綿系紡績工場の生産ポイントは原料混合にある。最適混合が得られるなら、コストの節約と品質の向上につながる。この応用例は、ある国の紡績工場の実際データを使って説明する。この工場が使っている原綿は国産品をはじめ、いろいろの国からの輸入品と合せて沢山の原料を使っている。原料混合はエンジニアの経験に頼って、繊維の長さ、繊維斑点、単繊維強力、品質長さ、繊維数、短繊維率…などを一定の制御幅の中に最適混合を計算する。
まず変数の設定6種類の原綿の混合率は X1、X2、X3、 X4、X5、X6を設定する。
第一目標 Y1+ | → | 最小化(等級最小化) |
第二目標 Y2- | → | 最小化(原料長さ最大化) |
第三目標 Y3+ | → | 最小化(単繊維強力最大化) |
第四目標 Y4+ − Y4- | → | 最小化(コスト最適値) |
第五目標 Y5- | → | 最小化(単繊維強力最大化) |
第六目標 Y6- | → | 最小化(品質長さ最大化) |
第七目標 Y7- | → | 最小化(繊維数最大化) |
第九目標 Y8+ | → | 最小化(短繊維率最小化) |
インプット・データの与え方はGLPS操作ガイドを参照していただきたい。
実際このモデルインプット・データ はGLPSプログラムに同梱してあります。
GLPS実行 → ファイル → Sample02 開く を経て、
ファイルを開くことによって見ることができます。
インプット・データの与え方はGLPS操作ガイドを参照していただきたい。
実際このモデルのインプット・データは下のようになっています。
TITLE 綿系紡績工場原料混合計算
MIN Y1+
MIN Y2-
MIN Y3+
MIN Y4+
MIN Y5-
MIN Y6-
MIN Y7-
MIN Y8+
ST
X1 + X2 + 2X3 + 3X4 + 4X5 + X6 + Y1- - Y1+ = 2.33
29X1 + 29X2 + 29X3 + 27X4 + 25X5 + 27X6 + Y2- - Y2+ = 27.3
113X1 + 235X2 + 275X3 + 304X4 + 202X5 + 153X6 + Y3- - Y3+ = 250
3.2804X1 + 3.2804X2 + 3.1136X3 + 2.78X4 + 2.474X5 + 3.1136X6 + Y4- - Y4+ = 2.9
3.68X1 + 4.65X2 + 4.77X3 + 3.31X4 + 3.75X5 + 3.42X6 + Y5- - Y5+ = 3.6
32.6X1 + 33X2 + 33.1X3 + 29.9X4 + 28.6X5 + 29.9X6 + Y6- - Y6+ = 30
5350X1 + 5675X2 + 5500X3 + 5875X4 + 5500X5 + 5425X6 + Y7- - Y7+ = 5600
9.6X1 + 13X2 + 10.6X3 + 14.2X4 + 16.1X5 + 15.1X6 + Y8- - Y8+ = 16
X1 + X2 + X3 + X4 + X5 + X6 = 1
END
SUB X5 0.14
SUB X6 0.07
原料 | GLPS最適解計算%率 | 人工計算%率 |
X1 | 23.53% | 7% |
X2 | 9.97% | 18% |
X3 | 0% | 36% |
X4 | 45.5% | 18% |
X5 | 14.0% | 14% |
X6 | 7.0% | 7% |
項目 | 制御幅 | GLPS計算結果 | 人工計算結果 | |
1 | 等級 | 2.0〜2.5 | 2.33 | 2.14 |
2 | 原料長さ | 27〜28 | 27.39 | 27.94 |
3 | 繊維斑点 | 150〜250 | 226.34 | 243 |
4 | コスト | 最小化 | 2.928 | 3.0057 |
5 | 単繊維強力 | 3〜4 | 3.6 | 4.18 |
6 | 品質長さ | 30〜30.5 | 30.6624 | 31.617 |
7 | 繊維数 | 5600〜5800 | 5646 | 5594 |
8 | 短繊維率 | < 16 | 12.327 | 12.5 |
計算結果、物理性能制御とコスト面両方ともGLPSの計算結果は優れていることがはっきり判ります。