何点買いがよいか

まずは前回行ったアンケートの結果です。

質問: 1レースで大体何点買いますか。(2連勝単式)

1点 4人 (11%) *****
2点 5人 (14%) *******
3点 10人(28%) **************
4点 5人 (14%) *******
5点 6人 (17%) ********
6点 5人 (14%) *******
7点 0人 ( 0%)
8点 1人 ( 3%) *
9点 0人 ( 0%)
10点 0人 ( 0%)
11点以上 0人 ( 0%)

多くの方にアンケートにご協力頂きましてありがとうございます。さてアンケートは以上のような結果になりました。3点が一番多くそこから正規分布ふうに広がっています。このように競艇では3点前後買うのが大体普通の買い方だと思います。それではそれが果たしてベストな買い方なのでしょうか。

巷には数多くの競艇の攻略本がありますが、何を買ったらよいかという事は色々書かれていても、何点買ったらよいかという事が明確に書かれているものは私の知る限りありません。もちろん攻略本を書いている人も何点買うかというのは大体決まっていると思うので、例えばこの予想で3点買いますとか10点買いますなどと書いてあります。

またSGのテレビ解説に出ていたスポーツ新聞の記者が、初心者の芸能人に、「4点ぐらい買うのがいいですね。」みたいなことを言っているのが聞いた事があります。確かにスポーツ新聞の予想は4点になっています。それではなぜ3点や4点、10点がよいのでしょうか。

私は以前インターネットで有料(1節10万円ぐらい)で予想をしているサイトで、次のようなことが書いてあるのを見た事があります。「3~4点買いがいいです。なぜなら1点では当たらないし10点では儲からないから。」一見もっともらしい説明ですが、それでは3~4点だとよく当たって、すごく儲かるのでしょうか。

では何点買いがよいかということついて考察していきましょう。以前「期待値について」という話題で平均以上に勝つためには、当たりそうな舟券を買うのではなく、期待値の高い舟券を買うのがよいという話をしました。そこで何点買えば期待値が高くなるのかについて考えていきましょう。

期待値はその舟券の来る確率と払い戻し金を掛ける事によって求めることが出来ます。例えば1/10(0.1)の確率で来る舟券があったとして、その舟券のオッズが10倍で、もし100円賭けるならば払い戻し金は100×10で1000円となり、期待値は0.1×1000で100円になります。また数点買った場合の式は以下のように表すことが出来ます。

確率  P
払戻金 V

期待値=P1V1+P2V2+P3V3+・・・・・・

それでは次のような問題で考えていきましょう。
以下のような確率とオッズの舟券があったとします。1レースで3000円賭ける場合、期待値はそれぞれどのようになるでしょうか。

舟券①
確率  0.2
オッズ 6倍

舟券②
確率  0.1
オッズ 10倍

舟券③
確率  0.05
オッズ 16倍

問題①
それぞれの舟券を1点のみ買った場合
問題②
3点のうち2点買う場合
問題③
3点全て買う場合

それでは解答です。

問題①
1点買いなので3000円を1点に全て賭けます。
舟券①
期待値=
0.2×6×3000=3600円
舟券②
0.1×10×3000=3000円
舟券③
0.05×16×3000=2400円

問題②
2点買いなので1500円ずつ買います。
舟券①と②
0.2×6×1500+0.1×10×1500=3300円
舟券①と③
0.2×6×1500+0.05×16×1500=3000円
舟券②と③
0.1×10×1500+0.05×16×1500=2700円

問題③
3点買いなので1000円ずつ買います。
舟券①と②と③
0.2×6×1000+0.1×10×1000+0.05×16×1000=3000円

それではこのままの数値ではわかりにくいので、100円あたりの期待値も考慮に入れてそれぞれ比較してみましょう。

まず一番期待値が高いのは舟券①を1点で購入した場合です。期待値は3600円で100円あたりの期待値は120円になります。つまり同じような舟券を買い続けると、回収率は120%ぐらいになるということです。

次に高いのが舟券①と②を購入した場合です。期待値は3300円で100円あたりの期待値は110円です。

次は同じものが3つあります。舟券②のみを購入した場合、舟券①と③を購入した場合、舟券①と②と③の全て購入した場合です。期待値は3000円で100円あたりの期待値は100円になります。

次は舟券②と③を購入した場合です。期待値は2700円で100円あたりの期待値は90円です。

最後が舟券③のみを購入した場合です。期待値は2400円で100円あたりの期待値は80円です。

期待値が1番高いのも1番低いのもそれぞれ1点のみ購入した場合になりました。また複数購入すると期待値はそれぞれ単独で買った場合の平均値になります。

以上の事から次のような結論を導くことが出来ます。
買う点数を増やせば増やすほど期待値は平均に収斂していき、よって回収率も平均に落ち着く。

競艇には有名な「蛭子買い」(蛭子さんのように1レースに10数点も買う方法)というのがあります。蛭子さんは平均以上に負けているイメージがありますが、先ほど導き出した結論から、蛭子さんの成績はまさに平均的であるということが推定されます。

競艇では控除率が25%ありますので買い目を増やせば増やすほど回収率は75%に落ち着いてきます。ということで、もし平均(回収率75%)以上勝ちたいならば、出来るだけ買い目を減らす=「1点買い」がいいということになります。

ただここで気をつけなくてはならないのは、買い目を増やせば増やすほど平均以上負けやすくなるのではなく、一番負けやすいのも同じく1点買いであるという事です。期待値の低い舟券を1点で購入し続けると平均以上負けることになります。逆に期待値の高い舟券を1点で買い続ければ平均以上勝つことが可能になります。