[きときとTop]-[CPad]-[BCPadシェアウェアについての考え]


CPad Suite のうち、CPad for Borland C++Compiler(以下、BCPad)だけが聞き慣れない「送金義務のないシェアウェア」です。

ここでは、その理由、背景、そしてシェアウェアに対しての僕の考えを書こうと思います。
以下の内容は、系統立てて順に考えたことではなく、ぼ〜っと考えていたことや、自分の中で無理に理由付けしたことも含まれています。
また、以前掲示板に書き込んだ内容や、ユーザーさんとのメールのやりとりの内容からとったものもあります。矛盾や、文章のおかしいところもあると思います。それを踏まえて暇なときに読んでください。

はじめに

 CPadは、2.00開発当初、というか、ほとんど完成するまで、LSI C-86とBorland C++Builder(以下BCB)用のIDEとして開発してきました。なぜBCB用かというと、情報系の友人がC++Builderを持っているのですが、C++の入門書や、大学の授業では、コンソールプログラムがほとんどで、BCBはコンソールアプリ作成には使いにくい!と文句を言っていたのです。
BCBは優れた開発ツール(Windowアプリを作るのにはDelphiと並んで最強!)ですが、単純なコンソールプログラムの作成には正直向いていません。
当時CPadはLSI C-86にしか対応してなかったのですが、LSIC86は、基本的にDOS16ビットコンパイラであり、intが16ビットである、C++に対応してない、など今となっては仕様の古さは否めませんでした。(注:もちろん今でも、純粋なフリーのCコンパイラとして貴重な存在であると思います。)

すると、選択肢は、MicrosoftのVisual C++しかなくなってしまいます(他にもありますがメジャーなもの、ということで)。僕はDelphiを使っていたため、Inprise/Borland製品の質の高さを知っていたので、学習用途、コンソールアプリ作成のためだけにVCを買うのはもったいない、CPadをBCBと組み合わせてそういう時に使えるツールにしよう、と思っていたのです。BCBのコンソールアプリに弱い、という弱点を克服できれば、BCBユーザーも増えるし、いいことだらけだ!と。

ですから、Borland C++Compiler(以下BCC)が無償公開されたときは驚きました。もちろん優秀なコンパイラが自分でも使えるようになったこと、BCPadを使ってもらえるユーザーが増えたこと、は良かったのですが、当時既にシェアウェアの構想(送金義務なし云々も同様)はあったので、
フリーコンパイラを使うソフトがシェアでいいのか?という考えもあり、悩みましたが、下で述べている事柄や、Java、TeXなどの例を見て、また、自分自身がBCPad以上のソフトは当分作れないだろう、との判断から、予定どおりシェアウェアとして公開することにしました。
BCPad以外の、CPad for LSI C-86 なども予定どおりフリーウェアとして公開しています。


掲示板・メールから

 BCPadを継続的に使用するのに送金する義務はありません。
機能制限もありませんし、送金しても、バージョン情報の「Thanks:」のところに名前が表示されるだけです。
 シェアウェアに対する送金というのはユーザーが「金銭的な意味で開発に
協力する」ことです。金銭でなくても、バグ報告とか、要望とか、
感想をもらうことでも作者としては嬉しいですし、開発に協力することに
なると考えます。

※もちろんそう考えないシェアウェア作者もたくさんいるでしょう。
最近では「送金しないなら使わないでください」という人の方が
多いかもしれません。作者の考えは尊重すべきですから、そういう
ソフトはそういう使い方をすればいいと思います。
でも僕はそういう考えではないです。

 僕は、送金した少数の人だけが使用するよりも、送金してくれなく
ても多くの人に使っていただく方が嬉しいです。バグレポートも集まり
やすいですし、感想もより多く聞くことができます。

※それならフリーウェアにすればいいじゃないか、とお思いでしょうが
フリーウェアだとユーザーからの反応が少ないんですね。
もっとユーザーさんと交流したくてシェアウェアにした、というのは
あります。
まぁ、全然送金に期待してないと言えば嘘になりますが(笑)



最近では、「シェアウェア」というのはソフトウェアのひとつの販売方法として見なされていることが多いようです。
「このソフトの使用期間は**日です。それ以降継続して使用する場合は必ず送金してください。送金しない場合は使用することができません。」というものが多いようです。
僕はそういうのが嫌だったので、送金しなくても自由に使えるシェアウェア、
というのを作りたかったのです。
(僕も環境構築に多くのオンラインソフトを使用させてもらってますが、
きちんと機能に納得した上で登録したシェアウェアも含まれています。)
その上で、ユーザーの方がそのソフトに金額以上の価値を見いだして、
寄付というかたちで開発に協力してくれるのはかまわないと思うのです。
もちろん、お金でなくても開発に協力することはできます。
掲示板やメールで不都合情報や要望などを挙げていただくのも、参考になりますし、
感想だけでも伝えていただければ励みになります。

実際に、掲示板やメールでいただいた不都合情報は修正できましたし、
ご要望の機能はおおむね実装できました。感謝です。m(_ _)m


シェアウェアの、世間一般の認識は、
「お金が必要だが、そのぶん同種のフリーソフトに比べてはるかに高機能で、サポートも充実してるソフト」
だ、という書き込みが以前掲示板にありました。

これはおそらくその通りだと思います。その上で、別のかたちの「シェアウェア」が
あってもいいのではないか?と思っているのです。それに本来シェアウェアはこういうものであったと思います。
もちろん、同種のソフトに比べて高機能にしようとは考えていますし、サポートもできる限りの事はするつもりです。自作フリーウェアとの差別化はしていませんが。(^^;

そして、CPadが有名になって、賛同してくれる人が増えて、自由に使えるシェアウェアが増えたらいいな、と考えています。
CPad Suiteの中で一番有名になのは、BCPadだろうと、それなら、BCPadをシェアウェアにするのが目的を達成するのに一番早い、と思ったのです。
(使う人がごく限られているソフトでは効果が少ないですから。)

もちろん価値観が合わない方もいらっしゃると思います。そういう方に対して
使用を制限するのではなく、ちょっとでも「便利だな」と思ってくださるのなら
どんどん使っていただきたいのです。


※一般にはシェアウェアとして紹介されているあるソフトのドキュメントに、「このソフトは商品です。継続使用の際は送金してください。」ということが書いてありました。これはこれでシェアウェア、という曖昧な言葉を使わない、正しい姿だな、と思いました。



自分のために

僕は、「人はすべて自分のために生きている」と考える人間なので、誰々のためにこのソフトを作っている、とは言いません。すべて自分のためです。
自分の作ったソフトを使う人がいて、ユーザーさんから掲示板への書き込みや、メールがあると、単純に自分が嬉しいんですね。
そう言う意味では、自己満足、といえるかもしれません。

好きな言葉:
「本当に自分を大切にする人は、他人をおろそかになんかしない。他人が自分にとって如何に大切であるかを知っているから。」
(うろ覚え&出典不明です。出所を知ってる人は連絡お願いします。)

あと、自分のシェアウェアに対する壁を取り払う意味もあります。自分の書いたソフトに対してお金をもらうなんて、気の小さい僕にはとてもとてもできることではありませんでした。(^_^;;
シェアウェアにすると、なんだかんだ言っても送金してくださるユーザーさんは、少数ながらいるわけで、フリーウェアの時とはまた違った責任が伴います。バージョンアップによる機能アップのときも、常に「使いやすさ」を最優先してきました。CPadがここまで成長してきたのも、ユーザーさんのおかげです。


シェアウェア作者

 自分が「シェアウェア作者」というものになってみたかった、という理由もあります。
卵が先か、鶏が先か、みたいな話になりますが、実際そうでした。
オンライン上には、シェアウェア作者でないと入れない場所っていうのも少なからず存在します。そういうところを体験してみたかった、ということもありますね。
@niftyのシェアウェア作者フォーラム、などなど。


注意その1

ここで書いてあることは、現時点での「BCPadシェアウェア」に対する僕の考えです。もちろん考えが変わることもありますし、上で述べた「ソフトウェアビジネスとしてのシェアウェア」が成立するようなソフトを作れば、「ごく普通の」シェアウェアを出すこともあるかもしれません。
「うそつき〜」とか言わないように(汗)。
構想もないことはないですし。技術がついていかないんですが(笑)。

※BCPadの形態が変わることはありません。

最後に

というわけですので、BCPadを使って、ああ、ずいぶん役に立ったなぁ、とか思ってくださったら、懐が熱いぐらいの時にでも、登録してもらえると大変喜びます。
BCPadに限らず、他のCPadでもカンパは大歓迎です。(^_^;

あまり知られていないようですが、BCPadの登録キーは、BCPadだけでなく、LCpad,JCPadなど、他のCPad でも同様に使えます。[バージョン情報]で、「Thanks: お名前」が表示されます。

ではでは。CPadをよろしく。

(2000/10/21 稀杜)

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