深読み時事通信 3/13



政治家と国民は更に離された

民主党を中心に森降ろしが盛んになっている。

支持率が一桁である森内閣を否定するのは簡単である。

どの党も参院選を睨んでの動きであり、自民党をはじめ保守党・公明党でも森総理では選挙が戦えないといい、野党は自分たちに有利であると考えている。

国民はバカではない。

与党でも、扇大臣のように信頼され指示されている人もいるし、野党民主党でも、その自民党攻撃に辟易する人だっている。鳩山氏は民意を代表しているように振舞っているが、見た目や発言は悪役に映ってしまう。

現在の不況のことや、日本の将来について、引き合いに出すことはあっても、建設的意見を言ってはいないのである。首相の首を挿げ替えても何も変わらないのが目に見えているのだ。

経済の方向を決定するはずの宮沢氏に至っては、無責任などという生易しいものではないのである。本来なら、宮沢氏を更迭し、その任命責任を森総理に問うくらいのレベルであるのに、森総理の辞任問題に隠れてしまっているのである。

もはや、自民党だけの問題ではなく、その動きに乗ってしまった野党も同罪なのである。

政治不信は今に始まったことではないが、野党も与党も信じられなくなったのは、森総理ひとりのせいとは言えないのだ。自民党も酷いものだが、野党だって酷いのである。国会議員は国民の代表ではなく、選挙に勝ちたいだけの人達なのである。

こんな国会はいらない。



自民党次期総裁も国民を甘く見ている

森総理を担ぎ出した人達が、党の中での実力者なのは当然である。その人達が総裁候補として出てくるのも、また当然のことなのだ。しかし、それでは選挙に勝てないという。どうやら、自民党の偉い人達は、自分が国民から嫌われていることを知っているらしい。

そこで野田聖子議員の名が挙がる。

若い(40歳)、女性を総裁としようというのである。

年齢や性別には問題があるというのではない。筆者は扇大臣や田中真紀子議員が総理大臣になればいいと思っているし、40歳台というのも同世代として大歓迎である。しかし、その裏が見えると、国民をバカにしていると言わざるをえないのだ。

つまり、金権政治はベテラン議員に多いから、若い人はそんなに汚れていない印象を与えるし、女性であるから、女性有権者からの票が増えるだろうというのだ。もちろん、若い女性を傀儡として、あるはお人形として使いこなすことくらい、永田町の古だぬきには赤子の手を捻るくらい造作もないことなのである。森総理を操作するより、簡単だし見栄えもいいくらいにしか思っていないだろう。

それに、選挙管理内閣として9月までの任期である。うまく選挙が乗り切れれば、禊を済ませたとばかり、偉い古だぬき達が総裁の椅子を奪い返すのもお約束である。

だから、若いから世代交代だとか、女性だからとかと思ってはならない。単にそれを利用しているだけなのである。

ここは、そんな姑息な手段に訴えず、正々堂々、野中氏あたりで国民の審判を受けるべきだろう。

自民党の党員は年会費3000円で、総裁選の選挙権を与えられるが、その重さは議員の1万分の1である。国会議員が総裁を決めて投票してしまえば、党員がいくら別の人に投票しても敵わない仕組みなのである。そんなことに3000円も払う人がいるのも理解できない。今回の件で、自民党員は激減するに違いない。

森総理自身は死に態ではないらしいが、自民党は死に態である。宮沢さんは日本経済は崩壊寸前だと言ったが、日本の政治は崩壊し始めているのだ。



IT革命はどこへ

ITをお題目に唱えていたのはつい最近である。

高速のネット網を整備するというのだが、やはり何も解ってはいないようだ。ハードウェアの整備はソフトウェアがあってこそなのである。

インターネットやメールができるだけなら、それに興味がなければ導入しないだろうし、そんな不要な物のために大金を使うことはないだろう。まして、公金により整備しようということもない。

映像や音楽を配信したとしても、今後衛星放送が発展すると、それらはインターネットで送る必要はないのである。

アメリカがIT景気だったため、日本もそれに続こうとしたのだろうが、既にアジアの中でも日本はネット後進国になってしまった。株価平均の算出銘柄も、IT関連を増やして見た目だけ高くなったようにしようとしたが、ITが萎んだため、バブル崩壊時より安く出てしまっている体たらくである。

西川きよし議員はお年よりや障害者の不在者投票の改善を訴えられているが、ITを使えば簡単にできるのである。

ITのソフトウェアは、情報を送るものではなく、意見を集約するようなものでなければならないのだ。送るだけなら電波でいい。唯一インターネットが電波と違うのは、違法なものも送れるという点だけである。衛星放送や有線放送でもオンデマンド化が進んでいるのである。また、目安箱のようにメールで意見を集めるだけでも意味がない。反映されなければ意味がないのだ。例えば、国会での国民の意見投票に使ったり、総理大臣の指名選挙や不信任案決議に使えばいい。メール自体、相手の事情によらず送れるという利点はあるが、伝わったか否かは判らない。官邸に抗議のメールを出しても、総理の目に触れるべくもないのだ。その点、電話は相手が自分のために時間を割いて会話してくれているし、意見も直接言えるのだから、「ブッチホン」は優れていたのである。

国会の投票を機械式にしたことがあった。自分の席で投票したら、瞬時に数が判るものだったのだが、すぐに廃止された。理由は時間がかからな過ぎるからだという。牛歩戦術も使えないのは投票には不向きらしい。そんな人たちにITの利用を考えろというのは酷である。

ITに出遅れた日本は経済再建は相当困難が予想される。戦後、日本が復興・発展したのは、アメリカの占領により経済を支援され、輸出も規制が緩く行えたためである。もはやアメリカが経済的に支援することはありえないのだ。




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