小説
●プランバーゴ

第7話

 美少女司祭見習いのローズマリーは、全裸で3日間、町の公開牢に入れられてしまいました。町の男の人たち全員に、裸を見られてしまったような気がします。ようやく牢から出してもらい、早くこの町から出たかったのですが、今度は友達の美少女剣士ミルフィーが牢に捕まっているので、あと1日は滞在しなければけませんでした。

 ローズマリーが歩いていると、その後ろを、数人のならず者風の若者達がついてきました。ローズマリーに抱きかかえられていた使い魔のでぶ猫ノアがそれに気付き、ローズマリーに注意を促します。
『逃げたほうがいいな。僕が道案内するから、逃げた僕を追い掛けるふりをして、後をついてくるんだ』
 ノアはローズマリーの腕の中から飛び出して、裏路地へと走っていきました。
「あっ、こら、待ちなさい、ノアッ!」
 ローズマリーも追いかけて走り出しました。

 裏路地に入り、辺りに人が少なくなると、ならず者達は本性を出して「ようよう、猫なんかほっといて、俺達と遊ぼうぜ」とローズマリーを追いかけました。ローズマリーはノアの道案内で曲がりくねった道を懸命に逃げました。ところが袋小路に突き当たってしまいました。

「ちょっと、どうするのよ、ノアっ!」
『こっちだよ』
 ノアが指差した所を見ると、塀に穴が空いていました。ノアは穴に飛び込んで、ローズマリーについてくるように言いました。追いかけてくるならず者達が近付いてきたので、ローズマリーは慌ててその穴に潜りこみました。

ところが、

 猫には楽に通り抜けられる大きさの穴ですが、ローズマリーには小さすぎたようです。なんとか上半身だけを通した状態で、身動き出来なくなってしまいました。

「へっへっへ、お尻突き出して可愛い格好じゃん」
 ならず者達は、じたばたと暴れるローズマリーの足を掴んで捕まえ、ひっぱり出そうとしました。
「いやぁっ、お願いっ、やめてくださいっっ」
 ローズマリーは壁にしがみついてなんとか抵抗しました。するとならず者達は、ローズマリーを壁に詰まったままにして、ローズマリーのお尻をいやらしく触りはじめました。
「やだぁっ、やめてっ、ダメですぅっっ、助けてノアぁっ」
『助けてって言われてもぉ、、』
「ひらひらしたこのスカートは邪魔だな」
 ならず者達は、ローズマリーのスカートを破って剥ぎ取りました。次に下着に手をかけ、いっきに降ろし、奪い取りました。可愛いお尻が、ならず者達にさらされてしまいました。
 そしていやらしい手が、ローズマリーのお尻に‥‥‥。

 どげしっ!

 最後の力をふりしぼり、ローズマリーは足で思いっきりならず者を蹴り飛ばしました。その反動で、ローズマリーは穴から抜け出して塀の向こうに転げ落ちました。
 ならず者達は怒って追い掛けようとしましたが、大きな男達には穴をくぐり抜けるのは無理そうでした。なんとか塀を乗り越えた時には、もう、ローズマリーの姿はありませんでした。

 アリッサムが、宿屋でくつろいでいると、ローズマリーが飛び込んできました。ローズマリーは部屋の中に入ると、はぁぁっと脱力したように座り込みました。
 水を飲んで落ち着いたローズマリーは、これこれこういう事があったんです、と事情を説明しました。話を聞いたアリッサムは、ならず者が追いかけてきていないか窓から外を確認して、はぁ、とため息をつきました。
「それで、その格好のままで、町の中を走って来たのか?」
「え? ‥‥‥‥‥‥あっ! きゃぁぁぁっっ!!!」

 宿屋の外には、下半身裸で町の大通りを走っていた女がいるという通報を聞いた町の警備兵の姿がありました、、、。

 追記:今回はローズマリーに非はないという事で捕まりませんでしたが、「露出狂の司祭見習いの少女」の噂は、末永く町の男達の間で語り継がれたという事です。(笑)

終わり


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