その頃、フェイは浴室でシャワーを浴びている。髪を洗い、体を洗った後で、バスタブに入ろうとしたその時、
「………?!」
思わず目がテンになった。
バスタブになんと小さな小さな象が水浴びしているのではないか。
その後フェイは体をブルブルと震わせて、
「ちょっと冗談じゃないわよっ!」
ブラシを片手に攻撃しはじめた。
一方、デッキでエドがアインを枕にして寝ている。枕にされているアインは迷惑しそうな顔をしている。
その時、アインの耳がピンと立てながら、起き上がろうとする。だが、エドの重い頭からなかなか離れられない。
スパイクとジェットが川から這い上がって、着替えを用意してから洗濯スペースへと急いだ。
「ブェクシュン!」
ジェットがくしゃみをした。
「ジェット」
「何だよ、スパイク?」
「見つかったら塩ふって食ってやる!」
「まだ言ってる」
アインは腹に力を入れ、床を引きずりながら、エドの頭から離そうとしている。
ゆっくりと時間をかけて、ようやくエドの頭から離すと、
ゴツンッ!
鈍い音を出しながら、床にぶつける。
「いったい、いたい、いたい、いたい、いたい…」
エドが頭を抱えながら起き上がった。
アインはワンワンと吼えると、
「ん?どったの、アイン?」
エドが問うと、アインはドアの前に走って、唸りだす。
「えっ?あけてほしいの?」
作/平安調美人