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■ テラドライブ解体新書 ■ |
TERA DRIVE は、かつて1991年にSEGAが発売したメガドライブとパソコンが一緒になったマシンである。 パソコンといっても、PC/AT互換機などと言うパチモンではなく、由緒正しきIBM PS/2ほぼそのものを搭載していたのだが、いかんせん全体的に設計が(当時としても)古く、時代の流れの前に消えていった名機であると言えよう。 本章では、そんな素晴らしいTERA DRIVEのハラワタを後世に伝えるものである。
TERARIVE (FDDは別物に交換)
SEGAのロゴとMD/PC切換スイッチ
SEGA TERARIVE MODEL-3
MOTHER BOARD SUPPLIED BY IBM
SEGAのシルク印刷
AMDセカンドソースの N80L286-10MHz
東芝製サブCPU TMP68HC000N-10
メガドライブカセット端子とパッド端子
YAMAHAのFM音源 YM3438
MAX2.5MBしか認識しない30pinSIMM
独自のISAバス直結44pinカードエッジ
IBM純正HDDを搭載(互換品は全く無い)
1本だけのISAコネクタ(12V未供給)
前面パネルの由緒正しきPS/2コネクタ
ノンカスタムの8042コントローラ
堪能していただいた所で、少し補足を。 発売されたのは、モノの本によると1991年5月。 ということは、すでにほぼi386CPU一色になっていた時期であり、 その頃にあえて286のたかだか10MHzのマシンを投入するのは、 訳が分からない状態であろう。 なにしろ、PC-98シリーズのようにCPUがソケット式ならまだしも、 フラットパッケージで基板に直付けでは、容易には手が出せないと言うものである。 もっとも、PS/2でなくPC/ATという側面から見れば、もともとATには386以上のマシンは存在しないので、あえて正統と見ることも出来なくはない。 メモリに関しては、最上位機のモデル3には2.5MBのメモリが搭載されているが、 モデルに関わらず2.5MB以上挿してもメモリを認識しないらしい。 全く持ってクローズドな仕様である。 トドメは、なぜか12Vが供給されていないISAバススロットであろう。 おかげで一部のISAバスカードが使用できない。 まったく持って理解に苦しむ仕様であると言えよう。 なお、ROM内にはPC-DOSが収められており、 ドライブ類が無い状態でもDOSが使用できる・・・のは良いのだが、 収められているのはPC-DOS 4.0というバージョンである。 そう、昔のことを覚えている諸兄は苦笑されるであろう、 ハードディスク周りの互換性に問題を残していたあのバージョンである。 つくづく発展性に恵まれないマシンである。 というわけで、PCとして使うにはかなりの理不尽を感じるテラドライブであった。 ここに兵どもの夢の跡を感じて頂きたい。 |