基本的な操作方法 |
[検索]メニューの[分析...]により、指定した条件を満たす銘柄の抽出を行うことができます。 [検索]メニューの[分析...]により、以下のダイアログボックスが表示されます。 ここで、[最新の分析]を選択すれば、最後に株価データを更新した日を基準に分析を開始します。 [前回の分析結果を使用]を選択すれば、分析処理はおこなわず、前回の分析結果をもとに、分析します。株価データを更新しない場合に、再度分析したい場合に使用します。 [日を指定して分析]を選択すれば、過去の任意の日に対して分析します。
分析には、全銘柄の株価データを読み込みますので時間がかかります。分析中でも、チャート表示等は行うことが出来ます。(遅いですが) 分析処理が完了すると、以下の分析ウインドウが表示されます。ここで抽出条件を設定し、[銘柄抽出]ボタンを押すと、抽出条件に合致した銘柄がリストに表示されます。 抽出条件は、値を設定し、設定した項目をチェックすることにより行います。複数の条件にチェックした場合、結果は、チェックした条件の論理積(AND)となります。
抽出条件は、名前を付けて保存しておくことができます。保存先は、Rulesディレクトリで、ここに.ERLの拡張子を付けて保存します。保存した抽出条件は、[条件名]のリストから呼び出すことが出来ます。
分析ウインドウのタブを[レコード/ランキング]にすれば、各種レコード/ランキング銘柄を抽出することができます。
銘柄抽出条件 |
設定した抽出条件の論理積(AND)による抽出に加え、 設定した抽出条件の線型和を評価関数とすることができます。 すなわち、 設定した抽出条件の評価結果、f1, f2, ...,fi, ... fN(fiの値は0または1)の場合、
f1 AND f2 AND ... AND fN |
評価関数= a1*f1 + a2*f2 + ... + aN*fN |
銘柄抽出条件可視化チャート |
チャートメニューの「抽出条件可視化チャート」により、設定した抽出条件の評価値を時間軸でプロットしたチャートを描くことができ、設定した抽出条件の有効性の検証を行うことができます。
この例の一番下のチャートは、ChartScapeに付属する抽出条件「一目買い」をプロットしたものです。時間軸にそってグラフ化し、従来のチャートと併記することにより、どのようなときに抽出条件を満たすかがよくわかるようになります。 下から3番目と2番目のチャートは、条件項目の線型和による合成評価関数をグラフ化したものです。下から3番目の例では、下図のようにRCI13とRCI26の条件を合成したものです。
下から2番目の例では、下図のようにRCI13とRCI26に加え、ストキャスティックK値とD値の条件を合成したものです。一見すると値動きに先行するチャートのように見えますが、いかがでしょう。(常にそうとは限りませんが...)このように、線型和による合成評価関数は、単純な条件の論理積に比べ、より柔軟な抽出条件を設定できます。銘柄抽出条件可視化チャートにより、その有効性を検証できる訳です。
銘柄抽出条件の検証機能 |
銘柄抽出条件の検証機能とは、設定した銘柄抽出条件が有効化否かを統計的に提示する機能です。これにより、抽出条件の信憑性(すなわち、その条件で抽出した銘柄はその後ほんとうに意図した値動きになるのか)の目安を得ることができるようになります。 以下具体的な例を元に、銘柄抽出条件の検証を行ってみます。
保守メニューの「出条件の検証」により、以下のような検証条件を設定するダイアログボックスが表示されます。ここでパラメータを設定し、「OK」ボタンを押すと、検証を開始します。検証には時間がかかります。
検証結果として、以下のレポートを得ることができます。なお、検証のためには、一定期間以上データが蓄積されている必要があります。例えば、抽出条件に長期移動平均線を使用している場合は、最初の移動平均の期間以降のデータが検証対象となります。蓄積データの最後のN日(Nは上述)は、評価データが得られませんから検証対象とはなりません。
まずは、検証結果レポート中の、「全事象」に着目してください。hit数は、全検証対象数(有効銘柄×有効日足)です。 は、hit数に対する評価値です。この例では、蓄積した全データ(約8年分)のうち、20日後に株価が10%以上上昇したケースが15.1%、8%以上下落したケースが24.0%、それ以外が60.9%であったことを示しています。ある銘柄の20日後の株価を確率事象ととらえると、その母集団の確率分布になります。
「全事象」以降に、あなたが設定した抽出条件を満たすhit数とその評価値が提示されます。ここに提示された評価値が、母集団の評価値の分布と変わりなければ、抽出条件としてはあまり価値がないと言えます。上昇シグナルとして有名なゴールデンクロスでさえも、評価結果は母集団の確率分布とほぼ等しいことがわかります。これは、下駄をほうり投げて選んだ銘柄がN日後に上昇する確率は15.1%であるけれど、ゴールデンクロス銘柄を1つ選んでも、それが上昇する確率は、下駄をほうり投げて選んだ銘柄が上昇する確率とほぼ同じ15.9%であるということです。(ちなみに、この結果は拙者の蓄積データを使って評価したものです。拙者のデータは文字放送から抽出したもので、歯抜けや不正データもけっこう含まれています。)
一方、「低位株買い時」というルールでは、明らかに母集団とは有意な差がある結果を得ています。差があるといってもこの程度で、あなたはどう解釈しますか? この機能を利用して、あなたが考案したルールが、どの程度価値があるものか、または下駄をほうり投げて選ぶのと同じ程度の価値なのかの判断の目安を得ることができます。