3D Prophet 4500 Review
KyroIIを使ってみた感想とか、3Dゲームの体感などについて載せます。
Kyro2 導入
1.概要編
2.導入編
3.2D編
4.3D編(DirectX)
5.3D編(OpenGL)
6.3D編(SGL)
7.総評
最初に環境です。
CPU:Intel Pentium4 1.5GHz ES (1.6GHz動作)
マザー:Intel D850GB
メモリー:SEC PC800 DRDRAM 384MB
カード:
3D Prophet 4500 64MB
OS:Windows Me / Windows2000
ドライバ:
1.概要編
Kyroとは元々、NECとVideoLogic社が共同開発した3D専用処理チップ「PowerVR」が原型となっております。
96年当時、NEC HEがPC用3DカードとしてPC-3DEngineを発売したのですが、それがPowerVR PCX1チップを載せてました。
NEC HE以外にもあのMatroxもMatrox m3Dとして、それ以外にもIODATAも発売しました。
特徴は陰面処理の結果メモリーを圧迫する、Z-Bufferを必要としなかったことにあります。そのため低クロック且つ小容量のメモリーでも高速な結果が得られるとしていました。
しかも当時まだまだ発展途上だったDirect3Dに替わり、独自の3D API「SGL」を持っていました。
このSGL対応ゲームも数タイトル発売されており、有名どころでは、CapcomのBIO HAZARDやSEGAのバーチャロンがありました。
当時ではこのSGL使用ゲームは非常に美しく出来も良かったのですが、問題はDirect3Dにありました。
今でも抱えていることですが、陰面処理を行うとDirect3D対応ゲームにおいて画面がおかしくなることが多々ありました。
このため当時同じく独自API「Glide」を持っていた3dfxのVoodooに敗北し、その後PowerVR PCX2も登場するもすぐに消えてしまいました。
そうして、SGL対応ゲームもいつのまにか発売されなくなりました。
が・・・・・・再度注目されるようになったのは、SEGAのDreamCastからです。
このゲーム機にはPowerVR2が搭載されました。そうして再度PowerVRアーキテクチャに注目を浴びることになり、
PC用のPowerVR2カードも登場しました。PowerVR2より3D専用チップではなく、2Dの処理もできるようになりました。
が・・・・・・当時はすでにDirect3Dが主流になってきていたので、またしてもD3D対応ゲームの対応性の低さが問題になり、
結局すぐに消えてしまいました。
そうして、KYROに引き継がれたのですが、今なぜKYROが注目されているのかというと、
今まで散々言われてきた陰面処理によるD3Dの互換性の低さという欠点がドライバの成熟と共に緩和してきたことと、
昨今のビデオカードの高価格化により、一般ユーザーは安価なビデオカードに注目し始めたということがあるとおもいます。
KYROが安価なのはやはり陰面処理による低クロックのメモリーでも高性能を発揮できるということです。
現在のビデオカードがなぜ高価格なのかというと、あまりにも高速なメモリーを必要としているためなのです。
nVIDIAのGeForce3ではメモリークロック230MHzのDDR SDRAMを使用しており、帯域も7.3GB/sにもなります。
そのため高価格になってしまっているのですが、これはしょうがないことでもあります。
nVIDIAの法則の最大の落とし穴は常に高クロックメモリーが必要になっていることだと僕は考えています。
さて、KYROIIですが。これはKYROの高クロック版で、EnvironmentBumpMappingなどの機能をサポートしたものです。
DirectX8には完全対応はしていません。Hardware T&Lも持っていません。
っと非常にいまどきではないビデオカードですが、非常に安価で、新品初物価格でも20000円を切るという安さです。
はたしてどれほどのスピードが出るのか、そして画質はどうなのかをこれから検証していきたいと思います。
2.導入編
さて、今回登場した、Guillmotの3D Prophet 4500はPowerVRアーキテクチャの最新チップのKYROIIを載せています。
カードのデザインは非常にすっきりしていて好感がもてます。
このデザインはKYROIIのリファレンスデザインとのことなので、KYROII自体、非常に融通の利くチップであると思われます。
チップファンも小柄で発熱が少ないとようです。メモリーチップはSamsongのSDR SDRAM 200MHzを174MHz動作で、64MB分搭載しており、メモリーにヒートシンクは載っていません。
RAMDACは270MHzでちょっと低めですが、このカードの位置付けを考えると、エントリーユーザー向けであり、17インチモニターを主体に考えているのだと思われます。
3.2D編
2Dですが、さすがにRAMDAC 270MHzが効いてナナオの21インチモニターT962では1920x1440 85Hzがぎりぎり出せるぐらいです。
しかもその解像度では2Dの処理が重く感じ、やはり17インチモニターで使う1024x768ぐらいがもっとも良いのではないかと思われます。
画質は若干明るめですが、フォーカスもしっかりしており、G400やRadeonに負けず劣らず美しいと感じました。
4.3D編(Direct3D)
前モデルのKyroで言われていたのが、D3Dアプリケーションの互換性が低いことです。
PowerVRアーキテクチャ自体の問題ともいえるのでしょうがない気もしますが、かなり重要なことです。
今後KYROIIでのゲーム動作についてのページを載せるので動作確認はそこでお願いいたします。
下部にベンチ結果を載せていますが、3DMark2000(DirectX7)の結果は非常に良好で、Radeonを上回るほどです。
N-Benchのデモでは、テクスチャが透けるなどの問題がありました。
5.3D編(OpenGL)
OpenGLといえば、HardwareT&Lを持っているGeForceファミリーとRadeonは非常に強い分野ですが、
それを持っていないKyroIIでは、どうなのかと思えば・・・・・
ベンチはやっていませんが3Dゲームでは、DirectX7とOpenGL両対応のHitman Codename:47というゲームでは
OpenGLの方が高速にしかも綺麗に表示されます。
意外な結果でしたが、QuakeIIIとか重いゲームでもGeForce2に張れるパフォーマンスを出しており、
それどころか、RadeonよりQuakeIIIでは高いパフォーマンスを出しているのです。
ここでも言えることですが、KyroIIは非常にコストパフォーマンスが良いということです。
同価格帯のGeForcr2MX400よりもゲームのパフォーマンスは高いので非常に驚きです。
6.3D編(SGL)
結論から言いますと、うごきません
もうSGLのサポートは打ち切ったのとのことですのでしょうがないとは思いますけど・・・・・
3DMark 2001
Windows2000
WindowsMe
3DMark(1024x768 32Bit)
2304
2352
3DMark 2000
Windows2000
WindowsMe
3DMark(1024x768 16Bit)
5359
5814
HDBnech 322
Windows2000
WindowsMe
Rectangle
18958
30532
Text
31362
32000
Ellipse
5068
4559
BitBlt
89
490
DirectDraw
77
74
エクスタシーベンチ
Windows2000
WindowsMe
FPS
計測不可
67
N-Bench (N-Bench Score)
Windows2000
WindowsMe
Game1 (Low)
781
775
Game1 (High)
787
781
Game2 (Low)
4776
4783
Game2 (High)
1508
1467
Game3 (Low)
6165
6276
Game3 (High)
1814
1758
The Surface
1925
1864
2D Graphics
2535
2493
Space Fighter
4757
4830
Your Fighter
4763
4801
Overall Score
2981
2982
7.総評
期待を背負って登場したKYROIIですが、その結果は非常にわかりやすいものとなりました。
17インチモニターを使っていて、今一番旬なDirectX7ゲームをやる場合に非常に高い結果を得ました。
今現在一番出回っているゲームはDirectX7を主としたゲームなので、ちょうど良いといえると思います。
しかも驚きなのはDirectX7のベンチである、3DMark2000ではHardwareT&Lを搭載しているRadeonよりも上回り
非常に高い結果であるといえます。
さらに、PowerVR系で問題だったゲームとの相性問題も 以上の点を踏まえて、結論として、17インチモニターを使ってて、3Dゲームも結構やるが、nVIDIAのチップの載ったビデオカードは画質が悪くて使えんし、ATIはちょっと・・・・・と思っている方には最適かもしれません。
後は人とは違ったカードを使いたいっという人ですね・・・・・・・・
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