「T98-Next」で検証するWindowsの歴史

最初の1滴はToyProgram:MS-Windows1.0

当時はパソコンソフトなんてどこにも売っていなくて、ソフトがほしい場合は、会社に出入りしているNEC代理店から「PC9801ソフトウエアライブラリー」と称するNECのカタログ誌を取り寄せ、その中からいちいち取り寄せてもらったものでした。Windowsは、いちおうメジャーなものだと思ったので、パソコン売り場がある大手電気店へ購入に行ったのですが、

店員曰く「MS-Windowsは在庫がありません。MS-Networkならあるけど、かわりにいかが?」

私「....」

同じMS-ではじまるソフトでも、MS-NetworkはMS-Windowsの代用にはならないだろうに。当時のパソコンソフトの認知度はその程度のものでした。で、取り寄せで、値引き無し\18,000で購入したものの、購入直後にPaintとWriteが付属した新版が同じ値段で出て悔しい思いをしたものでした。しかし、PaintとWriteが付属したところで、使い物にならないことには変わりありません。いわゆるToyProgramってやつ。MS-Windows1.0は、何回か「リバーシ」で遊んだだけで使わなくなってしまいました。MS-Windows1.0用のアプリケーションは、ほとんど出ませんでした。MS-Windows1.0を立ち上げると、フリーメモリ領域は、最大でも150kB〜200kBしか残りません。カナ漢字変換を組み込むと、さらに減って数10kB。いったい、これだけの領域で何ができるというんだろう。

MS-Windows1.0は、箱以外はすべて残っています。実は2年ほど前に、そろそろ「お宝」的価値がでてきたかと思い、netnewsのfj.freamarket.comp.softwareで売りにだしたのですが、1件もオファーがなかった。かなりのレア物だと思うんだけど...なんといっても、タイリングウインドウがとってもお洒落です。

フロッピーディスクのアイコンが、なんと5インチディスク。

まだまだ使えない:MS-Windows2.1

MS-Windows2.1にバージョンアップして、お洒落なタイリングウインドウが、現Windowsのようなオーバーラップウインドウに変更になりましたが、あいかわらず、利用価値はほとんどありませんでした。リバーシは健在でした。MS-Windows2.1ではアプリケーションのデータ領域をEMS上に確保できた(というか、Windowsアプリケーションであってもハードウエアリソースに直接アクセスできてしまった)ので、その気になれば実用アプリケーションは書けたはずですけどね。 MS-Windows2.1で動く、PageMakerがあったような気がしましたが、当時はPageMakerを動かすならMacが定番でした。PageMakerは高値の華でしたね。

少しはまともに:MS-Windows3.0

MS-Windows3.0になると、プログラムマネージャが登場し、アイコンダブルクリックでアプリケーションを起動できるようになり、XMSメモリも使えるようになったのですが、これがまともに動く386搭載機は高値の華で手が出ませんでした。ハードウエアリソースもドライバで管理されるようになり、やっとOSらしくなってきました。 でもWindowsアプリケーションなんかほとんどなかったので、フルスクリーンを占有するDOSアプリケーションを切り替えて使うためのタスク切り替え機のような使われ方が主流だったような気がします。

Windowsが本格的にブレークしたのは、486搭載機が安くなってきて、Windowsが3.1にバージョンアップされてからですね。でも、この頃私はMacにご執心でしたので、Windowsのことはよく知りません。


戻る