いっちゃうような気がして,匂いかいだんだ。そしたらね、やっぱりいっちゃた匂いがした。ぼくはね、すこし、迷ったんだ。だけどね、やっぱりやっぱり,行くことにした。ぼくはね、誰にもきずかれないように、こっそりこっそり進んだんだ。外はね,赤かったよ。その真っ赤な空のなか、ぼくはずっと走った。ずっとずっと走った。あ、いた。あのこだ。 「ウォン!」 こえを振り絞った。そしたらあの子はふりかえって、わらってくれた。ぼくの「さよなら」は、この子の「BEY−BEY」と一緒に置いてきた。 作/ハムス