事件を推理する



世田谷一家惨殺事件

東京、世田谷区で一家が惨殺され、お金も盗まれた事件が起きた。

犯人は、柳刃包丁を持ち込み、犯行後、血痕・指紋、トレーナー・ハンカチ・手袋、靴跡など多くを残し逃走した。また、書類を調べた形跡が残されていた。

包丁を持ち込んだということは、計画性が感じられる。もし、完全な計画犯罪だと仮定すると、残留物はフェイクであることになる。トレーナーやスニーカーが数の少ない商品であることから、盗品である可能性が高い。包丁を用意した犯人が、わざわざ稀少な商品を証拠に残して逃走するはずはないだろう。

血液はどうするか。果たして、人間の血液だったのだろうか。猫など動物のものかもしれない。よしんば人間の物だとしても、手に入れる方法はある。医師や看護婦なら簡単だろうし、献血に行けば担当者のすきを見て盗むことだってできるだろう。ひょっとしたら何処か闇で売っているかもしれない。

これらのことから、遺留品は信用してはならないことになる。

犯罪者は自らの犯罪を隠そうとするものである。通常はアリバイを作り逃れようとする。しかし、犯罪者の心理として、現場から心が離れず、戻ってしまうのである。また、他人を犯人に仕立てることもある。もっとも有効なのは、すぐに偽装とわかる形で、自らに一旦疑いをかけることだという。証拠から犯人と疑われ、逮捕されてから一応の疑いが晴れ、釈放されれば、同一案件での再逮捕はできないからである。

トレーナーは韓国製であるが、韓国製は多く輸入されているから、韓国人とは限らない。靴跡は28センチだったし、トレーナーも大きなものだった。いかにも、犯人は大男であると印象づけようとしている。ということは、小柄な犯人であることが想像できる。靴跡は本当の靴を履いたまま履いたカバーだったのではないだろうか。推理小説にもあった記憶がある。

殺害方法には犯人の感情が反映される。何度も傷を負わせるのは恨みの強さであり、単純な殺人を目的としていないことを意味する。頭頂部を包丁で刺すことは殺害方法としては異常である。頭蓋骨は硬く、殺害には不向きだからだ。簡便な殺害なら頚動脈を狙うはずである。取り押さえられて、手が上に上がっていたのだろうか。もしくは、頚動脈などの知識がない年齢なのかもしれない。

書類を探したような跡は、犯行が夫に関連のあるものだと印象づけるためであるし、お金を盗んだのは、物取りだと印象づけるためのものである。状況を多く作り、捜査を混乱させるためのものであるのは明らかだ。ひとつに絞らなかったのは犯人のミスで、すべてがフェイクだと言っているようなものなのだ。

したがって、犯行は怨恨(夫以外が対象)によるもので、顔見知りの小柄な少年が犯人だと推理する。何か別の犯罪(万引きなど)を見られたか、いたずら(性的な?)したのを隠すためかもしれない。



筋弛緩剤注入殺人事件

この件は、犯人とされる容疑者が逮捕されている。

しかし、容疑者は犯行を否認している。

ふと、犯人ではないのではないかと思った。

容疑者が犯人ではない場合を考察してみよう。

病院への恨みから患者を殺害することは考えにくい。いや、犯人が女性ならあるだろうが、男性は直接攻撃に出るのが普通である。例えば、母親への恨みから子供を殺害した事件があったが、犯人は女性であった。男性なら、恨みの対象本人をまず殺害するはずである。男は単純で直接的あり、女は自分中心に思考し間接的である。男性でも若年では後者の傾向が見られるが、容疑者の年齢では少ないだろう。子供を対象にするのも、真犯人が女性か少年であることを示唆している。また、毒殺も比較的女性に多い犯行である。

はたして入院患者の容態が急変して容疑者にメリットがあるだろうか。病院によくない噂を立てるためだとしたら、もっと徹底して犯行に及ぶだろうし、事件発覚後に否認するとは考えられない。それに、点滴により急変させるだけなら、塩を入れるだけでもできるのだから、わざわざ筋弛緩剤を使用することも不自然である。血液の塩分濃度が変わると浸透圧が変化し大変だが、後で検査されても、全身に吸収された後では塩分濃度の違いは検出できないだろう。手近なもので証拠を残さずいくらでも犯行可能である。酔っている急患なら、ほんの少しの消毒用アルコールでもいいだろう。殺人ではなく、具合が悪くなるだけでいいのだから、いくらでも証拠を残さず犯行可能なのである。OLが上司のお茶にいたずらするのと同じくらい簡単なのだ。

医療ミスでいろいろなものが注入されるが、病院関係者ならそんな事件にも敏感だったに違いない。専門知識があって、薬品が自由になるとすれば、本件の行為は不自然過ぎる。もし、病院を困らせるなら、手術直後に筋弛緩剤を点滴して、医師が問題になるようにするはずである。手術中に筋弛緩剤を使用したならなおさらである。術後は点滴をしていることが多いし、使用した薬剤が検出されるのは当たり前なのだから。

では、メリットは誰にあるのだろうか。病院は火の車だったという。筋弛緩剤という手術にも使用する薬剤で昏睡を作り出し、入院を長引かせ、あるいは助けることができれば名医と言われるかもしれない。そう、経営側から見るとメリットがあるのである。

通常犯行は隠そうとするものだから、自分の行為により容態が急変するような犯行をするはずがないのだ。彼は犯行を否認しているのである。もし犯人なら隠したことだろうから、彼により急変することがあると証言した人間こそ怪しいのではないか。退院の朝、点滴をすると、退院できなくなり、それだけ収入が増えるのは病院なのだ。容疑者のメリットはひとつもない。自動車学校で生徒が少ない時期には、なかなか卒業させてくれないが、混んでいるときは次を入学させたいから、すぐに卒業させてくれるのと同じである。

病院に薬剤師が不在だというが、薬事法に違反してまで薬剤師を置かないことがあるだろうか。発覚すれば問題になるのは病院経営者なら知らないはずがない。ということは、それ以上のメリットがあったのだろう。つまり、薬品を自由に使えるようになるのである。

筆者の結論は、問題があるため明言しないが、以上から推測していただきたい。ただ、容疑者が実行犯の可能性も残るし、真犯人から真相を知らされず注入していたのかもしれない。また、悪いようにはしないからと、真犯人の身代わりにされたのかもしれない。

なお、これらは単に、一般論をまとめたものである。



幼児関連事件

幼児が車に置き去りにされ、熱射病などで死亡することがある。

幼児がベランダから落下することがある。

幼児だけになった家が火事になり焼死することがある。

これらは殺人である。

虐待し、怪我をさせたり、死なせたりする事件も多発している。

アメリカなら、幼児を置き去りにしただけで犯罪なのだ。ここは、日本でアメリカじゃないからという人もいるだろうが、だからいいのだと言い切るつもりだろうか。

子供のために自分を犠牲にするのは親の務めである。しかし、親のために子供が犠牲になる必要はないのだ。親がパチンコをする間に熱射病で死ぬために生まれてきたのでは断じてない。

目を離したすきにというのは親の都合だけである。子供は何をするか解らないし、行為に対する責任もないのである。ベランダに近づいたら危険だと解るのはかなりの年齢になってからだろう。成人式をまともにできないご時世だから、20歳ではまだそれが解らない者もいるかもしれない。なのに、その年齢で子供を産んでしまうのである。

逆説的に言えば、そんな親のDNAは不要だから死んでいくのかもしれない。一種のアポトーシスと言えるだろう。

自然界には虐待は殆どない。我が子を食べることはあるが、それは生き延びて次の子供を産むためである。獅子は子殺しをするが、次の生殖のためである。メスは子供がいると発情しないから、子供を殺すことによって自らの遺伝子を残そうとするだけの行為である。

情がなくなれば人間でもなくなるのだろうか。




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