GOOD GOGGO

第一回 ゴッゴモビルとは

 敗戦直後の旧西ドイツでは、飛行機製造を禁止された戦闘機メーカーや、一獲千金を目指した農耕機具メーカーなどが、小さなクルマの小さな市場でしのぎを削っていた時期があった。それらはやがてビートルにとって替わることになるのだが、いまでも多くのクラブが存在し、活発な活動が行われていることを御存じの方は、果たして日本にどれくらいいるのだろうか。
 代表的なモデルの名を挙げると、ここで取り上げるゴッゴモビル、メッサ−シュミット、イセッタ、フルダモビル、ハインケルなど、数え切れないほど存在する。


GOGGOMOBIL LIMOUSINE
 さて、ゴッゴモビルという名前を聞いたことがある方はあまり多くはないだろう。日本でその名前はほとんど知られていない、マイクロカーのフェアソ−プみたいなクルマだ。という訳で、まずはその成り立ちや登場背景などを書いていくことにする。
 ゴッゴモビルが製造されたのは、工業の街ミュンヘンから60マイル程東の街、ディンゴルフィングのグラ−スという会社である。グラ−スは、古くから農耕機具メーカーの老舗として名が知れており、戦後の大衆の足として自動車を作り始めた。
 この頃生まれた「大衆の足」というのは、自動車とは言ってもバイクの延長みたいなものが多く、多くは3輪か、4輪であってもリアのトレッドが極端に狭いものが多かった。もちろん、その中にもメーカーのこだわりはあらわれていた。こだわりの片鱗さえ感じられない最近のマークIIの大変身振りを見ると、自動車とはつくづく面白いものだと感じる。
 このゴッゴモビルもそうであったかと言うと、そうではない。立派なセダンボディをもち、「大型車の忠実なスケールダウン」と揶揄される程だった。エンジンこそ2ストをリアに置いたが、大きさに比べてキャビンは広く、元気の良い走りを披露したと言う。

 イラストのセダンボディの他に、アルファロメオ似のクーペボディや、小粋なバン、オーストラリアで生産されたプラスチックボディの「ダート」などが作られた。グラ−スは、その後中型車市場への参入を試みるが、経営悪化から1969年、BMWに買収されてしまう。
 次回は、ゴッゴモビル陣営の主力モデル、Tシリーズについて書きたいと思う。興味のある方は、<www.goggomobil.com>へアクセスしてみよう。

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