トレンド転換点を見つける |
1999/6/20
株価は、多少の変動はあっても、上昇基調にあるときは上がり続け、下降基調にあるときは下がり続ける傾向があります。上昇基調が続いているのに、ちょっと値が下がったからといって売ってしまっては、大きな魚を逃がしてしまいます。所有株の株価が上昇基調から下降基調にトレンドが転換しても、売らずに持ち続ければ、せっかくの獲物を逃がしてしまいます。新たに買う場合は、上昇基調に入ったときに買うのが最も投資効率がよくなります。
このように、株式投資においては、相場のトレンドの転換点を見極めることが大切です。 例えば、図の銘柄では、上昇基調が始まったAで買い、下降基調に転じたBで売れば、最も効率が良いことがわかります。これは、過去のチャートを後講釈すれば一目瞭然なのですが、B時点でそれ以降上昇基調が続くのか下降基調に転じるのかを判断しなければならないのが、難しい点です。
常にそうとは限りませんが、相場のトレンドの転換点ではいくつかの特徴的なふるまいが観測できます。この特徴的なふるまいを認識できればよい訳です。
相場のトレンドの転換点を見極める方法は、古典的な手法から近代的なものまで数多く提唱されています。
新値N本足(Nの値は3や5がよく使われる)は、以下のルールで描かれる陽線と陰線で構成されます。
新値足の例
値動きが、直近の線の範囲におさまっていれば、チャートは変化しません。
Nの値が大きいほど反転しにくい傾向があります。 陽線が続いた後、陰線に転換したら「売り」の準備、といった使い方が可能かと思われます。ただし、Nが小さければ、いわゆる「だまし」があり、Nが大きければ、タイミングが遅れてしまうといった欠点があります。
バブルの頃のような長期上昇相場で、反転するまで強気で望むといった戦法では有効であろうが、小刻みな動きの相場では、あまり役立たないと思われます。
カギ足は、あらかじめ決めておいた転換値を越える値動きがあった場合に方向転換するカギ形の図形の組合わせで構成されるチャートです。
カギ足の例
例えば、転換値を50円とすると、株価100円台の転換値を50円と株価1000円台転換値を50円では、同じ50円でも前者の方が意味が大きくなります。従って、転換値を固定してカギ足チャートを見比べてもあまり意味がありません。転換値は銘柄毎、株価水準毎に異なるべきでしょう。 転換値を「終値のX%」といった決め方でチャートを描けば、ある程度は意味があります。
「編集」メニューの「初期設定」ダイアログボックスの「補助チャート」タグの設定により、転換値を終値の割合で設定したカギ足チャートを描くことが出来ます。
つつみ線は、前日の陰線を完全に含む大きな陽線または、前日の陽線を完全に含む大きな陰線をいいます。
はらみ線は、前日の大きな陰線の範囲内の小さな陽線または、前日の大きな陽線の範囲内の小さな陰線をいいます。
つつみ線、はらみ線の例 (1)
つつみ線、はらみ線の例 (2)
つつみ線、はらみ線がでれば、相場の転換点といわれることがあります。過去のチャートを見ると、次の例に示すように、そうなっているものも容易に見つけ出すことが出来ます。しかし、これはあくまで結果であって、つつみ線、はらみ線が現れたから、ピークを打ったとか底を打ったとは言えません。「ピークを打ったとか底を打ったときにふくみ線、つつみ線が現れるケースがしばしばある」というだけです。
相場の高値圏や安値圏(過去一定期間中の高安値から数%以内)の時のつつみ線、はらみ線を抽出すれば、相場の転換点の目安にはなるでしょう。ChartScapeでは、抽出条件として次のように設定すればよいでしょう。
相場転換点抽出の例(1) 売り転換
相場転換点抽出の例(2) 買い転換