Memory

 賞金首を捕まえたおれ達がビバップ号に帰った途端、通信が入った。ビバップ号に通信が来るなど、こいつらと別行動をとってる時以外、借金の返済の催促しかないのだ。それも、今月は滞納済みだ。…あのビデオマニアめ・・・と思いつつ、おれは通信機の前に座った。
 「弁償しろ!このやろぅ!」
 「…いくらだ…?」
 「え〜となぁ、10万とんで3000ウーロンだな!」
 「……。」
 おれは、その金額は高くないと思った。毎晩、レム睡眠のたびに起こされるのに比べたらむしろ安かったかもしれない。なにせ、今、手元には現金で320万ウーロンあるんだからな。

 ビデオマニアのとこについたとき、奴はまた妙な物を持っていやがった。円形の赤い薄っぺらいシートのような物だ。
 「おい、そのシートはなんだ?」おれが聞くと、一緒についてきていたエドが叫んだ。
 「あ〜!ソノシートだ〜!」
 「お!なんだそこのガキ!ソノシート知ってんのか!」
 「うん。エド、ソノシート知ってるよ。」
 「で、結局そのシートはなんなんだ?」
 「だから〜、ソノシートだって!」
 「ったく。いいかもう一度言うぞ。そのシートはなんだと聞いてるんだ。」
 「コノシートは、ソノシートだってば!」
 「…???」
 エドは前からだが、ビデオマニアもどうやらちょっとおかしいようだ。こういうのとは、長くかかわらん方が良いに決まってる。さっさと金を置いて出ちまおう。

 「一体あのシートはなんだったんだ?」
 「だから〜ソノシート〜音楽音楽〜。」
 …?やっぱりエドはわからねェ…。

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作/りゅういち

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