小説
●プランバーゴ

第5話

「ふははははっ 愚か者め! 私に逆らった罰だ!」
「みゃ、みゃぁぁっっ」

 美少女剣士ミルフィー、美少女魔法士アリッサム、美少女司祭見習いローズマリーの3人は、とある悪い魔女を退治する事になりました。ところが、魔女の罠によってローズマリーは捕まってしまいました。そして魔法をかけられて猫の姿になってしまったのです。
「そうだ、貴女ををノアの嫁にしてあげるわ! ちょうどノアも発情期で、いい嫁さんをを探していた所なのよ」
 魔女は使い魔としてノアというオス猫を飼っていました。魔女の足下にいたでぶ猫が、のそのそとローズマリーに近付いてきました。
「みゃみゃみゃっ みゃぁぁっっ」
 ローズマリーは慌てて逃げ出しました。

 ミルフィーとアリッサムが魔女のいる部屋にやってきました。扉を開けたとき、2匹の猫が走って部屋から飛び出していきました。そのうちの1匹がローズマリーだとは、夢にも思いませんでした。
 ミルフィーは剣を、アリッサムは魔法石を構え、魔女に詰め寄ります。
 ふとミルフィーは、床に落ちているローズマリーの服を見つけました。下着まですべてあります。
「ローズマリーに何をしたの!」
「ローズマリー? そんな人間は知らないわ。そういう名前の猫なら1匹知ってるけどねぇ」
 戦いが始まりました。

 ローズマリーは、中庭のすみに追い詰められていました。
「お、おい、待てよ・・。人間に戻る方法を教えてやろうと、思って、ぜえ、はあ」
 でぶ猫ノアは、はあはあと息を切らしながら、座り込みました。
「町の公園に聖女エイリーンの泉があるだろう? そこの水を飲めばもとに戻るんだよ。」
「に、人間に戻れるのですか!?」
 ローズマリーは思わずノアに抱き着いて感謝しました。
「その代わり条件があるんだ。人間に戻ったら俺の主人になってくれよ。あのいじわる魔女の使い魔をやってるのはもう嫌なんだ」
 ローズマリーはノアの道案内で町へと向かいました。

 アリッサムが魔女に向かって突進しました。
「ばかめ!」
 魔女は爆裂の魔法を解き放ちます。アリッサムの体が粉々に弾け飛びました。しかし飛び散ったのは血肉ではなく、無数のパンヤ!
「なに!! 魔法人形のおとりか!」
 アリッサム(人形)の後ろに隠れるようにして動いていたミルフィーが、一気に間合いを詰め、剣を降りおろします!
 がん!
 さやに入ったままの剣ので思いっきり頭を叩かれ、魔女は気を失いました。
「生け捕りじゃないと、賞金出ないからね」
「あ〜あ、せっかく人形なおしたのに、また・・・」
 床に飛び散ったパンヤを拾い集めながら、アリッサムはため息をつきました。

「ローズマリー! こんな所で何してるのよ!」
「み、ミルフィーさん、助けてくださぁい〜〜っ」
 魔女を連れて町に戻ったミルフィーとアリッサムは、大通りから目立つ場所に作られた公開檻の中に入れられているローズマリーを見つけました。ローズマリーは何故か裸で、でぶ猫を抱き締めて座り込んでいます。
 檻には、『公園内での性行為、およびそれに類する行為を行った罰により、3日間晒しものにする』と書かれています。
「性行為って、何してたの」
 側にいた警備兵に尋ねました。
「この女は、真っ昼間の公園を裸で歩いていたのだ。露出狂というやつだな。」
 泉の水を飲み、人間に戻る事が出来たローズマリーでしたが、魔女の屋敷で猫にされた時に服は全部脱げてしまったので、全裸だったのです。
「露出狂、、、へぇ、ローズマリーってそんな趣味あったんだ」
「ち、違います〜〜〜っっ!」
 町にローズマリーの悲鳴のような声が響き渡りました。

終わり


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