ギャンブラーの破産問題①

競艇攻略講座の最初の題材はギャンブラーの破産問題です。競艇や競馬の攻略本にはまず載っいませんが、ギャンブルをするなら必ず知っていなければならないことです。

さてあなたがカジノに行って、自分とカジノが一回のプレーで勝つ可能性がそれぞれ五分五分であるゲームを見つけたとしましょう。実際にはそんなゲームはありませんが、かりにゼロの目のないルーレットがあったとして、そこで赤か黒のどちらかにだけ賭ければ勝ち負けの確率は五分五分になります。このゲームであなたは一回ごとに1ドルずつ賭けることします。時間を気にしないで、この方法で賭けつづければ、あなたの持ち金は一回につき1ドルずつ増減して、最終的には次の三通りのうちのどれかの結果に終わることが考えられます。

① あなたが破産する。
② カジノが破産する。
③ あなたもカジノも破産しないで永遠にゲームを続けることが出来る。

さてこのゲームはまったく公平なので、どちらも損も得もしないように思われます。だから答えは③番のような気もしますが、これは絶対にありえません。なぜならあなたもカジノも持っているお金には限度があるので、いくら公平なゲームといっても、いつかはどちらかのお金が無くなってしまい、ゲームを続けることが出来なくなるからです。

それでは公平なゲームなので①か②になる確率もまったく同じでしょうか。①か②になる確率は以下の式で求めることが出来ます。

d:ギャンブラーの資金
D:胴元の資金

ギャンブラーが破産する確率
①=D/(d+D)

胴元が破産する確率
②=d/(d+D)

さてこの式からわかるように両者が破産する確率は、それぞれの持っているお金によって決まることになります。それではこの式に実際に値を入れてみましょう。

ギャンブラーが最後に破産する確率
1 1 0.5
1 9 0.9
1 99 0.99
1 999 0.999

さて以上の結果から次のような結論を導くことが出来ます。

あなたが、あなた自身の資金と比較して大きな資金をもつ胴元とゲームをするとき、たとえゲームが公平で胴元の方が有利でなくとも、あなたが最後に破産する確率はきわめて高い。

このようなゲームを最後まで続けるときの期待平均回数は、ギャンブラーと胴元の注ぎ込む金の単位の積dDで求めることが出来ます。
100ドルをもつギャンブラーと1000ドルをもつ胴元が、1ドルの掛け金でゲームが決着がつくで行う場合の期待ゲーム数は、
100×1000=100000回になります。