はじめに
 .NET Framework は、XML Web サービスとアプリケーションを構築、配置、実行するための .NET プラットフォームのプログラミングモデルを提供してくれます。といってもよくわからない 方にはわかりません。もっとも単純に述べると、「新しいプログラミング環境と、その動作環境」 だと思います。共通言語ランタイムと膨大なクラスライブラリから構成されており、迅速かつ簡単に 信頼できるアプリケーションが開発できると思われます。(”〜と思います”が多いのはご勘弁を(^^;) .NET Framework の詳細については他のホームページで詳しく説明されている方がたくさんいらっしゃいます から、そちらをご参照ください。


開発環境
 .NET Framework アプリケーションの開発には次のいずれかが必要です。

   1.「Visual Studio .NET」またはそれに含まれる各種言語の単品パッケージ
   2.「.NET Framework SDK」
   3.「.NET Framework」

 これらのいずれかがあれば .NET Framework でのプログラミングができます。 「1」の場合はお店で購入してください。結構高いです...。学生さんはアカデミックパッケージの 「Visual Studio .NET」をお奨めします。無料でプログラミングをしたい方は「2」か「3」です。 「2」の SDK には各種ドキュメント、サンプル、ツール、コンパイラが含まれます。ただし、 Windows XP, Windows 2000, Windows NT 4.0 でないといけません。「3」は再頒布可能な パッケージ、つまりランタイム環境で、Windows XP, Windows 2000, Windows NT 4.0, Windows 98, Windows Meで動作します。「3」は開発環境ではないのですが、コンパイラが含まれていたので 開発も可能です(Windows Me で動作確認しました)。「2」「3」はMicrosoftのホームページから ダウンロードできます。
 「Visual J#.NET」は後からリリースされました。これを使いたい場合はMicrosoftのホームページ からダウンロードしてください。「1」「2」「3」すべての環境で使えます。

備考:
 .NET Framework のアプリケーションは Windows 以外でも開発・実行できます。 対応している環境は FreeBSD、Mac OS X と Linux です。
 FreeBSD、Mac OS X ではシェアードソースCLIインプリメンテーションによって環境が提供されます。 CLI(Common Language Infrastructure:共通言語基盤)およびC#言語は標準化団体ECMAに承認され ました。CLI は事実上の .NET Framework のサブセットです。この環境を整えれば FreeBSD、Mac OS X でも .NET Framework アプリケーションが開発できます。
 Linux では Mono という環境で .NET を実現できます。Mono では VB.NET のコンパイラも準備 されているようです。私は Redhat Linux 7.2 + Mono で C# の動作を確認しました。
 シェアードソースCLIインプリメンテーションはMicrosoftのホームページからダウンロードできます。 Mono は「http://go-mono.com/」からダウンロードできます。


コンパイルの仕方
 「Visual Studio .NET」では説明はいらないと思いますが、「.NET Framework SDK」でコンパイル する方法を簡単に説明します。
 まず、.NET Framework の場所ですが、「C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v1.0.3705」です (環境やバージョンにより位置は異なることがあります)。ここに環境変数を通してください。
コンパイラの名前は VB.NET が「vbc.exe」、 C# が「csc.exe」、 JScript が「jsc.exe」です。 基本的にはコマンドラインから「vbc filename」、「csc filename」、「jsc filename」で コンパイルができます。説明が簡単すぎますが、そんな感じです。(^^;


.NET 環境での開発
 .NET Framweork は VB.NET, JScript などの言語も使えますが、C# を基本として構成されています。 私は今まで主にVBを使っていたこともあり、.NET Framework での開発は VB.NET を使おうと思って いました。が、VB6 と同様の関数等が使えても、.NET 風のプログラムをしようと思うとすんなり いきません。VB6 と VB.NET は別物だというのが感想です。VB.NET に従来の関数等があっても、 .NET Framework にも同様な機能を提供する関数等が含まれていて、そちらを使うことが推奨されて います。VB.NET は基本文法が VB であるだけです。なので、素直に C# を使うことにしました。 GUIの開発を行うには VB.NET の方が使い慣れた感じがしますし、大文字小文字を定義した通りに 自動変換してくれる環境(Visual Studio .NET のエディタ)は C# より VB.NET の方がいいことも ありますが、私は .NET Framework の勉強は C# で行いました。