皇室−天皇の皇位継承



天皇の歴史

天皇は神武天皇以来、今上天皇(きんじょうてんのう:現在の天皇のこと)まで受け継がれた地位である。

とはいえ、実際は最初のおそらく9代ほどは神話の色合いが濃く、史実であるかは不明である。天皇(すめらみこと)をして現人神(あらひとがみ)であらしめるための創作であろう。

南北朝などあったにせよ、その系統が今日まで続いてきたことは確かであるし、歴史上も非常に重要な事柄であることに異存はないだろう。

その現在の地位は、"国民の象徴"である。

これはGHQの考えであり、配慮であった。

"A級戦犯"を作り上げたのが、本来一番の戦争責任は天皇(昭和天皇)であり、"A級戦犯"となるはずだった。

しかし、日本が戦争で疲弊・荒廃した中、多くの人のそれまでの心のより所であった天皇を処罰し失うことは、更なる反発を生み、日本を占領統治するのに困難になると思ったのである。

そこで、"象徴"として存在を許し、人間天皇として日本の再建のための象徴としたのである。

なお、天皇は日本国民ではない。

国籍は日本と言って差し支えない(戸籍はないが、日本で産まれ、他に国籍が定かでないため日本人といえる)だろうが、国民ではないのである。

人民(臣民)という言葉があるが、これは人(臣)と民で、人とは藤原氏や源氏など貴族層(苗字があるのは臣下で、天皇に苗字はない)であり、民は民百姓(明治まで苗字がなかった)のことである。なにしろその頃、天皇は人でもなく神だったのだから。

天皇(皇室・皇族)は日本国民ではないため、日本国憲法の保証するお国民としての権利も有しない。

もちろん、日本の法律を遵守されており、納税もされている。



象徴天皇

象徴となり、実権を握ることはなくなった。

なにしろ、どんな国民(塀の中を除く)でも年齢(とお金・・・)さえ適合すれば選挙に立候補できるが、皇族はそれもできない。

もし立候補すれば、当選確実なのだが、それができないのである。

明治の最初からそうなのだが。

そして、もちろん、プライバシーはほとんどない。

いわゆる自由すらないのだ。

言論の自由、職業選択の自由、宗教の自由、そういう憲法で保障された自由すらないのである。

食べ物の好き嫌いを言えない。例えば、「アボカドは嫌い」などとは言えない。

テレビ番組の批評もできないし、まして首相や大臣の批判も、具体的な国のあり方すら口にできない。

愛子内親王の皇位継承権を2位にしてくれなど、思っても言えないのだから面映いこと甚だしいこと察するに余りある。

日本国民の象徴であり続けるのも大変である。

よく考えると、そういった国民の自由というのも、戦後の新憲法からであり、その自由と思っているものも、アメリカやヨーロッパ諸国のような自由とは異なるのだから関係ないのかもしれない。

社会主義国の自由に毛の生えたようなものが、日本で得られる自由に過ぎないのだから。



女性天皇

これまでに8人10代の女性天皇が即位している。

全て男系である。

つまり、父や夫が天皇であり、次の天皇もそれらの血筋からで、女性天皇から独自に受け継がれたことはないのである。

ちなみに女王という言葉は既にある。

今上天皇の嫡出の子供と男系の孫が親王(男児)と内親王(女児)で、それ以下を王(男児)と女王(女児)というのである。(皇室典範より)

この辺は、一般の言葉とは違っているが、"王子・王女"に変え、近しい者に"親"を付ければ納得できる。

なので、女性が天皇になっても、天皇であって女王ではない。

女性天皇については賛同が多いが、女系天皇には反発もあるようだ。

疑問がある。

現在の天皇は、歴代天皇と同じなのだろうか。

どう見ても同じではない。

ある意味、外国(GHQ)からの圧力で"象徴天皇"となり、それまでの天皇とは明らかに地位が異なっている。

ならば、女性でも女系だとしても、外国は認めるだろうからいいではないか。

もし問題だというなら、国民の象徴なのだから、国民投票で決めればいい。

憲法改正(憲法9条だと改悪かもしれないが)より意義がある。

それよりも、皇族の範囲を明確にすべきだろう。

内親王が皇族を離脱しなくてもいいとしても、清子さんが結婚されて間もない時期に言うのは可哀相に思うのは筆者だけだろうか。



皇位継承権における自由

一般に考えられるような自由もなく、将来を自分で決められない。

昔なら普通だったことだが、親がそうだったから、親が決めたから、自分の意思によらず将来が決められるのである。

まして、皇位継承は法律で決まっていて、その法律も学識者や政治家など、本人の知らない人達が決めたものである。

あなたは耐えられるだろうか。

天皇という地位を後世に繋ぐことは必要だろう。

そこに天皇や皇族の意思が働きすぎると、世継ぎ争いとなってしまうから法律で決めてあるのだろうが、そこに本人の意思が反映されていない。

法律で皇位継承順を決め、後は本人の意思に任せてもいいではないか。

内親王が皇族に留まるか否か、本人の意思に任せるというなら、天皇(皇太子)も同じではないだろうか。

もちろん、そこに他からの圧力があってはならない。

女性天皇・女系皇位継承を認めた後、上記の条文があれば、次のようなこともあるかもしれない。

例えば、長子は内親王(女性)だとして、皇位継承順は皇太子の次の2位である。

そう決まれば、別に男子を待つこともなく、誰もが安心していられる。

一番安心されるのは皇太子妃かもしれない。

しばらく後、安心されたせいか、弟君(親王)が産まれたとして、皇位継承権は3位である。

もちろん、継承順は既に決まっているから問題はない。

男子だから皇位継承をなどと言うのは、それこそ不遜である。

ご生長後、長子である皇位継承権2位の内親王は"自分の意思で"皇位継承権を放棄した場合、弟君が皇位を継ぐことになる。

これは男系の伝統を守りたいという意思かもしれないし、天皇ではなく普通のお嫁さんになりたいという意思かもしれない。

極めて日本的な考え方かもしれないが、いかがだろうか。




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