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Wings Holiday Music


世界観設定

 『旧時代』、世界を二つに分け、『大陸連合』と『環同盟軍』が『大戦』を開始した。

 泥沼化した戦闘で、サイボーグの投入が行われた。

 初期の物は単純に神経末端をギミックに接続するものだったが、「増設神経」により一変した。「増設神経」とは、脳、脊髄に接続され、本人の意識から普通の知覚、運動神経のように認識できる人工の神経である。レイヴァンで言えば、両足にアクチュエータ調整のため各4本、両腕には武器管制のため各1本増設されている。強化されたサイボーグは汎用兵器として広く利用された。
 ただ、成長し切った脳では神経増設は出来ず、幼いほど多くの神経が定着した。

 戦闘が続く中、突如現れた巨大植物群は、地上兵力、基地をほぼ無力化した。海中にも強化された藻類が増殖し、空母戦闘集団も身動きがとれなくなった。

こうしたなかサイボーグ達は自由に動きまわれる唯一の戦力だったが、『LECS』の部隊を中心に両軍で反乱を起こした。両国の要人、戦闘指揮官の暗殺、施設破壊などで戦争を停止させようとした。植物の異常発生とほぼ同時に起こったこの反乱で、数十年続いた戦闘はようやく幕を閉じ、そして植物との闘いが始まったのである。

 しかしそれと前後して、『大陸連合』では植物の広がる地上を自由に飛び回る翼を持ったサイボーグ、いわゆる「ランフォリンクス」シリーズの開発を始めていた。最初のバージョン、「ランフォリンクスA」はかろうじて破壊、レイヴァンの部隊は開発中の「ランフォリンクスB」を破壊するために研究施設を強襲する。

 この「ランフォリンクスB」3番機が、後のカイトである。

遺伝子レベルからサイボーグ用に設計された、ランフォリンクスBは、幼い頃からサイボーグ用に育てられ、内蔵火器を増やすべく増設神経はレイヴァンの倍、20本を搭載、やがて計画変更によりその大部分は翼の可動部とブースター制御に割り振られ、機体も小型化されている。

 機体のアップグレ−ド前にレイヴァンの部隊が強襲したので、翼のユニットは付けられないままだった。そのため、いまのカイトには翼はない。

 レイヴァンの部隊はあっという間にカイトの育った研究所を制圧したが、国籍不明のステルス機が発射した核ミサイルにより、部隊と「ランフォリンクスB」のほとんどが破壊、生き残ったレイヴァンとカイトも凄まじい電磁波により作動停止、装甲は放射能汚染された。

その後なぜか二人とも「静止状態」に置かれ、百年近く眠ってきた。この期間に放射能汚染は無くなり、カイトはタイマーにより目覚めたが、レイヴァンは植物の侵入でそれ以前に目覚めている。

 二人が目覚めた世界は一変していた。

巨大な植物の根によって、各地で輸送手段やライフラインが壊滅、人類は空輸と衛星通信に頼っていた。大昔に騒がれた温暖化は、今や全く反対の危機に姿をかえた。過度の光合成により、二酸化炭素は急激に減少、氷河期が来るのもそう遠いことではなかった。森は再び人類にとっての脅威となり、いくつかの空中都市が樹海の中、点々とあるだけだった。

 疲弊した各地の軍隊・警察組織にとって代わっていたのが、私設警備企業と呼ばれる存在だった。

運よく地球寒冷化は免れていたが、人類を目の敵にする植物たちは空中都市をも度々襲っていた。植物は強靱な『種』を射出し、空中都市まで到達してくる。『種』から生まれた自由に動き回る『子体』の鋭利な刃先から都市、住民を守るのが、警備企業の役目だ。その第一線で働くのがこの時代のサイボ−グ。『旧時代』より技術は劣る。

 カイトとレイヴァンも私設警備企業に協力し、都市を守る仕事についたわけだが、世界全体の危機まで解決できるわけでもない。人類はゆっくりとした滅びの中にいるのかもしれなかった。


 長いですね。前説が(笑)。



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