今回は前回やったギャンブラーの破産問題を使って、人は競艇だけで生きていけるかという問題について考えていきたいと思います。
まず人が生きていくためには、1ヶ月に5万円は欲しいところでしょう。1年間で60万円を競艇で稼がなければなりません。競艇は競艇場と勝負をしているわけではないので、競艇場が払戻金を払いすぎて破産することはありません。
そこで60万円の資金をもった胴元と勝負をする場合を考えればよいことにしましょう。ギャンブラーは最初30万円の資金を持っていることとします。(この30万円というのはある所から出ています。)そして1回のレースで1万円を賭けることにします。前回のゲームのように勝てば1万円増えて、負ければ1万円減ります。競艇で1万円賭けて、勝ったときにちょうど払い戻しが2万円になるように賭けたと考えればよいでしょう。
前回の式を使って
①ギャンブラーが60万円を稼ぐ確率と、
②破産する確率を求めます。
p:ギャンブラーが1万円得る確率
q:ギャンブラーが1万円失う確率q=1-p
d:ギャンブラーの資金
D:胴元の資金
C=d+D
Rd:ギャンブラーが最後に破産する確率
Rd=((q/p)^C-(q/p)^d)/((q/p)^C-1)
p=0.375
q=0.625
d=30
D=60
C=90
計算の結果は以下のようになります。
①0.00000000000005
②0.99999999999995
それではギャンブラーはどれぐらいの期間、生きていけるかを考えてみましょう。
ギャンブラーが破産するまでの期待レース回数は、以下の式で求めることが出来ます。
d/(q-p)
=30/(0.625-0.375)
=120
だいたい120レースで破産することになります。
これまでの結果は生活費を一切考慮に入れていません。生活費を考慮に入れるとさらに厳しくなります。
※競艇は運だけを競うゲームではありませんが、これはすべて運だけを考えた場合の結果です。
結論
おそらく生きていけない。