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■ Dual CPU マシン導入記 ■ |
先日、脱Socket7を目標に新マシンを導入することにしました。当初の予定では、マザーを貰ったことからSlotAのAthlonマシンになる予定でしたが、どういうわけかSlot1 Dualマシンになってしまいました。 最近ようやく環境整備が整ったので、ここに記録を残します。やはりこれからはDualの時代だ、と胸を張って言ってみたりします(^_^; |
■ マザーボードの選定 ■ |
なぜDualCPUマシンになったかというと、勧められたマザーボードがたまたまDualマザーだったという、ただそれだけのことです。背景として、キャプチャをするのに安定したマザーが欲しかったと言う事情はあります。今回使用したマザーボードは下記のものです。 SUPERMICRO P6DGE -------------------------------------------------------------------- CPU : Slot1 Dual (Coppermine非対応(ロットによる)) Chipsets : Intel 440GX DIMM : 4 Slots (MAX 2GB) ECC Registered対応 PCI : x5 32bit 33MHz ISA : x2 (うち1本はPCIと共用) -------------------------------------------------------------------- 珍しい i440GXチップセットでSlot1 Dualのマザーです。GXチップセットはベストセラーであるBXチップセットの後継で、本来はPentiumII Xeon用のものですが(Windows上でもXeon to AGP Chipsetと表示される)、なぜかSlot2でなくSlot1に使用されています。かなり安定指向のマザーボードです。 Coppermineには電圧制御ICが対応していません。後期ロット(電圧制御ICのリビジョンB以降)ではCoppermineに対応していますが、私のものは非対応でした。なお、Single CPUで使用するときは普通CPUターミネータが必要となりますが、無くても行けるらしいです。 マザーボードは某M氏の猛烈なpushによってP6DGEに決まりました。 ※MEMO : DC-DCコンバータについて P6DGE には、HARRIS(現在Intersilに合併)の HIP6004 シリーズが使われています。このうち、HIP6004ACB を搭載するリビジョンはCoppermine非対応、HIP6004CB, HIP6004BCB を搭載するリビジョン2.0以降はCoppermine対応です。なお、DC-DCコンバータを貼り換えることで旧リビジョンをCoppermineに対応できるかどうかは、現在調査中です。なお、HIP6004シリーズを採用しているマザーは限定されており、SUPERMICROの他にIBM,Iwillくらいのもののようです。 |
■ CPUの決定 ■ |
実は、マザーを買ったらCPUが買えなくなってしまいました。本当はマザーを買うお金でAthlonを買う予定だったのですが…。と、困っていたところ、ありがたいことに某k氏から PentiumII 300MHz ×2 を貸してもらえることになりました。 お借りしたのは、Deschute コアの PentiumII 300MHzです。ロットは SL2YK と SL2W8 でした。どちらかがFSB 100MHzまで上がらないらしいので、両方挿した状態で試してみたところ、やはりFSB 83MHzどまりでした。いままでSocket7のFSB 66MHzしか触っていないので、これでも充分脅威です。 |
■ メモリの準備 ■ |
もともと32MB 66MHzのDIMMを2枚ほど譲ってもらっていたので、それを使う予定でしたが、これまたありがたいことに128MB ECC Registered DIMMを1枚貸してもらえることになりました。なんだか主要部品が借り物で構成されようとしています(笑)。 P6DGE は、ECCと通常メモリの混在は可能ですが(ただしECCは無効となる)、Registeredメモリと通常のUnbufferedのメモリは混在できません。よって、すでに手元にあるメモリとの混在はできませんでした。借り物なので壊すとまずいので、混在テストはしていません。 Registered DIMM というのは、入出力安定化用のバッファを搭載したDIMMで、サーバなど高度に安全性が要求される機器ではわりと一般的に利用されています。その代わり、若干消費電力が大きいようなので、複数枚を挿す場合は電源容量に注意が必要な場合があります。これに対して、通常のDIMMは、区別して Unbufferd と呼ぶことがあります。 ※NOTE : しばらくして、RegDIMMを64MB増設しました。 |
■ VGAの準備 ■ |
最初の時点ですでに手元にあるのは、Matrox Millenium (PCI) / 2MB と、ATi 3D-RAGE2 (PCI) 2MB の2枚でした。キャプチャをする都合上、オーバーレイ機能および動画再生支援が無いと困るので、速度的には劣るRAGE2にしました。 しばらくはそれで耐えていたのですが、やはり数世代前のPCI-VGA、どうしても速度的に不満は出てきます。ちょうどうまい具合にGatewayのジャンクから nVIDIA RIVA TNT2 model64 (32MB) を入手できたので、これを使用することにします。実は、2001年後半にして、我が家で初のAGPです(笑)。 ※注:3Dゲームをやると、CPUが付いて行かないようです。さすがにゲームはDual非対応ですね。 |
■ サウンドカードの準備 ■ |
実は最初の時点ではサウンドカードに手持ちがありませんでしたが、P6DGEを勧めてくれた某M氏が提供してくれることになりました。ありがたいことです。 入手したのは ISAサウンドカードの最高峰、Creative SoundBluster AWE64 Goldです。下手な最近のPCIサウンドカードよりも明らかに音が良く、深みのある歯切れの良い音がします。Direct Sound 3Dなどの最新のトレンドには対応していませんが、音質重視の質実剛健なサウンドカードです。音声出力端子がステレオミニジャックではなく、金メッキのRCAピンプラグなのも、評価できる点です。(なんでも某M氏はもう一枚サウンドフォント付きで持っているそうで…。やるなぁ)。 ISAのサウンドカードの場合、負荷を心配する人がいますが、このカードに限ってはそれほど負荷は高くないようです。なお、Win2k上ではウェーブテーブルシンセサイザのサウンドフォントは非対応ですので注意が必要です。 |
■ NICの準備 ■ |
LANカードは最初から手元にありました。学校の粗大ゴミ処分のときに捕獲した、DEC 21040 Tulipシリーズの10BASE-T PCIのLANカードです。DECのLANチップは、現在はINTEL扱いになっています。とにかくドライバが当たりやすく設定が楽のなのが良いところです。Win9x,NT,2000のみならず、Linux系OSでもらくらくドライバが当たります。 |
■ キャプチャカードの準備 ■ |
新マシンの重要な使用目的の1つとして、ビデオキャプチャを考えていましたが、これがそのコアとなるものです。 MELCO の MEG-VC1 というビデオキャプチャーカードを用意しました。某S氏から貰った物です。ありがたいことです。キャプチャしたデータで借りを返そうと言うことにしています(笑)。 MELCO MEG-VC1 は、DEC(Digital Equipment)のMPEG1ハードウェアエンコードチップを搭載しており、非力な環境でもそれなりにキャプチャできます。Pentium 200MHzもあれば、充分と思われます。マニュアルによればPentium 133MHz程度でも大丈夫なようです。また、かなりCPUパワーが必要ですが、Video For Windows互換として非圧縮で取り込むことも出来ます。。入力は、映像がS端子とコンポジット入力、音声がLINE-INとMIC-INになっています。音声スルーするためのLINE-OUTもあり、サウンドカードに接続します。 スペック的には、320×240、もしくはビデオCD解像度の352×240 の解像度に対応しており、29.97fps か 30.00fps のフルフレームキャプチャが可能です。他のフレーム数はハードウェア的に指定できないようです。 残念ながらWin95,98のみでWindowsNT/2000には対応していません。MELCOには、このカードのドライバの開発能力はないようです(だってほとんどDECのドライバのままなんだもの)。 もはや新品は手に入らないと思いますが、中古市場でもそこそこ安く、お手軽にキャプチャできる良いカードだと思います。もしまだキャプチャーカードを持っていない場合、安く出ていたら即GETを勧めます。 |
■ 組み立てとインストール ■ |
もともとが非常に安定したマザーボードであることもあり、DualCPUでも簡単に安定動作します。学校でTekramのDual Slot1マザーで散々苦労したのが嘘のようです。ただし、マザーボードの物理的なサイズがかなりありますので、小さめのケースだと収まらなかったり、5インチベイなどが干渉します。 電源が切れるときに、「きゅいーん」という独特の音がします。マザー上のジャンパピンでOFFできますが、何かを知らせているようなのでそのままにしておきます。 FSBは、66MHzと100MHzが正式対応です。BIOSの裏設定(Factory DefaultのMODE設定)で、66,75,83,100,112あたりが設定可能なようです。現在、83MHzで安定して使っています。 PCIスロットは、スロット1と4が物理的にIRQシェアリングされるようです。IRQにシビアなカードを挿す場合は要注意。なお、一般的なマザーとは逆に、ISAに近いほうからスロット番号を数えます。 出来ることなら、米国INTELのWebサイトから入手できる440GXチップセットドライバをインストールしておくと、より安定するようです。マザー付属のドライバCDには、Win9x上でマザーの状態(電圧やファンの回転数など)を確認できるツールや、チップセットドライバが入っていますが、無くても大丈夫です。 |
■ DUALのパワー ■ |
Dual CPUで動作させるには、WindowsならNT系OSが必要です。今のところWindows2000で動作させています。普通に速いだけでなく、負荷が高くなりにくいのが良いところです。HDBENCH 3.30で見ると、2倍以上のパフォーマンスが出ていますが、体感速度もほぼそのくらいに上がります。たかだか400MHz以下のCPUなのに、MPEG1ムービーを数個同時再生しても(on HDD-ATA33)、負荷が50%ちょい超えるくらいです。恐るべし…。 試しにTurbolinux7も動作させて見ましたが、これも300MHz台のPentiumII とは思えない速度で動いてくれました。 / 一番差が出るのは、MPEGエンコードです。有名なエンコーダであるTMpegEncの出来が良いせいなのですが、Dualだとかなり高速化されます。 今まで一応PentiumPro Dualマシンなどには触る機会があったのですが、まだまだDualを甘く見ていたと言わざるを得ません。もう戻りたくないです(笑)。やはりこれからはDualの時代でしょう。CPUをけちってでもDualマザーを買いましょう。 |
■ 最終結果 ■ |
こうなりました↓ > 協力者各位 -------------------------------------------------------------------- CPU : PentiumII 300MHz Slot1 x 2 M/B : SUPERMICRO P6DGE Intel440GX Slot1-Dual ATX RAM : 128+64MB SDRAM Registered ECC VGA : nVIDIA RIVA TNT2 model64 AGP SND : Creative SoundBluster AWE64 gold ISA CAP : MELCO MEG-VC1 Mpeg1-Hardware-Encoder SCSI: Tekram DC-390F UltraWide-SCSI HDD : SAMSUNG SV0322A 3.2GB UDMA33 CDR : CD-RW LG CED-8120B Wx12/RWx8/Rx32 DVD : DVD-ROM TOSHIBA SD-M1002 x2-DVD DDS : Compaq 8mm DDS2 SCSI FDD : TEAC FD-235HG CASE: N/B MiddleTower -------------------------------------------------------------------- 総費用(税抜) : 5800 + 600 + 800 + 1300 + 1600 + 500 + 2000 = \12,600 + α |