法呪だ。呪いの種類まではわからないが・・・」
「私が狙われたのかしら? いったい誰がこんなモノを入れたのよ」
そこに、宿屋の手伝いをしていたローズマリーがかけこんできました。手にはミルフィーが見つけたのと同じ紙を持っています。
「お客さんを安眠させるための護符だっておっしゃったんですけど、違いますよね?」
その紙は、若い女性客のマクラだけに入れるよう、宿屋の親父に言われたそうです。
「ローズマリー、どんな種類の呪いか調べてくれないか」
「エッチな事が目的に違いないわ。あの顔はそういう顔よ」
ミルフィーはそう断言しました。
その時突然、辺りが暗い闇に閉ざされました。かたわらにいるはずのアリッサムとローズマリーの姿も消えてしまいました。
「ばれた事に気がついて、直接攻撃に出る気かな? あ? 何よこれ?」
全裸になっていました。そして、体も動かす事が出来ません。
そして暗闇の中に、宿屋の親父が現れました。宿屋の親父は動けないミルフィーにのしかかり、体中をまさぐりはじめました。
「やだっ やめてよっスケベ親父! ちょ、ちょっと、そんな所舐めないでぇっ」
『お前は淫乱な女だ。お前は俺様とエッチな事がしたくなる。服を脱いで裸になり、俺の・・・』
宿屋の親父の声が頭の中に響きます。
「これは洗脳・・・? 冗談じゃないわよ・・・」
気がついても抵抗の手段はありません。エッチな命令が次々頭の中に流れ込んで、支配していきます。
「呪いを唱えるな〜っ」
アリッサムのその声で、ミルフィーは目を覚ましました。
「なんだったの? 攻撃じゃなかったの?」
ミルフィーはアリッサムの服を引っ張って訪ねました。
「ローズマリーが呪いの呪文を読んでたんだよ」
「え〜〜、だって、調べろっておっしゃったじゃないですか?」
「読んだりしたら呪文が発動するだろ〜がっ」
アリッサムはローズマリーをマクラで叩き倒しました。
「宿屋の親父が、女の客とエッチするために仕組んだのよ」
3人は宿屋の親父のところへ怒鳴りこんでいきました。そこでは今まさに、客のひとりとエッチしている最中の宿屋の親父がいました。
「き、君たち、勝手に、は、入ってきたりしたら、だ、だ、」
「何言ってるのよ! これは何!」
ミルフィーは呪いの書かれた紙を宿屋の親父に突き付けます。そして、服を脱ぎはじめました。
「お願いです。私にもエッチな事、してください・・・」
「あ、ミルフィー、洗脳にかかってたのか・・」
アリッサムは宿屋の親父を、ミルフィーごと魔法で吹っ飛ばしました。
「いや、だから、洗脳を解くにはショックを与えて・・・」
「こんなひどい目にあうくらいなら、宿屋の親父とエッチしてたほうがマシだったわよ〜〜〜っ」
ベットの上には、包帯でぐるぐるまきにされたミルフィーの姿がありました。
終わり