1-1 .機能概要

車両の軌跡図を描くプログラムです。描いた軌跡図はCADデータ(DXFファイル)として出力する事が出来ます。本プログラムの特徴は次の通りです。

1-2 .特徴

4種類の作図方法に対応

旋回軌跡図の作図方法は自動車規格 JASO Z 006 に定められている手書き法-A法、B法、プロッタ法-C法、作者オリジナル4通りを選択する事が出来ます。JASO Z 006 のプロッタ法-C法は車両メーカ自身が作成する複数の旋回軌跡図作成プログラム中で採用されている信頼度の高い作図方法です。

強力なメモリ管理機能による個数制限の撤廃

Windowsのソースコード内でも使用されているMicrosoft Foundation Class ライブラリ(以下MFC)の強力なメモリ管理機能を利用しているため「個数」に対する制限はほとんどありません。MFCによる単体プログラムであるため演算、描画とも高速に行われます。画面構成はMDI (Multiple Document Interface)を採用しているため、1つのプログラム内で複数の軌跡図を同時描画する事が出来ます。

作図対象とする車両の連結台数制限はありません。先頭車両(トラクタ)の後に何台でも被牽引車両(トレーラ、ドーリ)を連結する事が出来ます。またJASO Z 006に作図方法の記載が無いポールトレーラの軌跡図にも対応しています(作図方法は作者オリジナル)。

複数の線と円弧にて結ばれた「走行路」上を走るよう設計してあるため「単純旋回軌跡図」は勿論、「連続旋回軌跡図」が描けます。またこの走行路を構成する図形数に制限は無く、極めて複雑な軌跡図も書くことが出来ます。この走行路データは直接座標にて指定することも可能ですが、クリップボードを利用した他プログラムからの貼り付けの他に直接CADデータ(DXFファイル)を取込む事も可能です。

止りハンドル、クロソイドに対応

単純旋回時には進入側における「止りハンドル」、脱出側の「切り返しハンドル」に対応しています。進入側、脱出側とも実際の車両走行方法に極めて近いと言われているクロソイド走行にも対応しています。

4通りの旋回半径を指定可能

単純旋回時には最外車両半径  (Rw)、最外車軸半径  (Rs)、車両中心半径  (Rc)、前車軸中心半径(Ro)4通りの旋回半径を指定することが出来ます。連続旋回の場合は前車軸中心半径(Ro) による指定のみとなります

CADデータ取り込み機能を搭載

連続旋回軌跡図を作成する際に利用する走行路データは直接CADデータ(DXFファイル)から取込む事が出来ます

背景図CADデータ(DXFファイル)を読込む事が出来、本プログラム上で詳細なルート検討を行う事が可能です。

車両の図形データ(CADデータ[DXFファイル])を読込む事が出来るためいかなる形状の車両の軌跡図も描く事が可能です。これにより通常車両のミラー部やクレーンを積んだトレーラ、電柱を積んだトラックなど突起物のある車両の走行軌跡図も描画する事が出来ます。

積載物(または突起物)の設置が可能

走行させる車両に「積載物」を設置することが可能です(但し、車両図形データを取り込んでいない場合のみ)。この機能を利用する事により車両DXFデータファイルを用いなくてもクレーンを積んだトレーラ、電柱を積んだトラックなど突起物のある車両の走行軌跡図を描画する事が出来ます。ドーリ以外の車両に対して1台毎に積載物を複数設置することが可能です。設置する積載物の個数制限はありません

 その他

透過モード」を利用する事により本プログラムまたは他プログラムを透過させ、概略検討を容易に行う事が出来ます。

 

1-3 .動作条件

Windows98,2000,Me,XP(95ではテストしていませんが問題無いと思います)

 ※「透過」機能はWindows2000,XP以上のOSで利用可能です

 

1-4 .作図可能な車種及び連結状態

車種

単車(小型乗用車、トラック、バスなど)、トラクタ、トレーラ、ドーリ及びポールトレーラ用の荷台、トレーラ

連結状態

単車、セミトレーラ、フルトレーラ、ダブルス...(通常連結のであれば被牽引車両の個数に制限なし)。その他としてポールトレーラ

 

1-5 .作図可能な軌跡パターン

単純旋回

流入側:初期ハンドル角0°からの「単純円走行」、「クロソイド走行」または「止めハンドル発進走行

脱出側:最終ハンドル角0°に至るまでの「単純円走行」、「クロソイド走行」または「切り返しハンドル走行

旋回角度に制限はありません

連続旋回

旋回させる回数に制限はありませんので如何なる複雑な平面線形も処理する事が出来ます