CGアイドル



CGアイドルの存在理由

CGによるより人間に近い形状のアイドル(候補含め)がコマーシャルや番組に出てくることが多くなった。すべては若い女性の形状である。

歯磨きのコマーシャルにCGの女性が使われたり、深夜に占いをやっている(NaNa)のもある。写真集を出したCGアイドルもいたが、あれはCG集でしかないと思うのだが。

アニメの女の子がアイドル化するものは以前からあった。「うる星やつら」「セーラームーン」「エヴァンゲリオン」などである。いわゆる「おたく」のご贔屓と重なる部分が多いようである。

いずれにしても2次元アイドルであるため、正常ではないように思われるのであるが、そういう人は短絡的すぎると言わざるを得ない。「優香」というアイドルは正月番組に出まくっていた。これは人気があるために他ならない。事務所の力や裏の人間関係だけではあれほどは出演できないだろう。なぜ、人気があるのだろう。

彼女は3次元に実在していると思われる。なぜ、そういうかというと、実物に会ったことがないからである。テレビでしか見たことがないということは、2次元的に電波を通してしか知らないのだ。その点で、他の2次元アイドルやCGアイドルと大差ない。ただ、現実に合える可能性も無くはない点だけ違っている。結婚できる確率も、0.000000001%以上を保証できる。

では、なぜ人気があるのだろう。それは「かわいい」からに他ならない。

最近は「奇妙である」ものを「かわいい」というらしいが、平安時代に「いとをかし」が「非常に趣がある」だったのに似ている。それはさておき、かわいいものは何だろう。小さな物をかわいいという場合がある。動物でも人間でも、赤ちゃんは大抵かわいいと感じる。見た目、泣き声、しぐさなどに感じるが、しぐさでいえば、人間に似た行動を特にかわいらしく感じる。アライグマやレッサーパンダが物を掴んで食べているとかわいい。幼児もよちよち歩きなど、人間らしい行動を始めると、一層かわいらしく見えるのである。

こういう発言を聞いたり言ったことはないだろうか。犬を見て「かわいい、ぬいぐるみみたい」とか、子供、特に女の子を見て「お人形さんみたいにかわいい」などである。これらは、ぬいぐるみのようだとか、人形のようだということになるのだが、「〜のようだ」という比較ではぬいぐるみや人形の方がかわいいという前提がある。なぜ、ぬいぐるみや人形の方がかわいいのだろうか。

これも答えは簡単である。かわいらしく作ってあるからなのだ。

2次元アイドル・CGアイドルもそうなのだ。かわいらしく作るからかわいいのである。人間と同一視してではなく(人格は想定するだろうが)、ぬいぐるみと実犬のような関係である。ぬいぐるみや人形が好きとういのは女性に多いだろうが、それと同じ現象なのである。

現実の女性よりいいという人はほとんどいないだろう。それでもCGアイドルに向かうのは、現実にそれほどの女性が近くにいないためである。それは実在のアイドルでも同じである。「優香」が好きだという男性は何千万人かいるだろう。そのうち、本当に結婚しようと行動を起こしている人はかなり少なく、1万人はいないだろう。まして、本当に結婚できるのはひとりか、多くて数人である。CGとの差は誤差程度に過ぎない。

現実よりかわいいアイドル、田島先生が怒りそうだが、より多くの人をひきつけるために作られたのが、CGアイドルなのである。



CGアイドルの未来

数年前、バットマンの映画でCGのバットマンが使われた。バットマンが空を飛び、地上にすっくと立ち、歩き去る部分で問題が起きた。空を飛ぶのは、本当のバットマンの役者にはできないが、歩くことはできる。歩く部分をCGで作ることは、役者の仕事を奪う行為であるというのである。

恐竜や宇宙人がCGなのはもはや当たり前である。詳細に作りこまれたディテールは、実写に近いものがある。本物の恐竜や宇宙人のようだ。実物は見たことはないが、そういう説得力を持っている。

コンピュータのハードとソフトの進化により、実写とCGとの境が少なくなって来ている。動作もモーションキャプチャーを使えば、人間そのものの動きが再現できるのである。この手法は新しいものではない。かつて、アニメが漫画動画だった頃、実写フィルムからセル画を起こした作品もあった。当然動きは役者そのものである。山田五十鈴さんが元の実写に参加したものが有名である。人間の作業をCGで、どこまで代替していいのかが問われることになるのである。

見た目、動きときて、残りは声である。声優というジャンルがある。かつて故 山田康夫氏(ルパン3世など)は、声優と呼ばれると「おれは、スーパーマーケットじゃない」と嫌がられたそうであるが、今や花形と呼んでも差し支えない職業のひとつである。だから素材は多い。本人の声ではないと批判されるかもしれないが、コマーシャルなどで声を吹き替えたアフレコであることもあるし、外国映画やドラマの声はアテレコである。なお、かわいいと感じる声は高い声であるという。日本男性は高い声を好むから日本女性は声が高いそうである。外国映画と邦画を比べていただきたい。なお、最も簡単に比較できるのは「あえぎ声」である。

日本のアニメは世界的に評価が高い。内容もあるだろうが、そのかわいらしさも重要なポイントであり、ゲームの世界でも日本製の18禁ゲームは人気が高い。かつては、PC-9800シリーズをそのためだけに購入していく外国人もいたそうである。Windowsになって嬉しかったに違いない。そういうCGを扱ったサイトもある。なお、実写でも肌の色や髪の色による分類がされる海外でも、日本女性はひとつの確固たるジャンルになっている。

CGはまだ進化するだろう。それに伴ったアイドルが出現するのは当然である。アニメ大国日本が、日本的かわいらしさを表現するだけで、世界に通用するアイドルを生み出すことが可能なのである。マーケットと経済効果は大きいし、不平不満を言うこともない。コンピュータが合成したアイドル(人格)が出てくるアニメや映画がある。確か、マクロスの続編にあったような気がするし、SPEEDの映画もそうだった記憶がある。どちらも見ていないので確証がないので間違っていたらお許しいただきたい。それが、現実になるのにそんなに時間はかからないだろう。

ドラマなどに進出するようになると、共演者は大変だろうか。怪獣がいなくても演技しているし、最近はCG合成の映画だって多い。幽霊やウサギのCGが実写と変わらないくらいの女の子に替わるだけの差でしかないのだ。

そう遠くない未来の話である。




トップページへ